01
「…ちゃん…」
………
「…お兄ちゃん…」
(ん…誰だよ、俺を呼ぶのは…)
「お兄ちゃん、早く起きなよ!」
「ん、んぁ…」
「もう。今日学校早いんでしょ?」
「ふぁ……昨日遅くまで課題やってたからねむい…」
「あれ?握手会行くって言ってなかったか?」
「私、今日は遅い部からだから集合時間遅いんだ」
「そっか。さて、行ってくるかな」
「ちょっと、寝癖くらい直していきなよー」
「いいよ別に。そんなん気にしないし」
「だから彼女できないんだよ…」
「うるせ…じゃ行ってくる」
バタっ
いつも口うるさい妹の裕華。
でも、我が妹ながら最近成長が著しくて、風呂上がりなんかブラジャー着けないでTシャツ1枚で歩くから目のやり場に困るんだよなあ。
まあ、だからと言って兄妹だから何があるって訳じゃないけど。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(はぁ、今日は1限からみっちりだったから疲れた…)
ガチャ
「ただいま」
ざわざわ…
(あれ、誰かいる?)
あははははは!
(この声…そうか、今日は両親いないから、亜柚香ちゃんと暖花ちゃんが泊まりに来るって言ってたな)
(俺が帰ったことも気付かないか…まあいいや)
バタン
(あー疲れた…夕飯まで一眠りするか)
(あ…今日の夕飯、母さんいないけどどうするんだろ?)
自分の部屋に入った俺は、そんなことを考えながら眠りについた