第1章
偶然の出会い
菅井がアイドル部のメンバーを呼んだ。
渡邉「ゆっかー、どうしたの?」
菅井「この子は渡邊理佐って言うの。アイドル部の一員なんです!」
和也「渡邉理佐さん。よろしく」
渡邉「理佐でいい。よろしく〜」
和也「なら理佐さん」
理佐は無言で和也を見続ける。

和也「理佐で…。」
理佐「うん。それでいいよ」
菅井「もう呼び捨てで?なら、私も友香と呼んでください」
和也「うーん、お嬢様っぽいから菅井様で」
友香「えーっ、なんでですか?」
理佐「あははっ、間違ってはないよね!」
友香「理佐まで!爺やに言いつけますよ!?」
和也「まじで爺やとかいるの!?」
友香「ふふっ、冗談ですよ?そんな人居ません」
友香は冗談を言って1人で笑っている。

理佐「ところで本当にマネージャーをするの?」
和也「いやいや、そんな予定ないよ。後で断らなきゃ」
友香「えっ?断っちゃうんですか?」
和也「うん。家のことやらなきゃいけないし、それと…」
『キーンコーン…』和也が話している途中にチャイムがなる。
和也「あっ、やべっ!2人ともこれからよろしくね!」
和也は授業の準備をする。友香は何か言いたそうな顔をして、和也の横顔を見ていた。

和也「菅井様。購買ってどこにある?」
昼休みになり、昼ご飯を買いに行くために、購買に行こうとしたが、転校初日なのでいまいち場所がわからなかった。

友香「購買ですか?購買なら1階に降りて右に歩いていけばありますよ?一緒に行きましょうか?」
和也「ううん、大丈夫。ありがとう」
和也は今日を出て購買に向かった。

(購買、購買っと。あ、あった)
購買に着いた和也は何個かパンを取る。
(人が多いな…)生徒達がお昼ご飯を購入しに集まっているので、結構な人混みになっている。

『ドンッ』和也の身体に誰か当たって、持っていたパンが床に落ちる。
「きゃあ!ごめんなさい」
ぶつかった生徒が謝って床に落ちたパンを拾おうとする。

和也「いえ、大丈夫ですよ」
和也もしゃがんでパンを拾おうとすると、その人と手が触れ合った。

『ごめんなさい!』2人は同時に謝ってお互いの顔を見る。

和也「あっ!!」
???「あっー!」
そこで出会ったのは、朝、パンを鳥に取られて笑われた女子生徒だった。

和也「フィリピン…じゃなくて、朝の!!」
???「鳥にパンを取られた人!!」
2人ともお互いの顔を覚えていた。

???「ひーちゃんどないしたん?」
近くにいたその子の友達が近寄ってくる。
???「あれ?知ってる人?」
大阪弁でフワッとした雰囲気の女の子が2人の顔を交互に見る。

???「さっき話してた鳥にパン取られた人!それに、悪口言ってきた人!」
和也「悪口って…。キミもめっちゃ笑ってたじゃん」
???「だって面白かったから。それに私はキミじゃなくて、1年A組の森田ひかるです」
和也「俺も鳥にパンを取られた人じゃなくて、転校生で2年A組の平野和也です」
???「先輩だったんですか?あっ、私はひーちゃんと同じクラスの田村保乃です」
和也「田村さんね。よろしく」
森田「まさかの先輩ですか!」
森田は和也が先輩だったと知り、急に敬語になった。

和也「まあね。それより、早く買わなきゃ。それじゃ」
和也はお会計をしに列に並んだ。

そして、無事にお昼ご飯を買うことができ、ホッとしていると、森田と田村が和也の元に近寄ってきた。

田村「もしよかったら一緒にご飯たべませんか?」
和也「いいの?」
森田「はい。先ほどの無礼をお詫びしたいので」
和也「別に気にしてないけど。なら、よろしくお願いします」
田村「それじゃ、屋上にいきますか!」
和也は田村と森田の後をついて行き、屋上へと向かった。

しゃもじ ( 2022/05/21(土) 21:47 )