乃木坂高校












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第8章
天然小悪魔系男子
校門で蓮加が来るのを待っている。
すると、「じゃーん!」と突然蓮加が目の前に現れた。

(じゃ、じゃーん?)和也は蓮加の登場の仕方にビックリしたが、キラキラしている蓮加の笑顔を見て、可愛いとも思えた。

和也「それじゃ、行こっか?」
和也は少しニヤけてしまった顔を見られないように、先に歩き出した。
蓮加「あっ、待ってよー!!」
蓮加もすぐに和也の後を追いかけた。

蓮加「和也くんは夏休み何してるの?」
カフェに向かう途中、蓮加が夏休みの過ごし方に着いて聞いたきた。

しかし、和也は返答に困ってしまった。
聖来との食べ歩きからのラブホ、あやめとの家での過ごし方、史緒里とのお祭りからのラブホなど、言いにくいことがたくさんあったからだ。

和也「みんなと遊んでるよ?蓮加は?」
和也は話題を蓮加に振った。

蓮加「ふーん、そうなんだ!蓮加は桃子やたまみと遊んだり、でんちゃんとも遊んだ!」
和也「そうなんだ。充実してたんだね」
蓮加「まぁ、それなりにね!それでね…」
蓮加は桃子達と遊んだ時の事を話してくれた。

蓮加「あっ!ここだ!」
蓮加と話していると、あっという間に目的地のカフェに着いた。

蓮加「ここずっと行きたかったんだよね!」
和也「へぇ〜、こんな所にカフェがあったんだ」
2人は店内に入って、席に案内される。

蓮加「えぇ〜、どれにしよう?どれがいいかな?」
豊富なメニューから、どれにするか悩む蓮加。

和也はそんな蓮加を見て頬が緩んでしまう。
蓮加「なんで笑ってるの?」
和也「いや、蓮加って意外に優柔不断なんだなって。もっとさっぱりしてると思った」
蓮加「だって、食べたいのがたくさんあるんだもん!」
蓮加は頬を膨らませて答える。

和也「他に食べたいのがあるなら、また今度こればいいよ」
蓮加「えっ…また一緒に来てくれるの?」
和也「もちろん。俺で良ければね?」
蓮加は「やった」と小さな声で呟いた。

和也「んっ?何か言った?」
蓮加「な、なんでもないよ!れんか、これにするね!」
蓮加の注文するメニューが決まり、店員を呼んで注文した。

注文したものが来るまでの間、蓮加と色々なことを話す。
蓮加とは桃子や他のメンバーと一緒にいる時しか話したことがなく、2人で話すのは初めてだったが、とても話しやすく会話が途切れることがなかった。

蓮加「美味しそう〜!」
注文したパフェが運ばれてきて、蓮加は目をキラキラさせる。
普段はすこし大人っぽく見える蓮加が、この時は少し子供の様に感じた。

蓮加はパフェを一口食べると、幸せそうな表情をした。
和也「美味しい?」
蓮加「うんっ!すごく美味しい!」
次々とパフェを口の中に入れていく。
和也はそんな蓮加を微笑みながら見ていた。

和也「蓮加、ここにクリームついてるよ?」
和也は指を自分の口元に当てて、蓮加に教えてあげる。
蓮加「えっ?どこ?」
蓮加は舌をペロっと出して、取ろうとするが届いていない。

和也「ふふっ、ここだよ。動かないでね?」
和也は指で付いているクリームを取ってあげる。
そして、そのクリームをペロッと舐めた。

それを見た蓮加は、顔を真っ赤にして、モジモジしながら小さな声で「ありがと」と言った。

和也は顔を赤くした蓮加を不思議そうに見ていたが、本人は全く気づいてないが、和也は天然の小悪魔タイプだった

頭を撫でたり、クリームを取ってあげたり、女の人が喜ぶ様な事を何も考えずになってしまう。
その行動のせいで、沢山のメンバーがドキドキしているのを和也は全く知らなかった。

その後、パフェを食べ終えて店を出た2人。

蓮加「本当にだしてもらっていいの?」
蓮加は奢ってもらったことを気にしている。
和也「もちろん。セットリストを考えるのを付き合ってもらったお礼だから。蓮加のおかげでいいのが出来たしね!」
蓮加「なら、よかったよ!ごちそうさまでした!」
蓮加は笑顔でお礼をいった。

そして、帰り道。仲良くなった2人の距離は近くなり、歩くたびに手の甲が触れ合ってしまう。
さすがの和也も少し意識してしまい、蓮加も無言になってしまう。
しかし、お互い距離を取ることはせず、しばらく歩き続けいると、「あ、あの!」と蓮加が声を出す。

和也「ど、どうした?」
突然喋り出した蓮加にビックリする和也。
蓮加「手…繋いでも…いいですか…?」
蓮加は勇気を振り絞って和也にお願いした。

和也「あっ、どうぞ…」
和也は蓮加の手を握ると、手の甲ではなく、手の平が触れ合った。
蓮加「ありがとう…」
こうして、2人は蓮加の家に着くまで、繋いだ手を離すことはなかった。

しゃもじ ( 2022/03/04(金) 12:02 )