乃木坂高校












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第8章
レッスンの後に
夏祭りのライブも近づき、レッスンが忙しくなる中、休憩中のメンバーの表情が暗かった。

和也「表情が暗いですけど、どうしたんですか?」
和也は心配になって話しかける。

飛鳥「飛鳥ちゃんは大事なことを忘れていたんだ」
和也「大事なこと?お弁当忘れたとかですか?」
飛鳥は『ギロッ』っと和也を睨んだ。
どうやら違ったみたいだ。

一実「夏休みももう中盤。なのに…」
和也「なのに?」
日奈子「夏休みの宿題、全くやってなーい!!」
和也「なるほど。それは大変ですね」
眞衣「なんか他人事みたいですな〜!」
和也「一応、全部終わってるので」
和也がそう言うと、『えーっ!!』と話しているメンバーとは違う所から叫び声が。

美月「か、和くん、もう宿題終わったの?」
和也「えっ、うん。昔から宿題とかは早く終わらせたいタイプだから」
真佑「見た目と違って真面目!」
和也「これに見た目って関係あるの?」
和也のツッコミに対して、真佑は舌を出して笑って誤魔化した。

遥香「もしかして、さくちゃんも?」
さくら「うんっ!兄ちゃんが教えてくれたからね!」
沙耶香「さくちゃんだけズルい!」
聖来「せいらもこんなお兄ちゃんがいたら、宿題頑張るのに〜!」
飛鳥「えんちゃん、3日ほど和を貸してくれんかね?」
飛鳥は最近さくらのことをえんちゃんと呼ぶようになった。

遥香「飛鳥さんの次は私で!」
あやめ「なら、あやはかっきーの次でお願いします!」
和也「人をレンタル品みたいに…」
真夏「はいはい!宿題の話はここまでにして、レッスン再開するよ!」
「はーい!」真夏のキャプテンらしい一言でその場はお開きとなった。


その後、レッスンが終わり、和也はレッスン室でパソコンと睨めっこしていた。

和也「この曲から次の曲だと…だめだ。美月の移動が大変だ」
先生から夏祭りのライブのセットリストを頼まれたので、それを考えていた。

しかし、移動のイメージが湧かず、悪戦苦闘していた。

しばらく作業をしていると「おーい!」と声をかけられた。
和也「あっ、蓮加。どうしたの?」
蓮加「タオル忘れたから取りに来たの。それより、深刻な顔してたけどどうしたの?」
和也「ライブのセットリスト考えてたんだけど、中々いいのが浮かばなくて…」
蓮加「そうなんだ。なんか手伝えることある?」
和也「大丈夫だよ。レッスンで疲れてるでしょ?」
蓮加「ちょっとぐらい大丈夫!」
和也「なら、ちょっとだけお願いしていいかな?」
蓮加「もちろん!」
和也は蓮加に曲が変わる時の移動をお願いした。

和也「そこから、B-7はいける?」
蓮加「うーん、これはちょっと移動しづらいかも」
移動が気になる人の配置に入ってもらい、実践してもらう。
頭でイメージするより、実際でやってもらうほうが何倍も作業効率が上がった。

和也「よし!できた!」
蓮加の協力もあり、セットリストが完成した。

蓮加「見せて!」
蓮加は和也に近づき、パソコンを覗き込んだ。
その距離は近く、少し顔を動かせば頬が触れてしまう程だ。

蓮加「めっちゃいいじゃん!」
蓮加が顔を和也の方に向けると、至近距離で2人は見つめ合った。

蓮加「あっ…ごめん…」
蓮加は顔を赤くして和也と距離を取った。

和也「だ、大丈夫だよ。それより、手伝ってくれてありがと。お礼したいんだけど、この後、時間あるかな?」
蓮加「う、うん。大丈夫だよ」
和也「なら、なにかご馳走するよ」
蓮加「やったぁ!パフェ食べたい!!」
和也「わかった。校門で待ってるから、蓮加は着替えておいで?」
蓮加「わかった!なら、また後でね!」
蓮加はそう言って、レッスン室を出て行った。

しゃもじ ( 2022/03/03(木) 11:08 )