乃木坂高校












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第8章
気まずさを超えて
30分以上が過ぎ、史緒里がお風呂から出た気配がした。

史緒里「お風呂、ありがとうございました。それにタオルとこれも…」
バスローブを着た史緒里が戻ってきた。

史緒里「和也くん…?」
史緒里のバスローブ姿に見惚れてしまう和也。

和也「あっ、うん。どういたしまして」
史緒里「次は和也くんもお風呂に入って下さい」
和也「そ、そうするよ。行ってきます」

和也は脱衣所に向かい、史緒里はソファに座った。

シャワーで汗を流して、頭と身体を洗う。
そして、湯船に浸かり、さっきの史緒里の姿を思い出している。
和也「なんか、色っぽかったな…はっ!」
変な気を起こさないように、和也は湯船の中に潜った。

20分程して、お風呂から上がり、脱衣所で身体を拭いていると、史緒里がいる部屋がやけに静かだった。

入れ替わる時、和也はテレビを付けっぱなしだったので、史緒里が寝るためにテレビを消したのかと思い、そーっと部屋を覗く。
すると、和也は衝撃的な光景を目の当たりにする。

それは、史緒里がソファの上で体操座りをして、AVを観ていたのだ。

和也は慌てて、顔を隠してテンパりながら状況を整理する。

和也「どういうこと?えっ、史緒里が?見間違い…だよね」
小声でボソボソのいいながら、確認するために、再度覗いてみると、確かに史緒里がAVを観ていた。

和也「まじか…」
この状況に動揺したと同時に、純粋な史緒里がAVを観ているという事に興奮し始める。

しかし、今この状況で戻ったら、更に気まずいことになる。
和也は考え抜いた末、少し大きな音を出して、史緒里の所に戻る事にした。

『パンッ』お風呂場の入り口のドアを少し強く閉めて、わざと大きな音を出した。
そして、怪しまれないように頭をタオルで拭き、バスローブを着て時間を稼ぐ。

あとは賭けだった。史緒里が気づいてくれている事を信じて部屋に戻った。

和也「ただいま〜」
史緒里「お、おかえりなさい!」
テレビを観ると画面は消えており、和也は一安心する。

和也「史緒里、髪の毛濡れてるよ?」
史緒里「あっ、乾かすの忘れてたよ!乾かさなきゃ!」
史緒里は洗面所に向かい、ドライヤーで髪の毛を乾かし始める。

和也「史緒里の髪の毛って綺麗だよね」
和也は洗面所に居る史緒里の元に向かい、くしでほぐしている史緒里を見て話しかける。

史緒里「そうかな?毎日手入れしてるからかな?」
和也「触ってみてもいい?」
史緒里「どうぞ?」
和也は史緒里の髪の毛を触ると、サラサラの髪の毛に興奮する。

和也「すごっ!すごいサラサラ」
史緒里「ふふっ、くすぐったいよぉ〜!」
史緒里はあまりのくすぐったさに、顔を動かす。
すると、『あっ』2人の顔の距離が目と鼻の先になる。

和也はお風呂に入ったばかりで潤っている史緒里の口に目がいってしまう。

史緒里「和也くん…」
史緒里はそう言って目を瞑った。
さっきの花火での出来事がフラッシュバックする。

和也「史緒里…」
和也は潤っている史緒里の唇にキスをした。

■筆者メッセージ
みなさん、沢山のコメントありがとうございます!
楽しんでもらえて嬉しい限りです。

これからもよろしくお願いします!
しゃもじ ( 2022/02/08(火) 12:17 )