乃木坂高校












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第8章
気まずい2人
史緒里「どうしよう…」
終電を乗り過ごし、駅のホームで泣きそうになっている史緒里。

史緒里「和也くん、ごめんね?私がちゃんと時間を確認してれば…」
和也「ねぇ、史緒里の通ってた学校ってどこ?」
和也はハンカチを取り出して、汗をかいている史緒里の顔を拭いた。

史緒里「私の通ってた学校…?」
和也「うん。中学校か小学校。明日はそこに行ってみたいな〜!あっ!あと、ずんだシェイクも飲んでみたい!もう1日旅行が延びて楽しみ増えたね?」
何事もなかったかのように話し出す和也。
その優しさに史緒里の涙腺が崩壊しかける。

和也「俺は大丈夫!だから、泣かないの。ねっ?」
史緒里「和也くん…ありがとう…」
史緒里は目にたくさんの涙を溜めて微笑んだ。

和也「とりあえず家に連絡しとこうか?」
史緒里「そうだね!」
2人はスマホを取り出して、家に連絡をした。

和也「あとは〜、泊まる所どうしようか?この辺にビジネスホテルとかある?」
史緒里「ホテルはないことはないけど…」
史緒里は顔を赤くして答える。

和也「ならそこに行こっか。お腹も空いたし、コンビニで何か買っていこ?」
和也は駅の近くにあるコンビニに向かっていく。
史緒里「あっ!ちょっと待って!」
史緒里は和也の後を追いかけて、手を握った。

2人はコンビニでお菓子やカップ麺を買って、史緒里の案内の元、ホテルを目指した。
ホテルに向かっている間、史緒里は道案内のルートだけしゃべり、あとは顔を赤くして下を向いていた。

史緒里「ここだよ…」
史緒里の案内で着いたホテル。
和也「ここって…」
和也はビジネスホテルに行くものだと思っていたが、着いた先はラブホテルだった。

史緒里「この辺、ホテルここしかなくて…」
和也「そ、そうなんだね。まぁ、泊まるだけだし…」
気まずい空気が2人の間に流れる。
和也「とりあえず入ろっか?」
史緒里は頷いて和也の後をついて来た。

フロントで受付をして部屋に入り、ソファに座る。
気まずさからなのか、ソファに座った2人の間は人1人分が入れる程のスペースが空いていた。

和也「あ、汗かいたし、お風呂準備するね!」
和也はあまりの気まずさに、お風呂場に行き、湯船にお湯をためる。

過去に絵梨花と聖来とラブホに来たが、今までで1番気まずく思える。
聖来の場合は仕方ないにしろ、絵梨花の場合は気まずいと思う前に行為が始まったので、気まずいとも思わなかった。

しかし、今回は色々状況が違う。
クラス内でもトップレベルに清楚で純粋な史緒里とラブホに来てしまった。

和也「ただ泊まるだけだから…」
和也は自分に言い聞かせていたが、さっきの花火の時のキスを思い出してしまう。

余計なことを考えないように、史緒里の元に戻る。

和也「史緒里?」
和也が史緒里の名前を呼ぶと、史緒里が『ビクッ』とした。
史緒里「ど、どうしたの?」
和也「お風呂、先に入っておいで?」
史緒里「えっ、あっ、うん。ありがとうございます…」

史緒里は立ち上がって、お風呂場に向かう。
和也がソファに座って、ボーッとしていると『ジャー』とシャワーの音が聞こえる。
なぜかその音にドキドキしてしまい、慌ててテレビをつけた。

和也「史緒里、タオルの場所わかるかな?」
テレビで気を紛らわせても、史緒里のことが気になってしまう。

和也はタオルをわかりやすい所に置くために脱衣所に向かった。

床に置いてあるカゴからタオルと念のためバスローブを置いた。
すると、ある物が目に入った。

和也は慌てて脱衣所を出て、ソファに座った。
(史緒里、今日は白だったんだ)
脱衣所で見た史緒里の下着。
それを見た和也は理性を保つので必死だった。

しゃもじ ( 2022/02/07(月) 20:07 )