乃木坂高校












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第7章
薬と変化
聖来「うぅ〜。苦しい〜」
人混みを外れた所で聖来がしゃがみ込んで苦しんでいる。
理由は1つ。食べすぎだった。

和也「大丈夫?」
聖来「大丈夫じゃないです〜」
和也「困ったな。ここじゃ、休める所もないし…」
時刻は昼過ぎ。人も多くなり、ベンチや座れる所は全て埋まっていた。

和也はスマホで休めそうな所を探す。
すると、5分ぐらい歩いた所に休める所を見つけたが、その場所に問題があった。
しかし、苦しがっている聖来を見ると、悩んでいる場合ではなかった。
和也「聖来、少しだけ歩ける?」
聖来「はい…すみません…」
和也は聖来の手を握り、ゆっくりと歩き出す。

(確かここら辺だったような…あった)
着いた先はラブホだった。1番近くで休める所がここしかなかったので、少し罪悪感もあるが、ここにくるしかなかった。
受け付けを済ませて、部屋に向かった。
幸い、聖来は苦しんでおり、ここが何処か理解していなかった。

和也「ゆっくりして休むんだよ?」
部屋に入り、聖来をベットで寝かせ、和也はベットの下に座った。
聖来「ありがとうございます…」
聖来はゆっくり目を閉じて、眠りについた。
和也は聖来が眠りについたのを確認すると、満腹になったせいか、睡魔に襲わられる。

「……。…ぱい!…先輩!」
いつの間にか寝落ちをしてしまい、聖来の声で目を覚ます。
和也「あれ?寝ちゃってた…」
聖来「先輩!おはようございます!」
和也「もう大丈夫なの?」
聖来「はい!寝たら元気になりました!お騒がせしました」
和也「元気になったならよかったよ」
聖来「ありがとうございます!ところで、ここはどこですか?」
聖来は部屋の中をキョロキョロ見渡す。

和也「それは…あの〜」
和也はどう言い出そうか悩んだ。
聖来「もしかして…ラブホテルですか!?」
和也「ごめん!!近くで休めるところがここしかなかったから」
和也は頭を下げて謝ると、聖来からの反応がなかったので、恐る恐る顔を上げる。
和也「聖来?」
聖来「キャー!先輩にラブホに連れ込まれちゃったぁ〜!」
明らか嫌がってない表情で、むしろ喜んでいる様にみえる。
和也「連れ込まれたって言い方はなんかあれだけど…」
聖来「これからなにされるんやろ?」
聖来は何かを期待しているようだ。
和也はどうしたらいいのか分からず、「顔を洗ってくる」と言い、洗面所に向かった。

顔を洗って部屋に戻ると、先輩か部屋の中を探索していた。
和也「何してるの?」
聖来「ラブホって初めてやから、どんなんやろ?っと思いまして!ねぇねぇ、先輩!これってなんですか?」
聖来が販売機に入っている物を指で指す。
和也「こ…び…薬?だと思うけど…」
聖来「なんですかそれ?」
和也「なんだろ?わかんないや」
聖来「気になるなぁ〜!」
和也「なんかの薬なのかな?とりあえずトイレ行ってくるから、戻ってきたら帰る準備しよっか?」

和也はトイレに行って、戻ってくると聖来はベットの上でボーッとしていた。
和也「準備できた?」
聖来「まだですぅ〜!もう少し居ましょうよ〜!」
聖来は和也に近づいて、手を掴んだ。
和也「べ、別に良いけど何かあった?」
聖来「なにもないです〜!ささっ、座りましょ?」
2人はソファに座ると、聖来がべったりくっついてくる。
和也「なにか近くない?」
聖来「なんで?せいらが近くにあったら嫌なん?」
和也「嫌ってことじゃないけど…」
聖来「なら、いいですよね?」
聖来は腕に抱きついてくる。
和也は何かおかしいと周りを見渡すと、先程見ていた販売機の一ヶ所が開いている事に気づいた。

(まさか!)ベットの上を見ると、媚薬と書いてある箱が置いてあったのだった。

しゃもじ ( 2022/01/15(土) 12:09 )