乃木坂高校












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第7章
表情の理由
シャワーを浴びて、リビングに戻った和也。
すると、あやめはソワソワしていた。

和也「シャワーありがとう」
和也はあやめに話をかけると、「きゃあ」と驚くあやめ。

和也「どうしたの?」
あやめ「なんでもないです!あっ、あやのお部屋行きますか?」
和也「えっ、行ってもいいの?」
あやめ「先輩ならいいですよ?」
あやめがそう言ってくれたので、和也はあやめの部屋に行く事にした。

あやめ「どうぞ。何もありませんが」
2階に行って、あやめがドアを開けた。
和也「おじゃまします」
和也はあやめの部屋の中に入る。
部屋の中はとてもシンプルで大人っぽく、凄くいい匂いがした。
あやめ「そんなに見られると恥ずかしいですよ…」
和也「ごめん。なんか、大人っぽくていい部屋だね?」
あやめ「本当ですか!?」
あやめが前のめりになり、少し大きな声を出した。
和也「う、うん。そう思うよ」
あやめの勢いに少し圧倒されてしまう。
あやめ「やった…」
あやめは小さな声で呟いた。

その後、あやめの昔の写真を見て盛り上がった。
和也「あっ!ここ知ってる!俺もよく行ってた!」
あやめ「本当ですか!?ここのコロッケ美味しいですよね!」
あやめと和也は地元が同じで、2人とも春からこちらに引っ越してきたので、すごく近いものを感じていた。

2人で写真を見ていると、和也はあやめの顔がすぐ横にあることに気づいた。
あやめの横顔を見て、普段はどこか子供っぽく妹みたいに感じていたが、今は大人っぽく感じる。

あやめも和也の視線に気づいて、和也の方を向くと、2人は目があった。
一瞬、時が止まった様に感じる。
そして、2人は恥ずかしがりながら目を逸らした。

和也「あはは、やっぱ夏だから少し暑いね」
あやめ「そ、そうですね!ちょっとクーラーの温度下げますか?」
あやめはリモコンを取ろうと立ち上がると体勢が崩れて、和也に倒れ込んだ。
「おっと」和也はあやめの身体を支えた。

和也「大丈夫?」
あやめ「大丈夫…です…」
再び至近距離で見つめ合う2人。
あやめ「先輩…あやって子どもっぽいですか…?」
あやめは少し寂しげな表情をする。
和也「えっ、どうして?」
あやめ「さっき、写真を見て昔と変わらないねって。それって、昔と変わらなくて子どもっぽいってことですか?」

あやめは子供扱いされることにコンプレックスを感じてるみたいだ。
和也「あっ、ごめん。そういうことじゃないよ?昔も今もあやめは可愛いって言いたかったんだ」
あやめ「可愛い…ですか?」
和也「うん。でも、なんか大人っぽく見えるし、綺麗の方が正しいかな?」
「嬉しい!」あやめはそう言って和也に抱きついた。

和也「うわぁ!そんなに嬉しかったんだ」
あやめ「うん!先輩にそう言ってもらえると凄く嬉しいです!」
あやめは身体を離して、和也と見つめ合った。
そして、あやめは目を閉じて、ゆっくり顔を和也に近づける。
『チュッ』2人の唇が重なった。
和也は突然の出来事で、目を開けたままだった。
あやめ「先輩。あや…先輩と…」
和也はその瞬間。理性が保てなくなった。
和也「あやめ…俺…」
和也はあやめにキスをした。
それはさっきのキスとは違い、少し強引で激しいキスであった。

しゃもじ ( 2022/01/06(木) 12:05 )