乃木坂高校












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第6章
兄とマネージャー
桃子「だからね、白石さんは桃子の目標で憧れなの」
桃子が白石麻衣さんについて話してくれた。

和也「そうなんだね。桃子はすごい優しい先輩に会えたんだね?」
桃子「うん。あの時に白石さんや、飛鳥さんがいなかったら桃子はもうダメだったかも」
桃子の目から涙が流れた。

和也「そっか。桃子はあの時の白石さんの言葉を信じてる?」
桃子「えっ…」
和也「白石さんは桃子を信じてるって言ってくれたんだよね?」
桃子「うん…」
和也「俺もその時の白石さんの気持ち分かるよ。桃子なら大丈夫。みんなが辛くても桃子の笑顔を見たら元気になれるから。そんなみんなが桃子を嫌うはずないし、桃子なら出来るよ。俺も桃子を信じてるから」
桃子「和くん…。ありがとう」
和也「うん!だから、頑張ろうね?」
桃子「はい!桃子、頑張ります!」
桃子は笑顔でそう答えた。

すると、急に桃子が目をつぶり唇を突き出した。
和也はどうしたらいいのか分からずにいると、「んー」と桃子がアピールをする。
和也はやっと理解できたのか、桃子に優しくキスをした。
桃子「ふふっ。初めてのチューが和くんで桃子幸せです!」
そう言って、顔を少し赤くして笑っていた。

休憩が終わり、再び体育館に集合した。
メンバーはボイトレを行い、和也は先生に呼ばれて別の部屋にいた。

先生「まずはマネージャーとしての意見が聞きたい」
先生から1枚の紙を見せられた。
和也「これって…さっき言ってた新しい曲のですか?」
先生「そうだ」
和也「でも、1年生はともかく、2、3年の全員の名前がないですよ?」
先生「そうか。ちゃんと話してなかったな。これは選抜って言ってな、全員がこの曲に参加できるわけではないんだ」
和也「えっ…」
先生「確かに、学生には酷なことだと思う。だが、この先、真剣にアイドルになるなら避けては通らない道なんだ」

先生から話を聞いている時、みんなの空気が変わった理由が分かった。
みんな選抜に入る為に必死でだったんだ。
和也はその覚悟が足りてなかった。

和也「ちょっと待って下さい。この配置だとセンターって」
先生「そうだ。だから、お前の意見も聞きたかった」
先生から渡された紙のセンターには、さくらの名前が書いてあった。
先生「遠藤さくらは、将来このグループの未来を背負うことになると思う。兄として、マネージャーとしてどう思う?」

和也は無言になり、真剣な表情で考えた。さくらの事を信じてない訳ではない。ただ、兄としては心配だった。
和也「兄としては心配です。でも、マネージャーとして考えるなら、遠藤さくらは大丈夫だと思います。支えてくれるメンバーがいるので」
先生「そうか。なら、これでいこうと思う。夜、メンバーを集めてくれ」
和也「わかりました」

和也は返事をして体育館に向かったのだった。

しゃもじ ( 2021/12/22(水) 12:25 )