乃木坂高校












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第6章
幸せと不幸せ
夕日が差し込む窓際に立っている麻衣。
麻衣「んっ?どうした?」
桃子の声が上手く聞き取れなかったのか、桃子にもう一度たずねる。
桃子「あっ、いえ。あの…」
麻衣「自己紹介がまだだったね。私は白石麻衣です」
麻衣は察したのか、桃子に自己紹介をした。
桃子「大園桃子です。桃子はなんでここに?」
麻衣「なら、桃ちゃんだね?自己紹介をする時に気絶しちゃったから、保健室で休ませてたの」
桃子「すみません。桃子はもうクビですか?」
麻衣「あははっ!そんなことじゃクビにならないから大丈夫よ」
桃子「よかった…。白石さんはずっとここにいてくれたんですか?」
麻衣「レッスンが終わって、さっき来たとこだよ。もうすぐみんなも来るんじゃないかな?それより見て?蚊に刺されたよぉ〜!痒い〜!」
桃子「ふふっ、あははっ!」
桃子は麻衣の無邪気な姿を見て笑った。
麻衣「急にどうしたの?」
桃子「すみません、白石さんの様な美人で女神様みたいな人が、無邪気に話してる所見たら、なんかおかしくって」
麻衣「そうかな?でも、やっと笑ったね?桃ちゃんの笑顔、可愛いね?」
麻衣にそう言われて、桃子は顔を赤くした。

麻衣と桃子が仲良くなるまで、時間はかからなかった。
桃子「麻衣姉さん!私のこと好きな人って聞いてください!」
麻衣「えっ?なに?どういうこと?」
桃子「いいから!お願いします!」
麻衣「じゃあ、私のこと好きな人?」
桃子「はいはい!!桃子です!桃子は世界で1番麻衣姉さんのことが大好きです!」
松村「ぶーっ、まちゅの方がまいちゃんのこと好きだもん!」
眞衣「後輩にヤキモチ妬かないの〜!」

そして、選抜発表の日が訪れた。
先生「3番、センター、大園桃子」
先生から告げられた、フォーメーションに桃子は唖然とした。
自然に涙が溢れて、呼吸が荒くなる。
すると、麻衣がそっと近寄り、優しく桃子を抱きしめた。

麻衣「桃子。大丈夫だよ。私たちがフォローするから。頑張ろ?」
麻衣のおかげで、落ち着きを取り戻し、桃子は頑張る決意をした。

練習が始まってからは、あっという間に時間が過ぎた。
桃子「もうダメです。桃子じゃ無理です」
途中で、心が折れてしまうこともあったが、「桃子なら大丈夫」と麻衣が優しくフォローしてくれたので、なんとか乗り切っていくことができた。

桃子「麻衣姉さんは強いですね?どうしたら強くなれますか?」
放課後の屋上でベンチに座りながら、桃子が麻衣に尋ねた。
麻衣「私は強くないよ?」
桃子「でも、いつも桃子を慰めてくれます」
麻衣「私だってみんなに助けられてるんだよ?私だけじゃなくてみんなだって。私達はみんなで支え合ってるの。だから、私も桃子も同じだよ?」
桃子「桃子も同じ。桃子、頑張ります!」
麻衣「うん…。ずっと応援してるよ?信じてるよ、桃子」
麻衣は少し寂しそうな顔で桃子を見つめた。
次の日、桃子はその麻衣が寂しい顔をしていた理由を知ることになる。

次の日、レッスンがない日だったが、緊急でメンバー全員集まることになった。
美月「緊急で集まるとか何かあったのかな?」
祐希「もしかしたら、次のライブが決まったのかもよ!」
史緒里「それだったら嬉しいね!」
桃子「みなみーん、前髪おかしくなってない?」
美波「大丈夫。ももの前髪は可愛いよ」
そんな話をしていると、2年生メンバーと、先生が入ってきた。

先生「1年生は集まってるな」
先生や2年生の雰囲気から、いい話ではない事を察した1年生。
先生「白石、自分で言うか?」
少し涙目の麻衣が頷いて一歩前に出る。
麻衣「みんな集まってくれてありがとう。私からちょっと話があります」

麻衣が話し始めると、桃子は何故か涙を流していた。
麻衣「私、乃木坂高校を転校することにしました」
麻衣からの言葉は、1年生メンバーにとって、予想もしてない言葉だった。

■筆者メッセージ
名無しさん
コメントありがとうございます!
すみません。年末が近くて色々忙しいので、余裕ができたら期待に応えれるようにします!
しゃもじ ( 2021/12/20(月) 12:51 )