乃木坂高校












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第6章
合宿と贔屓
30分後。みんなは民宿の前に集まった。
先生「集まったなー?それじゃ、まず体力作りとして、マラソンに筋トレを行う」
先生の言葉により、メンバーがざわつき始める。

美月「マラソン…最悪だ…」
蓮加「去年も経験したけど、地獄だったよね…」
柚菜「そんなにですか…?」
楓「私は走るの好きだけどなー」
桃子「でんじろうはおかしいの!」
葉月「マラソンだけで、もうバテバテになってね、その後に筋トレして初日から筋肉痛に…」
紗耶「マジですか…」
和也「はいはい、変なこと吹き込まないの」
2年生メンバーの体験談で、1年生の顔が引きつっていた。

先生「とりあえず、この民宿の周りを走ってもらう。準備体操したら始めるから、各自行うように!」
『はーい』みんなは元気のない返事をし、ストレッチなどをして準備する。

そんな中、和也はさくらの元に近づいた。
和也「さくら、大丈夫?」
さくら「う、うん。頑張る…」
力ない返事をするさくら。
さくらは中学は吹奏楽部で、運動とは無縁の生活を送っており、更に身体も細く筋肉もあまりない。
そんな中、初日からマラソンと筋トレを中心に行うので、和也は心配していた。
和也「ストレッチ付き合うよ」
さくら「うん。兄ちゃん、ありがと!」

和也はさくらとストレッチを始める。
真佑「あぁ〜!またさくちゃんばっかり!」
沙耶香「和くん、なにしょーるの?」
聖来「なんで?なんでなん?せいらは?」
さくらとストレッチをしていると、その姿を見て、1年生が騒ぎだす。
遥香「ほんと、さくちゃんにだけ優しいなー!」
和也「だけって…。ちゃんとみんなのことも気にしてるよ」
沙耶香「本当に〜?なら、頭なでなでして?」
和也「えっ、なんで?」
沙耶香「そしたら頑張れるもん!」
和也「そうなんだ。なら、こっちおいで?」
そういうと、さぁちゃんはぴょんぴょんと少し飛び跳ねながら近づいてきた。
さぁちゃんの頭を撫でると、幸せそうな顔をしてくれていた。

聖来「次はせいらの番です!はい!」
和也「えっ、なにこの列は…」
いつの間にか列が出来ていた。
遥香「何って、和くんに頭を撫でてもらう列だよ!時間ないから早くね?」
真佑「ちゃんと頑張れって言葉も付けてくださいね?」
キラキラした目で言われて、断ることも出来ず、列になったメンバーの頭を1人ずつ撫でていった。
さくらは、自分の同級生と和也が仲良くしてるのが嬉しかったのか、暗かった顔も明るくなっていた。

先生「準備終わったな〜?それじゃ、マラソン始めるぞ!」
みんなはスタート位置について、合図と共に走り出した。
レイ「あははっ、楽しい〜!」
スタートと同時に、レイがはしゃぎながら、猛スピードで走り出した。
和也「あんまりとばすと、後から辛くなるよー!」
和也の心配も虚しく、レイの姿が見えなくなっていった。

こうして、長くて大変で、ドキドキした合宿が始まった。

しゃもじ ( 2021/12/01(水) 12:17 )