乃木坂高校












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第6章
乃木坂高校 2期生
お昼ご飯を食べに行くために、目的地を目指す。

未央奈さんが合流してから、5人の表情がより明るくなった。
特にいつもと違うのは絢音さんだ。
あまり喋ったことなかったが、クールな印象で秋田美人という言葉がよく似合う人だと思う。
しかし、今日はすごく笑顔で未央奈さんにずっとくっついている。

眞衣「なにボーッと見てるの?」
みんなの後ろを歩いていると、眞衣姉さんが話をかけてきてくれた。
和也「あっ、眞衣姉さん。なんか、みんないつも以上に元気だなーって思って」
眞衣「そりゃ、みんな未央奈の事を大好きだからね〜」
和也「そうなんですね。信頼されてるんだ」
眞衣「未央奈はずっと私達を引っ張っていってくれたからね。私達は途中から入ってきたからさ。2期生と言えば分かりやすいかな?その2期生をずっと引っ張ってくれたの」
和也「そんな凄い人なんですね」
眞衣「お芝居の勉強をする為に転校しちゃったけど、今も昔も未央奈に対する心配は変わらないの」
眞衣姉さんは少し寂しそうな表情をしていた。
未央奈「おーい、まいちゅん!和也くーん!ここだよ!」
未央奈さんが行きたがった店の前に着いて、店内に入っていく。

和也「また昼から焼肉…」
蘭世「んっ?またって言った?」
和也「いえ、なんでもないです」
未央奈「よーい!食べるぞぉ〜!」
日奈子「食べ放題だから、元を取らなくちゃ!」
未央奈さん、日奈子さんを筆頭に、端末からお肉を注文する。

和也「なにこの量…」
運び込まれた大量のお肉と野菜。
絢音「大丈夫、大丈夫!みおちゃんは大食いだから!」
和也「こんな細い人が大食い…」
怜奈「昔、ネギトロ丼食べて、天ぷら定食食べた後に、ハンバーグ食べてたよね!」
聞くだけでも胃もたれしそうな量だ。
未央奈「和也くんも遠慮なく食べてね〜!あっつ!」
お肉を焼いていた時に油が跳ねたのか、未央奈さんは手を押さえていた。
和也「自分が焼くので、トング貸してください」
和也は未央奈からトングを受け取り、お肉を焼き始める。
未央奈「ありがとう…優しいね?」
眞衣「騙されたらダメだよ〜!この人は魔性の男だから!」
和也「なんか、嫌な言い方ですね?」
未央奈「そんな風に見えないけどなぁ〜」
日奈子「超が付くほど鈍感なんだけどね、素で女の子が喜ぶ事をサラッとするの!」
未央奈「なるほど!確かに鈍感っぽい!」
和也「なんか悪口に聞こえる…」
蘭世「まぁ、それがキミの良いところなんだよ!」
和也「はぁ…素直に喜んでいいんですかね?」
絢音「いいんじゃない?褒められてるんだし」

1時間ほどして、大量にあったお肉や野菜が無くなった。
和也「本当に食べたよ。追加もしてたし…。絵梨花さん並みだよ…」
未央奈「いくちゃん!?いくちゃんは元気にしてる?」
怜奈「元気だよ!相変わらず真夏さんに絡んでる」
未央奈「そっか〜!みんなに会いたいなぁ〜!」
未央奈さんは目を細めて懐かしがっていた。

ご飯を食べ終えると、洋服を見たいと言う事でショッピングモールに向かった。
ショッピングモールに着くと、それぞれ自分の好みの洋服を見始める。

和也は特に見たいものがなかったので、近くのベンチに座ってみんなを待つ事にした。
未央奈「何もみないの?」
和也「昨日も来たので、特に見るものがなくて」
未央奈「そうなんだ。なら、少しお話ししよ?」
和也が頷くと、未央奈は横に座った。

未央奈「和也くんにとって、みんなはどう映ってるかな?」
和也「どうですか?う〜ん、みなさんと知り合ってから、4ヶ月ぐらいしか経ってないんで、そんなに深くはわからないですけど」
未央奈「うん、今、想ってることでいいよ?」
和也「そうですね、日奈子さんは明るくてムードメーカーで、でも、芯はしっかりしてて、眞衣姉さんは包容力がありますよね。同級生の子もよく眞衣姉さんに相談してるんですよ。それから…」

和也は未央奈にどう想っているのか話した。
和也が話終わるまで、未央奈はみんなの方を見ながら、ずっと頷いていた。

未央奈「和也くんはよくみてるんだね?」
和也「いえ、そんなことないですよ」
未央奈「転校した私が言うのもあれだけど、みんなのことこれからもよろしくお願いします」
未央奈は身体を和也の方に向けて、頭を下げた。
和也「えっ、顔を上げて下さい!」
未央奈の突然の行動に慌てる和也。
和也「自分もみんなが好きなので、出来る限りのことはしたいと思っています」
未央奈「そっか。ありがとね?私も乃木坂高校に居る頃に、キミに会いたかったな…」
未央奈はそう呟くと、少し寂しそうな顔をする。
日奈子「未央奈〜!これ、どうかな?」
未央奈「今行く〜!話してくれてありがと!また、今度遊んでね?」
未央奈さんは立ち上がり日奈子さんの元に駆け寄った。

その後、ショッピングモール内を巡り、未央奈さんが帰る時間になったので駅に向かった。
未央奈「今日はありがとう。楽しかったよ!」
絢音「みおちゃん、頑張ってね?」
蘭世「ずっと応援してるからね?」
未央奈「ありがとう。みんなも明日からの合宿頑張ってね?和也くん、みんなのサポートお願いします」
和也「はい。俺も未央奈さんがお芝居に出るの楽しみにしてます!」
未央奈「期待に応えれるように頑張るね!それじゃ、またね!」
そう言って、未央奈さんは電車に乗り込んだ。

電車が動き出すと、見えなくなるまで、ずっと見送り続けた。

しゃもじ ( 2021/11/27(土) 13:16 )