乃木坂高校












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第5章
不穏な空気
テスト期間が終わり、レッスンがお休み再開する。
遥香「ねぇ、和くん。さくちゃんと遊園地行ったんだって?」
レッスンの休憩中、遥香が話しかけてきた。
和也「うん。さくらから聞いたんだ?」
遥香「さくちゃんが、嬉しそうに話して来たんだよ?兄ちゃんと遊園地行って、楽しかったんだぁって」
遥香の話を聞いて、さくらの方に目をやると、絵梨花さんの背中にべったりくっついていた。
遥香「今度は私も連れて行ってね?」
和也「もちろん。一緒に行こうね」
遥香「やったぁー!なら、残りのレッスンも頑張ってきます!」
遥香は笑顔でそう言うと、みんなの元に戻って行った。
遥香の戻って行く姿を見ていると、柚菜からの視線を感じる。
和也が目を合わせると、すぐにそらしてしまった。
(なんだろう。気のせいかな?)
和也はたまたまだと思い、深く考えていなかった。

レッスンが終わり、今後の日程表をみんなに配った。
真夏「あっ!夏休みに合宿できるんだぁ!」
絵梨花「やったぁ!久保ちゃん、楽しみだね!」
史緒里「はい!みなさんと一緒に居られて嬉しいです!」
飛鳥「お願いだから、夜は静かにしてね…」
美月「なんでですかぁ〜?一緒に楽しみましょうよぉ〜!」
盛り上がる先輩に対して、1年生は不安な表情をしていた。
和也「どうかしたの?」
真祐「楽しみではあるんですけど、着いていけるか不安で…」
聖来「普段のレッスンでも、ついて行くので精一杯なのに…」
和也「まだ、レッスンを始めて間もないからしょうがないよ。だから、この合宿で先輩から色々吸収して、ちょっとずつ追いついていこ?みんなはみんなのペースでね?」
あやめ「あや達のペースで…そうですね!」
レイ「なんか先輩と話してたら、楽しみになってきましたぁ!」
遥香「和くん、ありがとね!」
さくら「兄ちゃん、私たち頑張るね!」

1年生もやる気になったとこで、今日のレッスンが終わった。
和也は後片付けをしていると、タオルの忘れ物があった。
和也「忘れ物だ。誰のだろう?」
美波「それ、柚菜ちゃんが使ってた気がするよ?」
和也「そうなんだ。渡してくるよ!ありがと」
和也はタオルを持って、急いでレッスン室から出た。
和也「柚菜ー!」
教室に戻る柚菜を見つけて声をかけた。
柚菜「なんでしょうか?」
和也「これ、柚菜のかな?レッスンに忘れてたけど」
柚菜「そうです。ありがとうございました」
柚菜はタオルを受け取ると、その場から立ち去った。

(何か怒ってるような…)
和也は何かしたかと気にしながら、レッスン室に戻った。
美月「和くん、おかえり!って、考え込んだ顔してどうしたの?」
レッスン室で、片付けを手伝ってくれている美月に声をかけられる。
和也「うーん。俺、柚菜に何かしたかな?」
美月「なにかって?」
和也「わかんないけど、タオルを渡した時の感じが怒ってたような…」
美月「鈍感な和くんでも気づくってことは、相当態度に出てたってことだね」
和也「そうなんだよね…てか、言い方!」
美月「あははっ!まぁ、和くんには心当たりないんでしょ?」
和也「うん。何かした心当たりはないかな?」
美月「なら、今日何かあったのかもしれないね?さくらちゃんに聞いてみれば?」
和也「そうだね。帰ったら聞いてみるよ」
美月「うん!お片付けも終わったし帰ろ!」
レッスン室の片付けが終わり、美月と一緒に下校した。

家に着くと、さくらの部屋に入り、柚菜のことを聞いてみた。
さくら「柚菜が?うーん、何もなかったと思うけどなぁー」
今日の事をさくらに聞いてみたが、特に変わったことはなかったみたいだ。
和也「そうなんだ。なら、俺が無意識に何かしちゃったのかな?」
さくら「兄ちゃんが?うーん、兄ちゃんが人が嫌がることしないと思うけど」
和也「無意識だからわからないよ。とりあえず、明日、謝ってみるよ」
さくら「うーん。私も何かわかったらすぐ教えるね!」
和也「ありがとね!助かるよ」
和也はさくらの頭を撫でて、自分の部屋にもどった。

部屋に戻ると、ちょうど誰かからメッセージが届いた。
確認すると、相手は遥香からだった。
遥香「ちょっと相談したいことがあるから、明日のお昼一緒に食べらるかな?」
和也「うん、いいよ」
遥香「ありがとう。なら、また明日のお昼休み屋上で」
遥香とのメッセージを終えて、和也は眠りについた。

しゃもじ ( 2021/10/30(土) 10:40 )