乃木坂高校












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第3章
優しい先輩
和也「飛鳥さん!?なんでここに?てか、なんで部屋に?」
目を覚ますと仁王立ちしている飛鳥さん。思考回路が追いつかない。
さくら「あっ!兄ちゃんおはよ〜!」
和也「さくら、おはよ。これはいったい…?」
さくら「えーっとね、朝、あすぴーさんから連絡が来て…」

      〜2時間前〜
『〜〜♪』スマホが鳴り、デスクトップにはあすぴーさんと表示される。
さくら「あすぴーさんから?なんだろう?もしもし、さくらです」
飛鳥「あっ、えんぴー?おはよう」
さくら「おはようございます!あすぴーさん、どうしたんですか?」
飛鳥「えんぴーのお家どこ?」
さくら「私のお家ですか?3丁目ですけど?」
飛鳥「3丁目ね。わかった」
さくら「えっ?えっ?どうしたんですか?」
飛鳥「今から遊びにいっていい?」
さくら「あすぴーさんがですか?もちろんです!嬉しいです!」
飛鳥「えんぴーは誰かと違って可愛いなぁ〜!なら、今から伺わせてもらいます」

さくら「という訳なの!あすぴーさんから、初めて電話もらっちゃったぁ!」
飛鳥さんから電話をもらえたことを喜ぶさくら。
母「さくら〜、ちょっと手伝ってちょうだい」
一階から母さんの呼ぶ声がする。
さくら「はーい!ちょっと行ってきます!」
さくらは一階に降りていった。

飛鳥「あのさ…身体はもう大丈夫なの?」
和也「はい。昨日からいっぱい寝たんでもう大丈夫ですよ」
飛鳥「そっか…よかった…」
飛鳥さんが安心したのか優しい表情をしていた。
和也「心配してくれてたんですか?」
飛鳥「べ、別に心配なんかしてないやい!ちょっと気になったから、お家に来ただけだし…あっ…」
飛鳥はつい口に出してしまい、慌てて口を押さえた。
和也「ふふっ、飛鳥さんは優しいですね」
飛鳥「なっ、飛鳥ちゃんはいつも優しいんだから!別に今日だけじゃないんだから!」
顔を真っ赤にしているが、顔は少しニヤニヤしている。
飛鳥「でも、よく頑張ったね?久保ちゃんを守ってくれてありがと。カッコよかったぞ」
飛鳥さんはそう言うって、優しい表情をして頭を撫でてくれた。
普段、撫でることはするが、されるのは初めてだった。
何気なくやっていた行動が、こんなに嬉しくて安心することを知った。

さくら「兄ちゃん、あすぴーさん!お昼ご飯できたので食べましょう〜!」
さくらが戻ってきた。
さくら「あれ?兄ちゃん、顔赤いけどよ?もしかして体調悪くなっちゃった?」
和也「違うよ!大丈夫だよ!ちょっと暑いだけだから」
必死で誤魔化す和也をみて、飛鳥は笑っていたのだった。

しゃもじ ( 2021/09/30(木) 07:11 )