乃木坂高校












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第2章
教育係に任命
「プリン買ってきたよ〜!」
先生が話し出そうとしたと同時に教室に入ってくる女の子。
先生「掛橋。ここは2年の教室だぞ」
掛橋「あっ!本当だ!間違えちゃいました」
恥ずかしかったのか顔を赤くする掛橋。
久保「可愛い〜!」
梅澤「ちゃんと教室に戻れる?」
掛橋「うーん。ちょっと自信ないです」
先生「そうだな。遠藤、今日から一年生の教育係な」
和也「ちょっと待ってください!教育係ってなんですか?」
先生「ん〜、まぁなんでも屋だな!」
和也「いやいや、別に俺じゃなくても…」
山下「はーい!もう後輩と仲良くなってるので、遠藤くんがいいと思いまーす!」
和也「げっ!美月!?」
先生「なら、決定な!それなら早速掛橋を教室に連れて行ってくれ」
和也「はぁ…。わかりました。掛橋さん、行こっか」
掛橋「ありがとうございます!」
教室を出ると掛橋さんが後をついてくる。
掛橋「あの、私のせいですいません」
和也「気にしなくていいよ。教育係になったことだし、なんでも言ってきてね」
掛橋「ありがとうございます!えっと…」
和也「あぁ、ちゃんと離すのは初めてだね。さくらの兄の遠藤和也です。よろしくね」
掛橋「あぁー!さくちゃんのお兄ちゃん!ごめんなさい!たまたま思い出せなくて」
和也「たまたまなんだね!よしっ、着いたよ。教育係のことみんなに言っといてね!それじゃ」
一年生の教室の前に着いて、教室に戻ろうとすると、「待ってください!」と掛橋さんに呼び止められる。
和也「んっ?どうした?」
掛橋「これ、お礼に1個あげます!」
掛橋さんか袋からプリンを出してくれた。
和也「いいの?みんなに買ってきたんじゃ?」
掛橋「また買って来るので大丈夫です!ありがとうございました!」
和也「こちらこそありがと。それじゃ」
掛橋さんと別れて、自分の教室に戻った。

美月「それどうしたの?」
教室に戻ると美月が話をかけてくる。
和也「これ?なんかお礼に掛橋さんがくれたんだ」
美月「へぇ〜、それは仲良くてよかったね〜!」
和也「美月、何か怒ってるの?」
美月「べ、別に怒ってなんかないよ!」
久保「怒ってるんじゃなくて、ヤキモチ妬いてるんだよね〜!」
美月「ちょっと久保!何言ってるの?」
和也「ヤキモチ?」
美月「違う、違うからね!別にヤキモチなんか…」
和也「へぇ〜、美月は誰にヤキモチ妬いてるの?」
久保・美月「へっ…?」
2人は和也の発言に言葉を失う。
久保「もしかして遠藤くんわからない?」
和也「美月がヤキモチ妬いてるんでしょ?誰に対してかわからんけど、機嫌が悪いと怖いし」
美月「そうだ。この人はそういう人だった」
久保「おぉ〜!これはすごいですね!」
和也「んっ?なんのこと?」
美月「もう大丈夫!ヤキモチは治りました。これで大丈夫?」
美月は和也に笑顔を見せる。
和也「うん!怒ってる顔より、そっちの顔の方が可愛いよ」
美月「か、可愛いって…」
和也「てか、お腹空いたな〜。チョコ食べる?久保さんもどうぞ」
久保「あ、ありがとう。おーい、山下、大丈夫ー?」
美月は不意に可愛いと言われ、照れて顔を赤くしているのであった。
与田「遠藤くーん!祐希もチョコ食べたい〜!」
与田さんが小さな手で腕を掴んで揺らしてくる。
和也「うん。はい!」
与田「えへへっ、ありがと〜!」
山下「与田!もらったなら、早く離れなよ!」
与田「はーい!チョコ美味しい〜!」
与田さんはあげたチョコをすぐに口に入れて、ルンルンで自分の席に戻って行った。
和也「与田さんって小動物みたいで可愛らしいよね」
美月「この人はまたすぐ可愛いっていう!」
和也「あれ?また怒ってる?」
美月「怒っていません!!」
和也「久保さん、美月どうしちゃったのかな?」
久保「なんでしょうね〜!さぁ、もうすぐ授業始まるから準備しなきゃ」
和也は美月が怒っている理由が全くわからないのであった。

しゃもじ ( 2021/08/29(日) 15:19 )