乃木坂高校












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第9章
デートの後
さくら「飛んだー!!」
イルカショーを観に来て、イルカに大興奮のさくら。

さくら「イルカって泳ぎながら眠るらしいよ?」
さくらは誇らしげな顔でイルカ雑学を言う。

和也「そうなんだ。なんでそんなこと出来るの?」
さくら「……。」
さくらは困った顔をする。どうやら、詳しいことは知らないみたいだ。

和也「左脳と右脳を交互に眠らせてるんだよ?」
さくら「もぉ!和くん知ってたの!?」
和也「去年、生物の授業で習いましたからね?」
さくら「意地悪!!」
さくらは少し目を細めて和也を睨む。
そんなさくらを見て、和也はお腹を抱えて笑っていた。

イルカショーを観終わって、館内にあるレストランで遅めの昼ご飯を食べる。

さくら「うーん…うーん…」
メニュー表を観ながら、かれこれ10分は悩んでいる。
和也「決まった?」
さくら「あと2択で悩んでる」
(何択からのスタートだったんだ)
和也「何と何で悩んでるの?」
和也は少し身体を前屈みにして、さくらが観ているメニュー表を覗いた。

さくら「これとこれ」
さくらが指を差したのはオムライスとカレー。さくらの大好物だった。

(なるほど。それは決めれないわけだ)
優柔不断のさくらが決まらないことに納得した。

すると、和也は予備ベルを押した。
さくら「えっ!まだ決まってないよー」
さくらが焦っていると、店員が注文を取りに来た。

和也「オムライスとカレーライス下さい」
さくら「えっ…」
店員「かしこまりました。少々お待ちください」
店員はそう言って席から離れて行く。

和也「一緒に食べよ?」
さくら「でも、違うの食べたかったんじゃないの?」
和也「俺も両方食べたかったんだ」
和也はそう言って頭をかいた。
頭をかくときは和也の嘘をついているときの癖だ。

さくら「……。和くん、ありがと…」
さくらは和也の優しさに涙が出そうになったが、流れ落ちない様に我慢した。

さくら「うまっ!」
注文したオムライスとカレーがテーブルに運ばれて、2人は食べ始める。
さくらはオムライスを一口食べ、目を見開いて感動している。

和也「こっちも食べてみ?」
和也はさくらの前にカレーを置いた。

さくら「うまい!」
和也「なんか飛鳥さんに似てきたな」
さくらは最近飛鳥といるせいなのか、口調が飛鳥に似てきていた。

お昼ご飯を食べ終わり、もう少し館内を観て、お土産コーナーに入った。

さくらは家に買って行くお菓子を観ており、和也はぬいぐるみコーナーを観ていた。
(これって…)和也はあるぬいぐるみを手に取ってレジに向かった。

会計が終わり、お土産コーナー前のベンチに座っているとさくらが戻ってきた。

さくら「なに買ったのー?」
袋を持っていたので、さくらは興味深々だった。
和也「これ?さくらにプレゼント」
持っていた袋をさくらに渡した、

さくら「さくに?観てもいい?」
和也が頷くと、さくらは袋の中を覗いた。
さくら「わぁー!カワウソだぁ!」
中に入っていたのはカワウソのぬいぐるみ。
和也「カワウソは飼えないから、ぬいぐるみで我慢してね?」
さくら「うんっ!兄ちゃんありがと!あっ!」
さくらは慌てて口を押さえた。

さくら「和くんありがと!さくも和くんに買ったんだー!」
持っていた袋を和也に渡す。

和也は袋からぬいぐるみを取り出した。
和也「……。なにこれ?」
さくらは和也の手からぬいぐるみを取って、和也の目の前に近づける。
さくら「エイ!!」
さくらが選んだのはエイのぬいぐるみだった。

和也「なんか感性が独特だな…。でも、ありがと」
さくら「さくもありがと!」
お土産を買って2人は水族館を後にした。

そして、駅までの帰り道、手を繋いで歩いていると、さくらが急に立ち止まった。

和也「んっ?さくら、どうしたの?」
さくら「ここ…」
和也「ここってどこ?」
さくら「ここ入ろ…?」
さくらが指を差した先はラブホテルだった。

しゃもじ ( 2022/03/28(月) 14:10 )