乃木坂高校












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第9章
2人の待ち受け画面
真夏「あっ!きたきた!おーい……」
和也とさくらは待ち合わせ場所に近づくと、それに気づいた真夏が手を振った。

和也「お待たせしました。って、どうしたんですか?」
みんなは和也をジーッと見ている。

絵梨花「和也くんも浴衣なんだ…」
和也「いいって言ったんですけど、母さんが無理矢理…。どうですかね?」
飛鳥「べ、別に普通なんじゃ…」
『かっこいい〜!!』飛鳥の言葉を遮ってみんなが和也に近づく。

飛鳥「へっ?」
みんなの勢いにキョトンとする飛鳥。
聖来「和くん!写真撮って〜!!」
桃子「桃子も〜!」
遥香「和くん、美月さんと一緒にスリーショット撮って!」
美月「遥香ちゃんったら〜!よしっ!撮ろう!」
みんなは次々と和也と写真を撮っていく。
完全に乗り遅れた飛鳥は少し不機嫌な顔をしている。

飛鳥「なんだよ!デレデレしちゃってさ!えんちゃん!飛鳥ちゃんと写真撮ろ?」
さくら「ほんとですか?やったー!」
さくらは嬉しそうにスマホを取り出して、飛鳥と写真を撮った。

飛鳥「ちょっと見せて?」
さくら「あっ、ちょっとあすぴーさん!」
飛鳥はさくらからスマホを取ると、「あーっ!!!」と飛鳥が叫びだす。

飛鳥「ちょっとえんちゃん!!この待ち受けはなに?」
さくら「何っていいますとー、えーっと」
さくらは必死に誤魔化そうとしたが、全く言い訳が思いつかない。

和也「どうしたんですか?」
写真を撮り終わった和也がさくらの元に戻ってきた。
さくら「げっ、兄ちゃん!」
和也は飛鳥の持っていたさくらのスマホを見た。
さくら「だめーっ!」
さくらはスマホを取り戻したが時すでに遅し。
和也はスマホの待ち受け画面をがっつり見ていた。
その待ち受け画面は、さっき母に撮ってもらった和也とのツーショットだった。

さくら「みた?」
和也「うん、みた」
飛鳥「えんちゃん!ちゃんと説明しなさい!」
困っているさくらを見て、和也は救いの手を差し伸べた。

和也「さくら、ちゃんと待ち受けにしてくれたんだ」
飛鳥「んっ?どういうこと?」
和也「さっき母さんに撮ってもらった時にいい写真だったから、待ち受けにしてってお願いしたんです」
飛鳥「このシスコーン!全くえんちゃんに何させてんだ!」
和也「妹だからいいじゃないですかー?」
飛鳥「だめだめ!えんちゃん?嫌だったらちゃんと言うんだよ?」
さくら「嫌じゃないですよ?この兄ちゃんかっこいいですもん」
飛鳥「まぁ…確かに…カッコいいけど…」
和也「んっ?何か言いました?」
飛鳥「べ、別になんもないやい!」
さくら「飛鳥さんは写真撮らなくていいんですか?」
飛鳥はさくらのアシストに思わず顔がニヤってする。

飛鳥「か、和がそこまで言うなら撮ってあげてもいいけど」
和也「別に俺は何も言ってないですけど…」
飛鳥「えーい!うるさーい!早くして!えんちゃん、お願い」
飛鳥はさくらにスマホを渡して、和也の横に並んだ。

さくら「行きますよー!はい、チーズ」
さくらは写真を撮って確認すると、ニコッと笑った。

さくら「あすぴーさん、めっちゃ可愛いですね」
飛鳥「う、うるさい!」
飛鳥は照れ臭そうにさくらからスマホを返してもらった。

和也「写真みせてください」
飛鳥「ぜーったいだめ!!」
飛鳥は急いでスマホをしまった。

和也「なんでダメなんですか!」
飛鳥「ダメったらダメーッ!」
和也と飛鳥は追いかけっこを始めた。

美月「あの2人はなにしてるんでしょう?」
一実「まぁ、いつものことじゃない?」
真夏「おーい!早く行くよ〜!」
真夏が和也達に呼びかける。

2人の追いかけっこは終わり、みんなでお祭りに向かった。
その最後尾。少し離れて歩いている飛鳥はスマホを取り出して、ニコッと笑った。

飛鳥「かっこいいなぁ…」
さっき撮ってもらった和也とのツーショット。
飛鳥は幸せそうに笑っていた。
そして、飛鳥もその写真を待ち受け画面にしたのだった。

■筆者メッセージ
今更ながら色々設定をミスしたと実感しました笑

3年生メンバーを2年生にして、2年生メンバーを1年生にすればよかったと…。
このままだと、1年で終わってしまう…。笑

他にも色々あって少し後悔してます!笑
しゃもじ ( 2022/03/14(月) 13:00 )