乃木坂高校












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第9章
強くなりたい
ライブが始まり、和也は関係者席に座った。

真夏「みなさーん?盛り上がってますかぁ〜?」
真夏の問いかけに、会場は『いえーい!』と歓声が上がる。

絵梨花「今日は新しいメンバーも一緒でーす!」
飛鳥「これから一緒に頑張って行くので、みなさん応援よろしくお願いします!」
一実「それでは、まずはその新しいメンバーのセンター曲です!聞いてください!」

大事な一曲目はさくらがセンターに抜擢された楽曲にした。
遠藤さくら、賀喜遥香、筒井あやめをライブに来てくれた人に覚えてもらうために。

和也「んっ?」
曲が始まる前、何故かみんながこっちを見ている気がした。
(気のせいかな…?)
あまりに一瞬だったので、気のせいの可能性もある。

曲が始まると、さくら、遥香、あやめは堂々と踊っていた。
その姿を見て、和也は目頭が熱くなった。

曲が終わると会場は更に沸いた。
そして、ライブは進んでいき最後の曲になる。
この曲は七瀬が転校する前の最後の楽曲だった。
センターを祐希にしようと思ったが、祐希が「今回はさくらちゃんにしてあげて?」と言ったのでさくらにした。
さくらはセンターに決まった時に、強く決意した顔で「頑張ります」と言った。

曲が進んでいくにつれて、さくらの目がウルウルし始めていた。

『弱虫 弱虫 弱虫新しい世界へ 今行きたい 行きたい 行きたい 行きたい 強くなりたい』

ラスト前の歌詞でさくらの目から涙が溢れた。
さくら自身、この歌詞に強い気持ちがあったのだろう。

そして、ライブが終わり、和也はステージ横に戻った。
笑顔のメンバーが戻ってくるのを拍手で迎えた。

美波「どうだった?」
和也「最高だった!震えが止まらなかったよ」
美月「いえーい!!やりましたぁ!」
みんなは和也に褒められて喜んでいる。

すると、さくらが和也に近寄ってきた。
さくら「兄ちゃん…」
さくらは泣きながら和也に抱きついた。
和也「さくら…怖かったよね?よく頑張ったね。かっこよかったよ」
さくらは頷きながら泣き続けた。

他のメンバーは2人の姿を見て、涙目になっていた。

飛鳥「んっ?てか、いつまで抱き合ってんだ?飛鳥ちゃんは?」
しばらくすると、飛鳥が話し出す。

絵梨花「確かに!なんか長いよね?」
美月「まさか!!妹贔屓!?」
和也「いやいや、なんでそうなる…」
遥香「ん?和くん、泣いてない?」
和也を見た遥香が和也の異変に気づく。

真佑「えっ?うそ?先輩が?」
聖来「ホンマや!!」
和也が涙を流したことで、メンバーがザワザワし始める。

和也「べ、別に泣いてないから!」
さくら「兄ちゃんって意外と泣き虫ですよ?」
和也「こ、こら!さくら!!」
さくら「わぁ〜!兄ちゃんが怒った〜!」
さくらはそう言って逃げ始める。
和也は桜を追いかけようとすると、「待て!」と手を掴まれる。

和也「あ、飛鳥さん!?」
飛鳥「飛鳥ちゃんにギュッは?」
絵梨花「あすがしてもらうなら私も〜!」
沙耶香「わーい!なら、私も〜!」
次々と手を挙げていくメンバー。

和也「嘘でしょ…」
冗談だと思っていたが、本当にハグをさせられる和也なのであった。

しゃもじ ( 2022/03/11(金) 12:35 )