乃木坂高校












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第9章
ライブ前のレッスン
夏祭りのライブ前の最後のレッスン。
メンバーは一段と気合いが入っていた。
それはメンバーだけでなく、和也も同じだった。

和也「みんな飲み物はある?どこか痛いところはない?」
休憩中、いつも以上にメンバーのことを気にしている。

聖来「はいはい!和くーん!」
聖来に呼ばれて、駆け寄って行く和也。

和也「聖来、どうした?」
聖来「せいら、最近愛が足りひんねん」
和也「えーっと、どう言うことかな?」
聖来「せいら、寂しいねん。ずっと、ずっと寂しいねん!」
聖来はそう言って和也の手を握る。
(これが遥香の言ってた愛が足りひん状態か…)
和也はちょっと前に遥香が言ってた事を思い出した。

柚菜「はいはい!先輩が困ってるでしょ〜!」
隣にいた柚菜が聖来の暴走を止める。
和也は口パクでありがとうと言うと、柚菜は優しく微笑んだ。

真夏「おーい!和也くーん!」
キャプテンの真夏に呼ばれ、重要な話だと思い、急いで向かう。

和也「どうしましたか?」
真夏「こっちかこっちどっちがいいかな?」
和也「………。えっ?」
真夏が持っていたのは猫耳カチューシャだった。

真夏「やっぱり可愛い系の白かな?それとも小悪魔系の黒?うーん!」
真夏は真剣に悩んでいるみたいだ。

和也「これはなにに使うんですか?」
真夏「明日のライブで付けようと思って!これを付けて、ズッキュンすればみんなまなったんにメロ…」
飛鳥「付けたところで誰も見ないから大丈夫だろ!」
絵梨花「そうそう!誰も見ないって!」
真夏が話している途中、飛鳥と絵梨花が話を遮る。

真夏「ちょっとひどくない!?あっ!そうだ!さくちゃーん!!」
真夏が何故かさくらを呼び出す。

さくら「どうしましたか〜?」
さくらは一緒に休憩していた、遥香と一緒に来た。

真夏「ふふふっ、かっきーまで来てくれた!」
真夏は不敵な笑みを浮かべる。
それを見た、さくらと遥香は嫌な予感がして、後退りする。

真夏「逃げないの!はいっ!これ付けてみて!」
真夏は後ろで隠していた猫耳カチューシャを2人に渡した。

『えっ…』困った顔をしたさくらと、眉を八の字にして、困惑する遥香。
そんな2人に対して、真夏はキラキラ目で2人を見る。

さくらは飛鳥と絵梨花に目で助けを求めると、2人は知らんぷりをする。
ここで助けたら、自分達が餌食になると思ったのだろう。

次に当ての外れた2人は、和也を見つめる。
和也「あの〜、うっぷ!!」
和也は話し出した瞬間、絵梨花が和也の口を押さえた。

頼みの綱の和也まで失った2人。
遂に諦めたのか、手を震わせながらカチューシャを頭みで移動させる。

真夏「あーっ!可愛い〜!!もう、まなったんの次に可愛い〜!」
カチューシャを付けた2人を見て、真夏が興奮する。

それを見た飛鳥は爆笑している。
その後、真夏が撮影会を始めて、2人は色んなポーズをさせられた。

さくら「あすぴーさんの意地悪!!」
遥香「和くんも助けてくれなかった!!」
開放された2人が頬を膨らませて怒っている。

飛鳥「あっはっは!可愛かったからいいじゃん!」
和也「遥香も可愛かったよ?」
さくら「そういう問題じゃないですーっ!」
遥香「か、和くんがそう思ってくれたならええけど…」
和也に褒められて遥香だけ顔を赤くしていた。

美月「なに?あーゆうのが好きなの?」
和也「うわぁ!美月!?」
突然後ろから美月に声をかけられて、驚く和也。

美月「ふーん、そうなんだ〜!へーっ」
明らかに何か言いたそうだ。
史緒里「山下は黒が似合いそうだね?」
美月「そうかな?なら、久保は白を付けて?」
何故か自らカチューシャをし始める2人。

そして、『にゃあ〜』と猫の鳴き真似をしながら和也に絡み始める。
和也「うっ…」
不覚にもその姿を可愛いと思ってしまう。

飛鳥「あっ!今、デレデレしやがった!」
遥香「なっ、もう浮気!?」
さくら「兄ちゃん!?」

和也を取り囲み怒り出す。

和也「あの〜、明日ライブなんですけど…」
和也の想いも虚しく、休憩時間いっぱいまで怒られるのであった。

しゃもじ ( 2022/03/08(火) 18:03 )