日向高校




























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第4章
人間関係
店から出て時間を確認するとお昼を超えていた。
和也「お腹空かない?何か食べに行く?」
菜緒「そうですね。愛萌がここの近くに、ご飯が美味しいカフェがあるって言ってました。」
和也は嬉しいそうに微笑んでいた。
菜緒「どうかしましたか?」
和也「いや。愛萌って言ってたから。宮田さんと仲良くなれて嬉しかったから。」
菜緒「おかげさまで仲良くなれました。金村とも。」
和也「そっか!よかった!なら、その宮田さんお勧めのカフェいこっか?」
2人は歩きました。
菜緒「確かここらへんのはず、、。あっありました!」
中に入り先に案内してもらう。
メニューをもらい注文する。
菜緒「少し席外しますね。」
和也「うん。どうぞ。」
小坂さんが席を外して少し経つと、何処からか女の人の声が聞こえた。
「あれ、小坂さんじゃない?」
「ほんとだ。あの人最近できたアイドル部の監督じゃない?付き合ってるとか?」
「まさか〜!小坂さんって無口で有名でしょ?付き合ってもつまんないよ」
「あははっ!だよね〜」
和也は心ない言葉にイラッとした。
席を立ち上がり声の主のとこに行った。
「なんですか?」
和也「あのさ、人のこと何も知らないのに勝手なこと言わない方がいいよ。君達が小坂さんのこと何を知ってるの?小坂さんは君達が思ってる以上に、明るくて優しい子だよ。」
低い声で言われて少し怖かったのか、「ごめんなさい。」彼女達はすぐに謝ってくれた。
和也「人の好き嫌いは絶対あると思うけど、ちゃんとその人と関わってから判断しようね?じゃないと君達が汚い人間になっちゃうよ?」
「はい。」申し訳なさそうに返事をする。
和也「ごめんね?せっかくの休みに変なこと言って。ただ小坂さんのこと勘違いしないでね?」
そう言って和也は席に戻った。
(小坂さんがいなくて良かった)
和也は菜緒がいなかったので、聞かれてないと思い安堵した。
ちょっとして小坂さんが席に戻ってきた。目に涙が溜まってるように見える。
まさか、さっきの会話が聞こえたのではないかと心配になる。
和也「あの?小坂さんもしかして?」
菜緒「なんのことですか?てか、目にゴミが入って目が痛いです〜。」
(なんだ。ゴミか)
和也「なんもない!目大丈夫?」
菜緒「大丈夫です。もう止まりました。」
そして、注文したメニューが来て、何事もなかったかのようにお昼ご飯を済ませた。

〜菜緒side〜
「あれ、小坂さんじゃない?」
(あっクラスの人だ。私の事言ってる。)反射的に物陰に隠れる。
「小坂さんって無口で有名じゃない?付き合ってもつまんないって」
内容が内容だった為、少し泣きそうになる。
(周りからしたらそう思うよね。あっ!先輩。)
「小坂さんのこと何を知ってるの?〜〜小坂さんのこと勘違いしないでね。」
(先輩。私のために?)
菜緒は悲しい涙ではなく、嬉し涙を流しそうになる。
そして何事もなかったかのように席に戻る。しかし、目に涙が溜まっていたので先輩が気づいた。
和也「あの?小坂さんもしかして?」
(先輩にこれ以上心配かけたくないよ)
菜緒「目にゴミが入って痛いです〜!」
咄嗟に嘘をついた。
先輩は納得してくれた。
こういう時だけは、先輩が鈍感で良かったと思った。

しゃもじ ( 2021/05/01(土) 02:36 )