日向高校




























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第2章
日向の歌姫
翌日のお昼休み、美玲、かとし、佐々木さんと昨日の七瀬さんの言葉について話していた。
美玲「やっぱ歌をリードしてくれる人はいるよね。上手い人はいっぱいいるけど、深みが足りていない。」
久美「そうだね。感情を入れるってどういうことかな?」
史帆「ねぇ、京子に頼んでみない?」
和也「誰か心当たりあるの??」
史帆「うん。同じ学年に齋藤京子って子がいるんだ。京子は歌がめちゃくちゃ上手いんだ。」
美玲「うん。私なんて京子歌聴いて泣いちゃったもん。」
和也「なら齋藤さんに頼みに行こう!」
久美「ただ京子はプロの歌手を目指してるんだ。まだ立ち上げたばっかりのましてやアイドルグループに入ってくれるか。」
みんな諦めムードになる。
このままじゃだめだ。
和也「この件、俺に任せてくれないかな?」
『えっ?』みんなが一斉に向く。
美玲「監督大丈夫なの?」
和也「わからないけど、俺もグループの為に何かしたいから。みんなは感情のことを考えて」
久美「わかった。監督お願いね。」
白石先生に話し1日の部活の休みをもらった。ただし1日でだめだったら諦めるのを条件に。
放課後、和也は齋藤さんを探した。
齋藤さんのクラスの人に聞くと多分ラーメン屋にいるとのことだった。
教えてもらったラーメン屋に行くと
綺麗な黒髪の女の子がいた。
和也「あの〜。齋藤京子さんですか?」
京子「誰?」
低音な声の持ち主だった。
和也「同じ学年で最近転校してきた、佐藤和也です。一応アイドル部の監督をしていて。」
京子「アイドル部。あーみーぱんとか史帆が最近立ち上げた部活ね!それで私に何かよう?」
和也は京子さんの横に座り事情を話した。話し終えると
京子「なるほどね〜。話は分かったけど
お断りします。」
和也「えっ。理由は?」
京子「私はプロの歌手になりたいんだ。
私の歌でみんなを感動させたい。だから、アイドルとはちょっと違うんだ。」
言いたいことはわかる。でも、和也もみんなの夢の為に諦めれない。
和也「齋藤さんの言いたいことは分かったよ。でもね、1つだけいいかな?
正直、俺は歌のことはよくわからない。
監督になったのも半分強引だったから。
でもね、みんなといると不思議と心が暖かくなるんだ。感動の感情は人それぞれで人に感動を与えるのは、プロの歌手でもアイドルでもやり方は一緒じゃないかな?暗い気持ちになった時に、みんなを見て元気になってもらえたら、その人にとって救われることだから。それもその人の感動になるんじゃないかな?」
京子は黙っていた。すると
京子「ごちそうさま。大将!お金ここに置いとくね。」
店から出て行ってしまった。だめだった。みんなになんて言おう。
翌日、沈んだ気持ちで学校に行くと
美玲が急いで現れた。
「監督!!急いで屋上に来て!」
何事かと思い屋上にいく。 
すると屋上には齋藤さんがいた。
他のメンバーも集まり齋藤さんが
京子「私もアイドル部に入るよ」
みんな驚いている。特に和也が1番驚いた。
美玲「京子いいの?京子のプロ歌手になる夢があるんでしょ?」
京子「プロ歌手もプロのアイドルも感動を与えるのは一緒だから。それに、監督がアイドル部に入ったらラーメン奢ってくれるって言ったからね」
いつの間にそんな話に!和也はそう思ったが何はともわれ、日向高校の歌姫がアイドル部に入ったのだった。

次の日、お昼休みに屋上で齋藤さんが歌っている。
歌い終わると拍手が起きる。
久美「さすが京子だわ。」
濱岸「感動して泣けてきました〜」
京子「たぶんその七瀬さん?って人が言いたかったのは、歌の中にもストーリーや、それぞれの感情があるって事をいいたいんじゃないかな?ペンを拾ってもらってありがとって言うとの、自分が困ってる時に助けてもらって言うありがとと、感情の込め方がちがうでしょ?」
美玲「なるほど〜!京子すごいね!」
みんなは齋藤さんの言うことを理解し始めた。
和也「そろそろ昼休み終わるから戻ろ?」
「はーい!」
京子「監督!今日の部活終わったらラーメンね?」
和也「あの話ほんとだったんだ。でも、齋藤さんのおかげで足りたいものがわかったしいいよ。」
美玲「ラーメンいくの?みーぱんも行きたい!」
京子「行こ行こ!監督が奢ってくれるから!」
美玲「やったぁ〜」
なぜか話が勝手に進んでいた。
放課後、部活が終わり齋藤さんと美玲とラーメン屋に向かう。
店に着きラーメンを注文する。
大将「へい!お待ち!」
美玲「美味しそ〜!いただきます。」
ラーメンを食べ終えて、和也はトイレに行くために席を外す。
京子「監督って本当にみんなの事想っているんだね?」
美玲「いきなりどうしたの?」
京子「本当は私部活の話断ったんだよね。でも、監督に必死に説得されて。この監督なら違った夢をみてもいいかもって。」
美玲「そうだったんだ。」
京子の話を聞いて、美玲の頭は和也で一杯になった。
和也「何話してたの?」
和也がトイレから戻ってきた。
美玲「監督の悪口だよぉ〜」
和也「えっ?なんか悪いことしたかな?」
美玲「嘘〜。京子と監督はかっこいいって話してたの!」
和也「よく分からないけど悪口じゃないんだね」
ラーメンを食べ終わり店を出て2人を家までおくる。
京子「家近くだからここまででいいよ!監督ごちそうさま。みーぱんを家まで送ってね。」
齋藤さんが行ってしまった。
美玲を家まで送って行く。
和也「ねぇ料理って難しい?」
美玲「慣れれば簡単だよ?どうして?」
和也「今週の土日両親が旅行に行くから1人なんだ。だからご飯作らなきゃいけなくて。」
美玲「私が作りに行こうか?」
和也「いいの?でもそれは悪いよ。」
美玲「いいよ?それで、、あの、、」
美玲はもじもじしている。
和也「どうしたの?」
美玲「その日和くんのお家に泊まっていいかな?」
和也は驚く。美玲が泊まる?突然の発言に固まる。
美玲「だめ、、かな??」
和也「美玲がいいならうちは大丈夫だよ?」
美玲「やった〜!」
美玲は笑顔になり喜ぶ。
こうして初めてのお泊まりが決まった。

■筆者メッセージ
齋藤京子さんを出しました〜。
なんだかんだで更新できそうです!笑
しゃもじ ( 2021/04/26(月) 11:41 )