欠けているもの
母「今週の土日に旅行行こうと思ってるけど和也はどうする?」
月曜日の朝母が聞いてきた。
和也「俺はいいよ。たまには父さんと2人で出かけてきなよ?」
母「あらそう?ならそーするわね!お金は置いていくから、ちゃんとご飯食べるのよ?」
和也「おっけー!じゃあ行ってきます。」
父「和也は楽しそうに学校にいくなー」
母「そうですねー!なんか部活に入ったらしいですよ。」
父「そうか。突然の引っ越しで心配だったがよかった」
父と母が心配してたが安心したようだ。
家を出たら、富田さんとばったり会った。
鈴花「あっ先輩。おはようございます。
先輩の家ここなんですか?」
和也「富田さんおはよう。そうだよ?」
鈴花「うそ!私の家ここなんですよ。」
家の真横にある家。そこが富田さんの家らしい。
和也「そうだんだ。お隣さんだったんだね!知らなかったよ。」
鈴花「私もです。」
流れで富田さんと登校した。
学校に着き席に着こうとしたら潮さんが
潮「佐藤くんおはよう。なんか白石先生が探してたよ?」
和也「おはよ。わかった!ありがとう」
和也は白石先生に会うために職員室にいく。「失礼します」ドアを開け白石先生の元に行く。
和也「おはようございます。何かお話があるとかで。」
白石「おはよう。部活のことで相談なんだけど、だいぶ基礎練もできてきて
体作りもいい感じになったから、次のステップにいこうと思うの。
そこで、昔の一緒にやってた頃の友達に
コーチを頼もうと思ってるんだけど。」
和也「いいと思います。白石先生と友人と2人できっちり教えてくれるなら、みんなのレベルアップにも繋がるので。」
白石「良かった。早速明日からお願いするわね!今日の部活でみんなに伝えておいてね?」
話が終わり教室に戻る。
潮「先生なんだって?」
和也「部活のことだよ?また部活時間に話すよ。」
放課後、部活が始まる前に朝のことを話す。
するとみんなが話し始める。
彩花「どんな人だろう。白石先生の友達ならめっちゃ美人なのかなー?」
高瀬「もしかしたら、先生と一緒で怒ると怖い人かも。」
陽菜「えぇー怖いです〜」
美玲「どちらにしても、これからは本格的な練習になるからみんな頑張ろ?」
みんなは頷く。
翌日の放課後。体育館に集まりコーチの先生を待った。
すると、「おはよーございます」
誰かが体育館に入ってきた。
「なぁーちゃーん」
「まいやーん」
急なことでみんながびっくりする。
2人は抱き合って喜んでいる。
和也「あの〜、、、。」
白石「あっごめんごめん。つい嬉しくて。こちら、西野七瀬さん。私の同級生で友達なんだ」
七瀬「西野七瀬です。よろしくね」
なんだかふわふわした人だ。
「よろしくお願いします。」
白石「とりあえず、なぁちゃん現在のレベルを見てもらいましょうか。佐藤くん。音楽お願い。」
和也は準備をする。現在練習しているあるアイドルグループの歌だ。
ダンスはまだなので歌だけだが聞いてもらう。
体力もついたので声は出ている。
ただ何かが足りていない。素人の和也でも分かるが、その何かが分からない。
歌が終わり七瀬さんが口を開く
七瀬「声は出てるね!」
その言葉を聞きみんなが安堵する。
だが次の言葉で空気が変わる。
七瀬「あくまで声だけね?感情、歌詞の意味が理解できていないかな。それともう一つ。歌を引っ張る人がいない。いわゆるメインボーカルかな?」
和也が引っかかっていたのはそれだった。確かに声量はある。ただこれっていうのが欠けていたのだ。
たぶん本人たちも気づいていたはずだ。
七瀬「でもポテンシャルはすごいと思うよ。何よりみんな輝いている。これから頑張ろ?」
『はい!!』
そうして七瀬さんの初めての練習は終わった。