日向高校




























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第26章
終わらないバレンタイン
1日の授業が終わり、ゴミ捨て当番だった和也はゴミを捨てに向かう。

「あ、あの!!」ゴミ捨て場に向かう途中、後ろから誰かに声をかけられる。
和也「どうしました?」
3年生の先輩に声をかけられる。

先輩「佐藤くん、これ貰ってくれるかな?」
女の先輩はラッピングされた箱を和也に渡す。

和也「ありがとうございます」
先輩「あ、あのね、もし良かったらでいいんだけど、今度遊びに行かない?」
和也「……。」
和也は少し困った顔をしてしまう。

先輩「ごめんね?やっぱりいいや。困らせちゃったね」
先輩は和也の困った顔を見て、何かを感じ取ったのか、悲しそうな笑顔をする。

和也「いえ、こちらこそすみません」
先輩「ううん、ありがとう。それじゃ、またね?」
先輩は目に涙を溜めてその場を去った。

そして、部活時間になる。
鈴花「せーんぱい!これ、バレンタインのチョコです!」
未来虹「ちゃんと食べてくださいね?」
ひより「これはひよたんからです!カブトムシ型のチョコにしました!」
和也「あ、ありがとう」
部活が始まる前に、メンバーが和也にチョコを渡す。

好花「ほんとはもっとロマンティックに渡したかったんやけどなぁ〜!」
愛萌「人気者は常に誰かといるから」
茉莉「全然入り込む余裕がなかったです」
明里「移動教室に行くときに、先輩が逃げてるの見ました!」
陽世「はるもみました!お掃除の時間、女の先輩と話してました!」
史帆「んっ?女の先輩…?」
陽世のぶっ込みに反応するメンバー。

菜緒「どういうこと?」
和也「さぁ〜、なんのことでしょう?」
美玲「誤魔化してる所が怪しい!」
京子「また浮気しやがったのか!」
和也「う、浮気なんてそんな…」
久美「じゃあ、ちゃんと説明しなさい!!」
部活の壁際に詰め寄られる和也。

和也「先に体育館行きます!!」
和也は逃げる様に部室を出て体育館に向かった。

白石「ねぇ、なんであんな不機嫌そうなの?」
部活中、ダンスをしながら冷ややかな目をして和也をみているメンバー。

和也「な、なんででしょう?」
白石「和也くん、またなにかしたの?」
和也「またって言い方はなんか棘がありますね…」
白石「なにしたかわからないけど、ちゃんと謝りなさいよ?」
和也「何もしてないです…」
彩花「カントク!!飲み物ちょうだい!!」
和也「は、はい!!」
みんなの迫力にビビり、ビクビクしながら部活をするのであった。

和也「ふーっ、今日は一段と怖かった…」
部活が終わり、体育館の掃除を終わらせて、部室に戻る和也。

和也「みんなお疲れ様…」
恐る恐る部室に入ると、みんなが一斉に和也の元に駆け寄ってくる。

和也「な、なに!?」
あまりの勢いに身構える。

史帆「和くんごめんね〜!」
和也「な、なんのこと?」
彩花「部室に戻ってくる途中に聞いたんだよ〜」
美玖「お掃除の時間、先輩のお誘いを断ったんだよね?」
和也「断ったと言うか、感じ取ってくれたと言うか…」
美玲「そんなのどっちでもいいよ〜!ごめんね〜」
美玲は半泣きになりながら和也に抱きつく。

白石「やっと仲直りしたのね!」
鈴花「あっ、先生!!」
白石「なら、仲直りした所で和也くん。これあげるわね?」
白石は和也の手を取り、綺麗にラッピングされた箱を渡す。

『あっ…』みんなの視線が和也に集まる。
和也「あははっ〜、白石先生から貰っちゃった…」
和也は悪い予感がしたので、笑って誤魔化そうとした。

京子「何笑ってんの?」
菜緒「今、絶対心の中でニヤニヤしとる!」
紗理菜「私も先生からのチョコ欲しいのに!」
美穂「家来たちよ!先輩を捕まえて、先生からのチョコを奪い取るのだ!」
『おーっ!!』美穂の掛け声と共に、ひより、陽菜、陽世が和也を追いかける。

和也「いやいや、何でこうなるの!」
久美「みんないけーっ!!」
白石「おーいっ、ちゃんとみんなの分もあるぞぉ〜!」

しかし、白石の声はみんなに届いておらず、和也から白石のチョコを取るために追いかけまわしてるのであった。

しゃもじ ( 2022/04/17(日) 18:20 )