日向高校




























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第26章
イベント前日
2月13日。学校内ではみんなソワソワしている。
明日は女子はもちろん、男子からしても勝負の日だ。
もちろん、2年B組でもいつも以上に盛り上がっている。
ある1人の男をのぞいては…。

和也「おはよ。って、なんか今日は一段と盛り上がってるね?」
登校した和也も流石にいつもと違う空気に気づく。

田中「おっす!まぁ、明日は一大イベントだからなー!」
和也と話しているのは田中。修学旅行の時にアイドル部のみんなと協力して、同じクラスの子と付き合う事になった。
もちろん、今もその人と続いている。

和也「一大イベント?何かあったっけ?」
田中「まじか…。さすが何もしなくても貰える保証がある男は余裕がありますねー!」
和也「んっ?」
和也は首を傾げて考えていると、「和くーん!」と廊下から叫び声が。

田中「おっ、早速お迎えが来たぞ!」
和也は教室から顔を出すと、美玲と史帆がこっちに歩いて来た。

和也「2人ともおはよ」
美玲「おはよーっ!今日も寒いね?」
和也の右手に抱きつく美玲。

史帆「あーっ!みーぱんだけズルい!としちゃんも〜!」
和也の左手に抱きつく史帆。

田中「相変わらずだなー」
美玲「あっ、田中くん!おはよ!」
史帆「いつからいたの?いたなら、声かけてよ!恥ずかしいなぁ〜!」
田中「俺がいたこと気づいてないのね…」
和也は落ち込む田中を見て笑っていた。

田中は彼女が登校したので、そっちに行ってしまった。
和也は席に着いて、美玲と史帆と話している。

美玲「最近、お家行けてないけどご飯ちゃんと食べてる?」
史帆「カップラーメンばっかじゃない?」
2人は和也の食生活を心配している。

和也「大丈夫だよ。ここ数日はちゃんとした物食べてる」
(先生が作ってくれた作り込みだけど…)
美玲「へぇ〜!ちゃんと作ってるんだぁ!えらいえらい!」
美玲は和也の頭を撫でる。

和也「俺が作った訳じゃ…」
和也は白石が作ってくれたことを言おうすると、廊下が急に騒がしくなる。

3人は何事かと思い、確認すると菜緒と美玖が男子に囲まれていた。

「小坂さん!どうしたの?」
「金村ちゃん、俺、めっちゃ甘いもの好きなんだよね!」
「チョコとか食べたいな!」
突然話しかけられて、菜緒と美玖は困った顔をしている。

史帆「おーい、こしゃー!」
美玲「おみくー!こっちー!」
史帆と美玲が2人を呼ぶと、安心した顔で菜緒と美玖が駆け寄って来た。

菜緒「史帆さん、みーぱんさん助かりました!」
和也「知り合いだったの?」
美玖「ううん。知らない人」
(どう考えても絡まれたでしょ!)
史帆と美玲は心の中で突っ込む。

美玲「みんなこさかなやおみくのがほしいんだね〜?」
美玖「みーぱんさんやとしさんは大丈夫だったんですか?」
美玲「うん!朝一で和くんの所にきたから!」
史帆「和くんに守ってもらいました!」
和也「俺?俺ってなにかしたっけ?」
菜緒「和くんが同級生やったらよかったのになー」
美玖「ほんとだよね。そしたら、ずっと一緒に居れるのに」
和也「なんかみんな大変なんだね」
史帆「たぶん今頃みんな大変かもね〜!」
史帆の予想通り、学校内ではアイドル部のメンバーは沢山の人に絡まれていた。

美穂「もう、疲れたーっ!」
美穂がアイドル部の部室に逃げ込む。
潮「あっ、美穂。おはよ」
美穂「おはようございます!みなさんもですか?」
彩花「そうなのよ。朝、めいめいと登校してる時から…。めいめいは1人で逃げちゃうし」
久美「まぁ、これも人気になった証拠だね〜」
鈴花「てか、私たちでこんな風になっていることは…」
好花「明日の先輩はもっとヤバいことになるんじゃ…」
優佳「まぁ、本人はバレンタインのこと忘れてるから大丈夫でしょ?」
愛奈「あそこまで気づかんとはね」
京子「明日は真っ先に和にチョコ渡さなきゃ!」
未来虹「なのちゃん、ニヤニヤしてるけど、どうしたの?」
ひなの「ふふふっ、私にはとっておきの作戦があるんです!」
茉莉「とっておきの作戦って?」
ひなの「その名も曲がり角大作戦!!」
陽世「何その作戦?」
ひなの「えーっとね…」
ひなのが考えた作戦を説明する。

愛萌「私たちも負けてられない!」
明里「今のうちに考えておかなきゃ!」
ひより「ひよたん、どーしよっかな〜!」
アイドル部メンバーも、部室の中で明日のことで盛り上がっているのであった。

そして、バレンタイン当日は和也にとって、大変な1日になるのであった。

しゃもじ ( 2022/03/29(火) 21:37 )