日向高校




























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第24章
忙しい年末
和也「ふーっ!こんなもんかな?」
年末になり、和也は自分の部屋を大掃除していた。

掃除も終わりひと段落すると、スマホが鳴った。
和也「んっ?美玲から電話だ」
電話をかけてきたのは美玲だった。

和也「もしもし。どうした?」
美玲「和くん!!助けて!!」
和也「えっ?助けて?美玲、どうしたの?」
『プープープー』美玲が一言助けてと言って電話が切れてしまった。

その後、何度も電話をかけ直しても美玲は電話にでなかった。
何か大変なことが起きたと思い、和也は急いで家を出て、美玲の家に向かった。

美玲の家に着いてインターホンを鳴らす。
『はーい!』家の中から声が聞こえて、玄関のドアが開いた。

和也「こんにちわ!!美玲はいます…か…」
美玲「あっ!和くん!どうしたの?」
玄関から出てきたのは笑顔の美玲。
和也「えっ、いやだって、助けてって…」
美玲「あっ!そうだぁ!!和くん、助けて!」
和也「うわぁ!ちょっと美玲!?」
美玲に手を引かれて、家の中に入っていく。

美玲母「あら?和也くん!いらっしゃい!」
和也「お、お邪魔します!」
美玲「早く、早く!!」
美玲母に軽く挨拶をして、2階へと上がって行く。

そして、美玲の部屋の前に連れてかれた。
和也「一体どうしたの?」
美玲「いいから!中に入って!」
和也「えっ、う、うん」
部屋の中に入ると、『パタンッ』とドアを閉められた。
和也「み、美玲!?なにこれ?どういう状況!?」
美玲「お部屋のお掃除をしてて、窓を開けてたら外から虫が入ってきたの!」
和也「えっ!?虫!?」
和也も虫が苦手なのでテンパってしまう。
美玲「和くん助けてぇ〜!怖くてお部屋にスマホも置きっぱなしなの!」

確かに投げ捨ててある様な感じで、床にスマホが落ちていた。

和也「てか、そもそも冬に虫なんて出るの?」
美玲「ここは田舎だから出るの〜!和くん、早く〜!」
和也「早くって、そもそも簡単に見つかるわけ…いたよ…」
窓には小さな虫がくっついていた。

和也はティッシュを何枚か取り、ゆっくり近寄る。
そして、優しくティッシュで掴んで、窓の外へと逃した。
和也「怖かった…。美玲、もう大丈夫だよ?」
和也はそう言うと、美玲が恐る恐るドアを開けた。
美玲「本当に?もういない?」
和也「うん。外に逃したよ」
美玲「助かったぁ〜。和くん、ありがとう!」
美玲は和也に抱きついてキスをした。
美玲「へへっ、お礼のチューです!」
和也「ありがたく受け取っておくよ」

その後、美玲の部屋の掃除を少し手伝って1階に降りていく。
美玲「ママ〜!和くんが助けてくれたぁ!」
美玲母「助けてくれたって、そもそも何があったの?」
美玲「お部屋のお掃除してたら、虫が入ってきたの!それで、和くんが外に逃してくれたんだぁ!」
美玲母「和也くんは虫を逃す為だけにきてくれたの?」
和也「元は助けてと電話がかかってきて、その後、連絡がなかったので心配で来たんです。そしたら、虫が原因だったみたいで」
美玲母「あらあら、それは迷惑かけちゃったわね。みーぱん、ちゃんとお礼しなきゃだめよ?」
美玲「お礼ならしたよ〜!」
美玲母「そうなの?何をしたの?」
美玲「あのね〜!」
和也「あっ!俺、そろそろ帰りますね!」
美玲が変なことを言いそうだったので、無理矢理会話を終わらせた。
美玲母「あら?もう帰っちゃうの?」
美玲「えぇ〜、寂しいよ〜!」
和也「ごめんね?それじゃ、お邪魔しました」
美玲「また今度ゆっくりしていってね?ありがとうね!バイバイ!」

美玲に見送られて家を出た。
すると、またもやスマホが鳴った。
画面を確認すると、そこには史帆と表示されていたのだった。

しゃもじ ( 2022/01/25(火) 19:25 )