日向高校




























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第22章
フリースロー対決
豪華景品を取るために、フリースロー対決に挑んでいる美穂と和也。
先に美穂が挑戦して、8本目まで終わって、お互い一本ずつ外しているだけだった。
鈴花「やっぱ、みーたんは凄いね!」
美玖「集中してる時の美穂は普段とは大違いだね」

9本目、バスケ部の子はあまりのプレッシャーからか外してしまった。
陽菜「おぉ〜、美穂、チャンスだよ!」
ひより「シーっ!今、集中してるから静かに!」
ひよりに注意され、陽菜は慌てて口を押さえていた。
『ダンッ、ダンッ』美穂はボールを突いて、集中している。
菜緒「ねぇ、和くん。シュート打つ前にやる行動って意味あるの?」
和也「一種のルーティンだね。ボールを突いたり、回転させてみたり、人それぞれ違うんだよ」
菜緒「へぇ〜。バスケも奥が深いんだね」
菜緒と話していると、美穂がシュートフォームにはいり、シュートを打った。
『パサッ』ボールはリングに触れることなく、ネットをすり抜けていった。
久美「やったぁ!美穂がリードした!」

次にバスケ部が外せば美穂の勝ちだ。
しかし、相手は言ってもバスケ部。追い込まれてもシュートを決めた。
和也「これって10本打って引き分けの場合はどうなるの?」
バスケ部「引き分けの場合は、バスケの勝ちになります!」
紗理菜「なら、ここで外しちゃったら、負けちゃうってこと?」
和也「みーほ!」
和也は美穂の名前を呼んだ。
和也「美穂なら大丈夫だよ!気楽にね!」
和也がそう言うと美穂は微笑んで、フリースローラインに立った。
『シュッ』みんなが見守るなか打ったシュートは、リングにあたり枠をグルグル回っている。
『パサッ』回転がおさまると、ボールはネットをすり抜けた。
ゴールが決まると、美穂は振り向いてピースサインをしていた。
史帆「やったぁ〜!美穂の勝ちだぁ!」
和也「お疲れさま、さすがだね!」
美穂「一本外しちゃいましたけどね!先輩、ファンヒーターは頼みました!」
和也「出来るだけ頑張ってみるよ」
2人はハイタッチをして入れ替わった。

美穂「ふーっ、疲れたぁ〜」
菜緒「お疲れさま。すごかったね!」
美穂「久しぶりにやったけど、意外と入るもんだね!」
美玲「ねぇ〜、美穂。和くんの相手は強い人?確か同じクラスの子だけど」
美穂「あー、今のバスケ部のエースの人ですね!完璧に勝ちに来てますね…」
鈴花「エースってやばいじゃん!みーたんはなんでそんな冷静なの!?」
美穂「先輩が負けるはずないからね!」
ひなの「そうですね!だって、あの先輩ですもん!」

みんなの予想通り、9本目までお互いパーフェクトだった。
優佳「やばっ、和也くんって、ただの鈍感な人だけじゃなかったんだ」
陽菜「師匠いけ〜!」
ひより「先輩頑張れ〜!」
彩花「あらあら。ひよたん、さっきまでかわださんを注意してたのに、一緒になって騒いでるよ」
久美「こっちもね…」
史帆「きゃー!和くんかっこいい〜!」
京子「和!最後、外したら怒るから!」

しかし、バスケ部のエースは最後のフリースローも決めた。
菜緒「これって、和くんが決めても勝てないってこと?」
美玖「そんなぁ〜」
みんなは勝ち目が無くなり、がっかりしていた。
「ねぇ、最後、ここから打って決めれたらそっちの勝ちでいいよ!」
バスケ部のエースの人が、ハーフラインを指で差しながら話をかけてきた。
美玲「あんな遠くから!なんか意地悪だなぁ〜」
美穂「絶対に入らないって思ってるんでしょうね…」
史帆「和くん…」
和也「本当に?助かったよ!これで怒られないで済むよ。ありがとう」
「えっ?何言ってんの?そんなの決めれるわけ…」
『シュッ』綺麗なフォームから放たれたボールは、一直線にリングに向かっていく。
『パサッ』体育館は、ボールがネットにすり抜けた音だけ響いた。
そして、次の瞬間。『きゃー!!』メンバーの叫び声が体育館中に響き渡った。
史帆「和くーん!!やったぁ!」
史帆が一目散に抱きついてきた。
美穂「さすが先輩です!!」
優佳「ってか、凄すぎてちょっと引くわ」
未来虹「和也先輩、カッコいい!」
菜緒「ねぇ〜、としさん。次は菜緒の番ですよ!」
和也「なら、ファンヒーターはもらっていくね!」
「そ、そんなぁ〜」バスケ部の人たちは肩を落としていた。

こうして、アイドル部は学園祭で、高性能のファンヒーターを手に入れることが出来たのであった。
ちなみにバスケ部のエースは、この後、バスケ部員にめちゃくちゃ怒られたらしい。

しゃもじ ( 2021/10/08(金) 22:16 )