日向高校




























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第21章
学園祭3日前 2
次に1-A組の向かった。ここは菜緒たちのクラスだ。
ドアを開けて、菜緒たちを探す。
「あっ!佐藤先輩だ!!」
「ほんとだ!かっこいい…」
なぜかわからないが、女の子に囲まれた。
「先輩、どうしたんですか?」
「先輩、たこ焼き好きですか?当日、食べに来てください!」
「学園祭、誰かと回る予定ありますか?もし、よかったら一緒に…」
和也「あっ、いや、菜緒たちに用事があって」
教室内を見ても菜緒たちがいなかった。
「今、小坂さんたちは買い出しに行ってます!帰ってくるまで待ってて下さい!」
和也「うわぁ、ちょっと」
後輩たちに手を引っ張られて、教室に連れてかれそうになる。
すると、「なにしてんの?」後ろから背筋が凍る様な冷たい声がした。
恐る恐る振り向くと、冷たい表情をしている菜緒の姿が…。
和也「な、菜緒さん…。みんなに日程表を渡しに…」
菜緒「ふふっ、そうなんだね。ありがと」
冷たい表情から笑顔になる菜緒。その表情を見て、和也も一安心したが、後ろに立っている、美玖、愛萌、未来虹が怯えながら顔を横に振っていた。
和也「忙しいそうだから、また後でくるね」
和也はその表情を察して、逃げる様に去ろうとする。
菜緒「なんで?逃げたらだめだよ?」
再び冷たい表情をされ、手を掴まれる。
すると、菜緒に教室の隅に連れてかれて、説教が始まった。
菜緒「あれほど言ってるのに、和くんはまだ分からへんの!?」
和也「はい…ごめんなさい…」
菜緒「だいたい、和くんは隙がありすぎるんよ!和くんが隙を見せていいのは菜緒だけなんやから!」
和也「はい…」

愛萌「菜緒を怒らせない様にしようね…」
美玖「うん。てか、さり気なく自分にだけアピールしてるし…」
未来虹「先輩は何しに来たんでしょうか?」
その後、今度デートするというか約束で落ち着いた菜緒。
みんなに日程表を渡して次のクラスに行く。

1-B組、陽菜達のクラスに着いた。
和也「失礼しまーす」
教室のドアを開ける。
陽菜「あぁ!師匠〜!!」
美穂「先輩、どうしたんですか?」
和也「ちょっと渡す物があってね。ひよりと森本さんはいる?」
美穂「いますよ!おーい、ひよたんと茉莉〜!」
ひより「先輩!見てください!スライム作りました!」
茉莉「私もです!プニプニです!」
美穂「そうだ!先輩も一緒に作りましょ!」
和也「えぇっ!また!?」
4人に手を引っ張られて教室の中に入った。
陽菜「みなさん!陽菜の師匠は凄いんです!」
陽菜がクラス中に聞こえる声で自慢する。
和也「ちょっと陽菜、恥ずかしいって」
何故か一緒にスライムを作ることになった。
和也「てか、なんでスライムなの?」
ひより「ひよたんがスライム好きだからです!」
和也「そうなんだ。でも、本当にプニプニしてて気持ちいいね」
いざ作ってみると意外と面白く、なんだかんだで楽しんでいた。

陽菜「そういえば師匠は何しに来たんですか?」
10分程して、陽菜が思い出した様に聞いてきた。
和也「あっ!そうだ、これを渡しにきたんだ。今日から3日間の日程表だからよろしくね」
美穂「ありがとうございます!でも、いつの間に作ったんですか?」
和也「昨日の夜作ったよ?それじゃ、鈴花達の所も行かないといけないからまたね」

教室を出て、最後に1-C組に向かった。
和也「鈴花達いるー?」
ドアを開けて、みんなを呼ぶ。
鈴花「先輩!待ってましたよ!」
和也「待ってましたってどういうこと?」
好花「先輩がクラスを回ってるってメッセージが来たんです!」
和也「誰がそんなメッセージを…」
ひなの「陽菜さんから来ました!」
明里「今、一緒にスライム作ってる〜って来ましたよ?」
山口「次ははる達の番ですね!」
和也「番って、俺が何しに来たか知ってるんじゃ…」
鈴花「えっ?遊びに来たんですよね?」
ひなの「色んなクラスの体験ツアーじゃないんですか?」
和也「俺は日程表を渡しに来ただけだよ」
鈴花「そんなこと言わずに、ちょっと手伝って下さい!」
好花「先輩がいれば百人力です!」
明里「わぁーい!先輩と一緒に出来るんだぁ〜!」
和也「てか、これはなにを作ってるの?」
鈴花「何って、唐揚げとか焼きそばとかのかんばんですよ?」
和也「すごい量だね…」
好花「数を沢山出して、ポイントを稼ごうって作戦です!」
和也「なるほど。確かにそれはいいかも!」
ひなの「ふふっ、丹生ちゃんが考えたんです!」
明里「えへへっ、やる時はやるんだからね〜!」
和也「それで、俺は何をすればいいの?」
山口「絵を描いて下さい!鈴花さんが描くと下手くそなんです!」
鈴花「うわぁ、陽世の毒舌が…」
和也「確かに何かわからないね」
和也は鈴花の描いた絵を見て笑った。
鈴花「先輩笑いましたね!そんなに笑うなら先輩が描いて下さい!」
鈴花にペンを渡されて、和也は唐揚げの絵を書いた。
好花「やばっ、めっちゃうまっ!」
明里「わぁー!唐揚げだぁ〜!」
ひより「唐揚げが食べたくなってきました!」
山口「先輩、これも描いて下さい!」
色々な物を描かされて、やっと落ち着いた。
和也「それじゃよろしくね」
和也は今日を出て自分のクラスに戻っていった。

しゃもじ ( 2021/09/29(水) 18:38 )