日向高校




























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第21章
元に戻った日常
今日からまた1週間が始まる。久しぶりに平日に学校に行く気がした。
教室に入ると、クラスメイトが集まってきた。
田中「佐藤、転校することなくなったんだって?」
和也「そうなんだ。これからもよろしく」
和也が転向しない事を伝えると、クラス中が大騒ぎになった。中には泣き出す女の子もいた。
史帆「なんでこんなに大騒ぎになっているの?」
紗理菜「しほりんおはよ。和也くんが転校しないことにみんな喜んでるの」
愛奈「アイドル部だけじゃなくて、クラス中の人気者やからなぁ〜」
優佳「私たちよりもアイドルっぽい」
史帆「うぅ〜。としちゃんも同じクラスで盛り上がりたかったぁ〜!」

しばらくクラスメイトと話して席に着いた。
紗理菜「和也くん、これよかったら使って?」
紗理菜が何枚かの紙を渡してきた。
和也「これって…ノートのコピー?」
紗理菜「休んでいた時に授業受けれてないでしょ?役に立つかわからないけど」
和也「ありがとう!!本当に助かるよ!!やっぱり紗理菜は聖母だなぁ〜」
和也は興奮のあまり紗理菜の手を握り締めて、手を振り回す。
紗理菜「あははっ!大袈裟だよ〜!」
手を離すと、なぜか史帆が手を握り締めてきた。
和也「史帆、急にどうしたの?」
史帆「なっちょだけズルい!次はとしちゃんの番!!」
和也が紗理菜の手を握ったのが羨ましかったのか、史帆も求めてきた。
和也「ふふっ。史帆もありがとう」
和也は同じ様に史帆の手も振り回した。
史帆は嬉しそうに笑っている。
すると、『あぁ〜!!』教室の出入り口から叫び声が聞こえる。
美穂「また、としさんだけにそーゆうことする!!」
鈴花「贔屓メンバーリセットするって言ったじゃないですか!!」
好花「次は私にもやってください!」
和也「みんな…どうしたの?」
1年生メンバーが教室に入ってきた。
美玖「菜緒が先輩がちゃんと学校に来ているか見に行くっていったから、一緒に来たんです!」
菜緒「ちゃんと自分の目で見ないと不安だったから…。和くんが居てよかった!」
和也「ふふっ。大丈夫だって!でも、ありがとう」
和也は菜緒の頭を撫でる。
すると、『あぁ〜!!!』また叫び声が聞こえる。
彩花「和也くんがこさかなに贔屓している!」
京子「いつもいつも何してんの!!」
次は2年生メンバーが入ってくる。
美穂「先輩がとしさんと菜緒に贔屓してました!」
史帆「でも、元はと言えば和くんがなっちょに贔屓したから!」
紗理菜「えっ!!私!?」
久美「君はまた新しい贔屓メンバーを作ったのか?」
美玲「みーぱんにもやってくれぇ〜!」
美玲が和也の手を取り、自分の頭に乗せた。
愛萌「美玲さん、どさくさに紛れて何してるんですか!?」
陽菜「なら、陽菜は反対の手で〜!」
ひより「あぁ〜!陽菜だけずるいぞ!」
ひなの「次は私の番でいいですか?」
明里「なら、ひなのの次は明里〜!」
山口「はるもやりたいんですけどいいですか?」
森本「ワシもやりたーい!!」
未来虹「私はセルフじゃなくて、和也先輩にやってほしいです!」

ちょっと前と同じ光景に戻り、呆れて見ているクラスメイト。しかし、一瞬にして顔が青ざめた。
『ドンっ!!』その音がした教卓を見ると、完全に黒石化した白石先生がいた。
史帆「あっ、ヤバい!!」
久美「そーっと教室に戻ろ」
みんながそーっと教室から出ようとすると、「待てっ!」と白石先生が声を出す。
白石「今何時だと思ってるの!!後、2分でHRが始まる時間よ!!」
美玲「わぁ〜!ごめんなさーい!!」
みんなは逃げる様に教室を出た。
白石「全く!んっ?なんで?」
教室を見渡すと、ある違和感に気づく。
和也「ちょっと陽菜。早く教室に戻らないとまずいって!」
和也の膝の上に座っている陽菜。
陽菜「陽菜は今日から2年生です!それに、師匠のお手伝いすると決めたので!」
白石「佐藤くん」
和也「は、はい!!」
白石の低い声にビビる和也。
白石「河田さんを責任もって教室に連れてって」
和也「わ、わかりました!陽菜いくよ!」
和也は陽菜の手を取って急いで教室を出た。
陽菜「あぁ〜!師匠〜!!」
引きずられている陽菜を見て、クラスには笑いが起きた。
白石「全く戻ってきた途端にこれなんだから」
そう言いつつも白石の顔は少し嬉しそうだった。

しゃもじ ( 2021/09/03(金) 12:56 )