日向高校




























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第19章
はんなり北海道デート
好花の着替えが終わり、ホテルから出る和也と好花。
和也「どこいくかは決まってるの?」
好花「うーん。決まってたんだけど、だいぶ時間が押しちゃったからなぁ〜」
和也「それならデートっぽく街らへんぶらぶらしてみる?」
好花「うん!そーしよ!」
好花は繋いでいた手を強く握りしめて、街に向かって歩き始める。
好花「なぁ〜、和君は京都行ったことあるん?」
和也「京都はないかなぁ〜」
好花「そうなんや。残念やなぁ〜」
和也「そっか。好花は京都で生まれたんだもんね」
好花「うん。だから、和君には来ててほしかったたんよ」
和也「なら、今度、好花が案内してくれるかな?」
好花「ほんと?一緒に行ってくれるん?」
和也「うん!前から京都行ってみたかったんだよね」
好花「ほんまうれしいっ!なら、京都においでやす〜」
和也「ふふっ、まさに京都美人だね」
好花「もぉ〜、美人だなんて褒めすぎだよぉ〜」
好花は顔を赤くして喜んでいた。

街に着いて目的地も決めずに、自由気ままに歩き回る。
好花「和君みて!これ可愛い〜!」
小さなアクセサリーショップに入って、好花はネックレスを見て興奮していた。
和也「ほんとだね!好花に似合いそう」
好花「そうかな?どうしよう。買おうかな〜」
好花はネックレスを買うか悩んでいた。
好花「もうちょっとだけ見てもいいかな?」
和也「どうぞ?気がすむまで見てていいよ」
好花「うん!ありがとう〜!」
好花は店内をウロウロし始めた。
和也は好花が見えなくなってから店員さんを呼んだ。
和也「すみません。このネックレス欲しいんですけど」
店員「こちらですね。彼女さんにプレゼントですか?」
和也「えぇ、まぁ。内緒で買いたいのでお願いしてもいいですか?」
店員「もちろんです!それではプレゼント用に包んできますね」
店員さんはネックレスを持って、バックヤードに消えていった。
すると、店員さんより先に好花が戻ってきた。
好花「やっぱりこのネックレスにしようかなぁ〜、ってネックレスがない!」
和也がネックレスを買ったことを知らない好花は、ネックレスがなくなっていることにショックを受けていた。
好花「あーあ。先に買われちゃったかぁ〜」
和也「他にいいものはなかった?」
好花「あったんですけど、やっぱりネックレスが欲しかったな〜。和君、違うお店に行こっ?」
好花が手を引っ張って、店を出ようとする。
和也「ちょっと待って!ごめん、トイレ行ってきてもいいかな?」
好花「あっ、ごめん!ええよ!ここで待ってるね!」
和也はトイレと言って、先ほどの店員さんの元に向かった。
店員「お店を出て行っちゃうかと思いましたよ」
店員さんは笑いながら、綺麗にラッピングした箱を渡してくれた。
和也「すみません。ありがとうございます」
店員「彼女さん、喜んでくれるといいですね?」
和也「はい!ネックレスが無くなってて、落ち込んでいたので元気になってもらいます!」
和也はかばんにネックレスを入れて、店員さんと別れて好花の元に向かった。
和也「ごめん、お待たせ!」
好花「全然待ってないよ!次行こっ」

お店を出て、再び街をブラブラする。
(やばい。どうやって渡すのか考えてなかった)
ネックレスを買ったことはいいが、どう渡すかまで考えてなかった和也。
好花「あっ!飲み物買って、あそこの公園で飲もっ?」
和也「いいね!そうしようか」
2人は近くにあったお店で飲み物を買って、公園に行きベンチに座った。
好花「あーあ、もうすぐデートの時間終わっちゃうなぁ〜」
和也「時間が過ぎるの早かったね」
好花「ほんとだよ〜。次は京都デートだからね?」
和也「うん。その時は案内お願いね!」
好花「もちろん!なら、ゴミ捨てに行ってきまーす!和君、かばん見ててね」
好花は飲み物のゴミを捨てにゴミ箱に向かった。
和也は今がチャンスだと思い、かばんの中からネックレスを取り出して、好花のかばんに入れた。
そして、少しして好花が戻ってきた。
好花「もう少し時間あるし、ゆっくりしましょ〜!んっ?こんなもの入れたっけ?」
かばんの中に入っている箱を取り出した。
好花「うーん。さっきまで入ってなかった様な」
好花は不思議そうに見ている。
和也「なんだろうね?開けてみれば?」
好花「えぇ〜なんか怖いなぁ〜」
和也「大丈夫じゃないかな?」
好花「まぁでも、もしかしたらメンバーの誰かが間違って入れちゃったかもだし。開けてみるね!」
好花はラッピングを綺麗に剥がし箱を開けた。
好花「うそっ、なんで・・・」
欲しがっていたネックレスを見て言葉を失う。
和也「彼氏から彼女にプレゼントかな?」
好花「うぇーん。和君のばかぁ〜」
急に泣き出す好花。それを見て焦る和也。
和也「えっ!なんで泣いてるの!?」
好花「嬉しくて泣いてるのぉ〜。和君、ありがとぉ〜」
好花は和也の胸に顔を当てて泣いていた。
和也「なんか、前のTシャツの時と同じ感じになっちゃったね」
好花「だってぇ〜。嬉しいんだもん」
和也「嬉しいなら泣き止んで?せっかくのデートでしょ?」
好花「ゔん。泣き止んだ。和君、これつけて?」
和也は好花からネックレスを受け取って、首にネックレスをつけた。
好花「どうかな?」
和也「うん。似合ってるよ」
好花「ありがと!一生大切にするね!」
好花は今まで見た中で1番の笑顔になっていた。
和也はその顔を見て、嬉しさが込み上げてきたのであった。

しゃもじ ( 2021/08/05(木) 21:31 )