日向高校




























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第16章
小坂家でのお話
今日は菜緒と遊ぶことになっている。いつもは駅に集合するが、今日は菜緒が家まで迎えに来てと言ったので、菜緒の家に向かっている。菜緒の家に着いて、インターホンを押す。「はーい」玄関が開くと、菜緒のお母さんが出てきた。
和也「あっ、初めまして、佐藤です。菜緒さんと同じ学校で・・・」
菜緒母「あなたが和也君ね!初めまして!お母さんとは何度かランチしたけど、和也君に会うのは初めてね」
和也「母がお世話になっています」
菜緒母「こちらこそお母さんにお世話になってます。和也君も菜緒の事良くしてくれるみたいで」
和也「いえ、自分は全然何もしてあげれてないです」
菜緒母「謙虚なのね〜!立ち話とあれだし中に入って!菜緒はまだ準備終わらないみたいだから」
菜緒のお母さんが家の中に入れてくれる。
和也「すみません。おじゃまします」
家の中に入りリビングに案内される。
菜緒母「お茶用意するから座っててね」
和也「ありがとうございます」
和也はソファに座ると、目の前の棚に目がいく。そこには小さい頃の菜緒の写真が飾られていた。(前来た時は全然気づかなかった)和也は棚の前に行って、菜緒の写真を見ていた。
菜緒母「その写真は小学校の頃の写真なの。それが中学で」
和也「可愛いですね。中学の頃は今と変わらないですね」
菜緒母「ふふっ、ありがと。実はね、こっちに引っ越すことになった時心配してたの」
和也「心配ですか?」
菜緒母「そう。菜緒ってすごく人見知りでしょ?だから、学校に馴染めるかね。でもね、学校を行き始めてすぐに、嬉しそうに友達ができたって話してきたの」
菜緒のお母さんは嬉しそうに話し出す。
菜緒母「先輩なのに変わった人で友達になろうって。部活にも誘ってもらえたって嬉しそうにね」
菜緒のお母さんは優しい笑顔をしていた。その笑顔は菜緒の笑顔とそっくりだった。
菜緒母「それから、何かがある度に和也君の話を嬉しそうにするの。球技大会の時や体育祭の時かっこよかったってね!」
和也「なんだか恥ずかしいですね」
褒められて少しだけ顔が熱くなった。
菜緒「和也君と関わってから菜緒はすごく変わったのよ。昔の頃なんて、みんなの前で踊ったり、歌ったりするなんて考えられなかったもの。和也君のおかけであの子は明るくなったのよ」
和也「自分は何もしてないですよ?菜緒さんが自分で頑張って努力したんです。自分は菜緒さんの話を聞いたり、信じることしかできないんで」
菜緒母「ふふっ、それが菜緒にとって大きかったのよ?悩んでたりすると、すぐに助けてくれるヒーローとも言ってたわね!これからも迷惑かけちゃうと思うけど、菜緒のことよろしくお願いします」
和也「迷惑なんて一度も思ったことないですから大丈夫ですよ!」
菜緒母「ふふっ、やっぱり菜緒が言う通りいい子ね」
菜緒のお母さんと話していると、菜緒がリビングに入ってきた。
菜緒「ママ〜菜緒のお気に入りの靴下どこにあるか知らへん〜?えっ!?和君?」
和也「菜緒、おはよう」
菜緒「なんで和君がお家に?」
和也「なんでって、迎えに来てって言った時間に来たんだけど」
菜緒「えっ!もうこんな時間!?ごめーん。ママ〜靴下〜」
菜緒母「はいはい。和也君、もう少しだけ待っててね」
菜緒のお母さんと菜緒はリビングから出て行った。少しして、菜緒が戻ってきた。
菜緒「ごめんね。お待たせしました〜!」
和也「大丈夫だよ。それじゃ行こっか」
菜緒母「行ってらっしゃい。和也君また遊びに来てね」
和也「はい!またおじゃまさせてもらいます」
菜緒「行ってきまーす!」
菜緒の家を後にして駅に向かう。
菜緒「なぁーなぁーママと何話してたん?」
和也「んー俺と菜緒のお母さんとの内緒の話だよ!」
菜緒「えーなんでなん?教えてやぁ〜!2人だけでずるい〜」
和也「そうだなぁ〜、小さい頃から菜緒は可愛いって話かな?」
菜緒「なっ!なんなんそれ!そんなの当たり前やん」
菜緒は顔を赤くして照れていた。
和也「あははっ、顔めっちゃ赤いよ?」
菜緒「うるさい〜!もうばかぁ〜!」
菜緒は照れてはいるが、すごく笑顔だった。和也はその笑顔をこれから先も守りたいと思うのであった。

しゃもじ ( 2021/06/17(木) 16:50 )