日向高校




























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第15章
合唱祭開幕
合唱祭前日、クラスで最後の仕上げをする。だいぶ練習を重ねたので凄くいい感じに仕上がった。
白石「みんないい感じだよ!これで、最優秀賞も間違いないよ!」
白石先生も合唱の出来にご満悦だった。そして部活も本番前の最後の練習になる。和也のピアノに合わせてみんなはパフォーマンスをする。
白石「曲の入りが難しいから、本番でも気をつけてね?特に高本さんはフライングキュンしちゃうから気をつけてね」
彩花「はーい!本番でフライングは恥ずかしいから頑張ります!」
こうして、本番前の最後の練習が終わった。
白石「いい感じになったね!明日は楽しもうね!それじゃ、恒例になった監督からの一言!」
和也「またですか?えーっと、まず第一に明日は楽しもうね!自分達が楽しまないと、観ている人も楽しい気持ちになれないと思うから。そして、ジャージ、衣装を作ってくれた商店街の方も来てくれます。その人達に感謝の気持ちを忘れないように全力で頑張ろ!明日も観てくれてる人にハッピーオーラを届けようね!」
『はい!』みんなは気合いの入った顔をしていた。そして、部活が終わって菜緒と一緒に帰っている。
和也「緊張してる?」
菜緒「緊張してないって言ったら嘘になるけど、でも大丈夫。和君が信じてくれてるから頑張れる」
和也「菜緒は強くなったね。一緒に頑張ろうね」
そう言って菜緒の頭を撫でる。
菜緒「うん!和君と一緒なら頑張れるよ!」
和也はなんだか照れくさくなって、菜緒の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
菜緒「もーやめろ〜!!せっかくいい雰囲気だったのにぃ〜!」
和也「ふふっ、髪の毛ボサボサだよ」
菜緒「誰のせいだよ〜!もう、子どもなんだから!」
菜緒は頬を膨らませて髪の毛を直していた。
和也「振り替え休日の時暇してる?」
菜緒「うん。用事ないよ?」
和也「なら、明日のライブが成功したら、約束していたし遊びに行こっか?」
菜緒「うん!!行きたい!」
菜緒は一気に笑顔になった。
菜緒「それじゃ、明日ね!頑張ろうね」
菜緒の家に着いて家の中に入ってくのを見送り、和也も自分の家に帰った。

      合唱祭当日
合唱祭は地域の文化センターを借りて開催することになっている。また、土曜日ということもあり、沢山の地域の方も観に来てくれている。一年生から順に合唱祭を発表して、最後にアイドル部のライブをすることになっている。出番が近づくにつれて、緊張も高まってくる。指揮者の潮さんを見ると少し震えていた。
和也「潮さん、大丈夫?」
潮「佐藤君。ちょっと緊張してるかな」
和也「大丈夫だよ。たくさん練習してきたからね」
潮「うん。佐藤君、1つお願い聞いてくれないかな?」
和也「いいよ、どうした?」
潮「その・・・頭撫でてくれないかな?」
和也は優しく微笑み頭を撫でた。潮さんは少し緊張がほぐれたのか笑顔になった。そして、遂に和也達のクラスの発表になった。演奏をする前に潮さんと目が合う。潮さんは笑顔で頷いて腕を振った。それと同時に和也も演奏を開始する。クラスのみんなは今までで一番いい合唱をしており、和也も演奏していて楽しかった。そして、発表が終わると会場からは今までで一番の拍手が起きる。ステージ裏に戻り、クラスのみんなは喜んでいたが、和也とアイドル部のメンバーは次があるので、急いで移動した。
和也「お待たせ。みんな準備はどう?」
史帆「和君お疲れ様!合宿すごかったね!準備は見ての通りバッチリでーす」
みんなは衣装に着替えて準備ができていた。
和也「うん!みんな似合ってるね!潮さんと高瀬さんと優佳は急いで着替えてね!部屋の外で待ってるから、終わったら呼んでね?」
部屋を出て着替えが終わるのを待った。10分程して呼ばれたので部屋に入る。入ると同時に陽菜が近寄って来た。
陽菜「師匠、緊張してきました。どうしましょう?」
和也「陽菜なら大丈夫だよ。いつもみたいに元気な笑顔でやるんだよ?」
陽菜の頭を撫でるといつもの太陽のような笑顔をしてくれた。
ひなの「先輩!私も先輩のことを想って笑顔で頑張ります!」
和也「うん!ひなのも自信持ってね?絶対できるから」
彩花「後輩ばっかり贔屓するなぁ〜!」
史帆「そうだそうだ!私達も緊張してるんだ!」
和也「みんなのことも応援してるよ!信じてるからね!」
美玲「みーぱんも和君のこと信じてるから。絶対成功させようね!」
すると、急にみんなが一列に並んだ。
和也「えっ?急にどうしたの?」
史帆「やっぱり、ライブ前は和君に手を握ってもらわないと、気合いが入らなくて」
そう言ってみんなは順に和也の手を握った。そして、最後に菜緒が手を握る。
菜緒「和君。菜緒頑張るから見ててね」
和也は大きく頷いた。すると、白石先生と七瀬さんが部屋に入ってきた。
白石「みんな準備は出来た?」
七瀬「衣装めっちゃかわいいなぁ〜!」
白石「それじゃ佐藤君頼んだわよ?」
「はい!」和也はみんなを連れてステージ裏に向かった。
「それでは最後に日向高校アイドル部のパフォーマンスをしてもらいます」
アナウンスがかかり、ステージに向かう。
久美「よし!みんなやるよ!!」
『はい!!』みんなはステージに向かった。
「あの衣装すげー可愛くね?」
「凄い可愛い衣装だな」
アイドル部の衣装姿を見て、観客は盛り上がっていた。ただ、もちろんメンバーだけではなかった。
「佐藤君がピアノの前に座ったよ!」
「えっ!?佐藤君が演奏するのかな?」
和也の話題でも盛り上がっていた。みんなはポジションについたので、演奏を開始した。
「キュンキュンキュンキュンどうして・・・♪」和也の演奏と共にみんなのパフォーマンスが始まる。心配だった曲への入りも上手くいき、順調に進んでいく。そして、遂に和也のソロパートになる。
「僕にできることは何でもしよう 君のためなら何でもできる 真っ白な心汚れないように守ってあげたい」
見事にソロパートを歌い終わり、みんなは続いて歌い始める。「僕にできないことも何とかしよう・・・♪」
こうしてパフォーマンスが終わった。会場は静寂に包まれていたが、次の瞬間・・・「わあぁぁーー!!!」さっきまでの静寂な空気とは一変し、会場から溢れるのではないかと思うぐらいな大きな歓声が飛んでいる。みんなもそれを聴いて笑顔になる。パフォーマンスが終わり、ステージ裏に戻ると、一目散に奈緒が泣きながら抱きついてきた。
菜緒「うぅー。できた、できたよぉ〜」
和也「よく頑張ったね?凄かったよ」
和也も抱きしめながら菜緒の頭を撫でた。
美玖「私達も頑張ったんですけど?」
愛萌「はい。ここでも菜緒贔屓とは」
美玲「でも、本当に頑張ったね!えらいぞぉ〜!」
史帆「うん!こしゃはよくやったよぉ〜!」
京子「やっぱ菜緒ちゃんがセンターで良かったよ!」
久美「監督のソロパートも最高だったね!」
ひより「ひよたん踊ってて泣きそうになっちゃいました」
みんなで余韻に浸ってると聞き覚えのある声がした。
???「みんな最高だったよぉ〜!やっぱり私の教え子だぁ〜!」
和也「えっ?生田さん??」
潮「なんで生田さんがここに?」
生田「だって、みんなが私の作った曲を初披露してくれるんだから、絶対聞きたかったんだもん!」
白石「たまたま今日と明日が休みになったみたいで、さっきここについたのよ」
生田「和也君すごかったね〜!歌も歌えるなんて感動だよ〜」
そう言って生田さんは抱きついてきた。
和也「ちょっと生田さん!それはまずいです!」
白石「絵梨花離れなさーい!」
生田「えー良いじゃんか〜!なーさんもなんとか言ってやってよ」
七瀬「あははっ!いくちゃんは本当に面白いな〜!それに佐藤君は逃げた方がええで?」
「えっ?」和也は嫌な予感がして、後ろを振り向くとみんなが怒った顔をしていた。
史帆「こら〜!和君!!なにしてるのさぁ〜!!」
美玲「ぜーったい今嬉しそうな顔してたよ!」
彩花「君って人はすぐにそうやって!」
和也「これは俺が悪いんじゃ・・・」
京子「言い訳をしない!!そもそも和は無防備すぎるんだよ!」
和也「えぇ?そんな・・・。潮さん助けて」
潮「佐藤君はいつもいつも年上の女性にデレデレしちゃって!」
和也「えっ?潮さんまで!?」
みんなからは笑いが起きたが、和也は笑っていられる状況ではなかった。こうして、合唱祭は和也のクラスの最優秀賞とアイドル部の笑顔で幕を閉じた。

■筆者メッセージ
長くなってしまいました〜!
しゃもじ ( 2021/06/15(火) 13:35 )