日向高校




























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第15章
元気のないひよたん
久美からの提案で、合唱祭の時にソロパートを歌うことになった。みんなが白石先生に話しくれて、白石先生もオッケーしてくれた。
久美「和也君は歌いたいパートある?」
和也「そうだな〜、俺が1番好きな所歌っていいかな?」
史帆「和君の好きな所ってどこ〜?」
和也「ここなんだよね!好きって言うのもあるけど、俺が常にみんなに想っていることなんだ」
和也はみんなに好きな歌詞を伝えると、みんなは何故か泣き始めた。
美玲「うえーん。和君ありがとぉ〜」
菜緒「和君は本当にずるいなぁ〜」
久美「ほんとだよね〜!なら、ここのパートは和也君に歌ってもらうってことでいいかな?」
「うん!(はい!)」みんなは快くオッケーしてくれた。それから、和也はピアノの練習と歌の練習をした。ピアノを弾きながら歌うのは難しくて、少し苦戦していた。そして、合唱祭前の最後の土曜日。今日は午前中で練習が終わることになってる。和也は気になっていることがあり、休憩時間に美玲に聞いてみた。
和也「美玲、ちょっといいかな?」
美玲「あっ、和君、どうしたの?」
和也「ひよりのことなんだけど、元気がなさそうだけど何かあったか知ってる?」
美玲は少し悲しそうな顔をして話し出す。
美玲「和君が取ってくれたカブトムシがね、昨日死んじゃったみたいなの」
和也「そうなんだ。それで元気がないんだ・・・」
美玲「うん。昨日、ひよたんから泣きながら連絡がきたんだ。先輩に申し訳ないですって言ってて」
和也「ひよりは大切に育ててくれてたんだね」
美玲「うん。よく写真送ってくれたよ?みーぱんは怖くて、あんまり見れなかったけど。本当に大切だったんだと思う」
和也はどうすればいいのか考えていた。
和也「今日、部活が終わったら時間あるかな?ちょっと付き合って欲しいんだけど」
美玲「うん!いいよ!なんかいい方法思いついたの?」
和也「うん。ひよりが気にってくれるかわからないけどね」
そして、2人は部活が終わって、少し大きなショッピングモールに行くことになった。
美玲「たぶんここなら和君が探してるものあると思うよ!」
和也「ありがとね?まだあんまり詳しくないから、ついてきてもらっちゃって」
美玲「ううん。ひよたんの為だし、和君とデートできて嬉しいから」
美玲は笑顔でそう言ってくれて、手を握ってきた。そして、電車に乗り、少し歩いたらショッピングモールに着いた。
美玖「みーぱんも欲しいものがあるからちょっと行ってくるね〜!」
和也「うん。気をつけてね」
美玲「ありがと!そういえば、和君の好きな色って何?」
和也「好きな色?そうだなぁ〜、やっぱり空色かな?」
美玲「空色かぁ〜!オッケー!」
美玲は謎な質問をしてどこかに行ってしまった。そして、和也は自分の探し物をを探す。大きなショッピングモールだったおかげで探し物はすぐ見つかった。待ち合わせ場所で美玲と合流して、少し遅めのお昼ご飯を食べて日向町に帰る。
和也「うーん。どうやって渡せばいいのかな?」
美玲「それならみーぱんに任せて!ちょっとサプライズな感じにしよ!」
美玲は考えたプランを話してくれた。そして、日向町に着いて、美玲はひよりに電話した。
美玲「もしもし、ひよたんは今暇かな?うん。なら、公園に来れるかな?ありがと。待ってるね」
美玲はひよりとの電話を終えた。
美玲「今から来てくれるって〜!」
和也は頷いてひよりの待っていた。少ししてひよりが公園にきた。
ひより「遅くなってすみません」
美玲「全然!いきなり呼び出してごめんね?」
ひより「大丈夫です。それで、どうかしたんですか?」
美玲「ひよたんが元気ないから大丈夫かなって」
ひより「カブトムシのことは悲しいです。でも、先輩への申し訳なさのが強くて」
そう言ってひよたんは泣き始めてしまった。私は慰めながら、和君に合図を出した。和君はそーっと近寄って、ひよたんの前にあるものを置いた。
ひなの「わぁ!!えっ!!なにこれ?」
ひよりは凄くテンパっている。
ひなの「これって・・・」
美玲「和君がね、ひよたんが元気がないからって心配しててね」
和也「カブトムシの事聞いたよ?大切に育ててくれてありがとう。これからはこれを大切にしてね」
ひより「カブトムシだぁ・・・」
和也「うん。これならずっと一緒にいれるよ」
和也はひよりにカブトムシのぬいぐるみを渡した。
ひより「えーん。嬉しいです〜」
ひよりは更に大泣きして、美玲に抱きつき、美玲も優しくひよりを抱き寄せた。
和也「ちなみに俺はクワガタ買っちゃった」
ひより「先輩、虫嫌いなのに買ったんですか?」
和也「なんかぬいぐるみだとカッコよく見えるよね」
和也は無邪気な笑顔で答えた、
美玲「えー!みーぱんもほしい〜!」
和也「美玲は虫苦手でしょ?だからこれ」
和也は袋の中から、ぬいぐるみをもう一つ取り出した。
美玲「えっ、イルカだ・・・」
和也「美玲もイルカのキーホルダー大切にしてくれてるでしょ?それに今日ついて来てくれたお礼も兼ねてね?」
美玲はぬいぐるみを受け取って泣き始めた。
ひより「あ〜!みーぱんさんも泣いてる〜!」
美玲「だって、嬉しくて〜。和君、ありがと〜」
和也「いいよ。でも、泣き止んでもらえると助かるかな?なんか、周りから見たら俺が2人を泣かせてるみたいで」
ひより「でも、先輩の優しさに泣かされてるので間違いじゃないですよ?」
美玲「うん。和君に泣かされたぁ〜」
2人は泣きながら笑っている。
和也「聞こえが悪いって!よし、そろそろ時間も遅くなったし帰ろ?」
『うん!(はい!)』2人は返事をして公園を後にした。先にひよりを家まで送って、次に美玲を家まで送る。
和也「そういえば美玲は何買ったの?」
美玲「内緒〜!今度までお楽しみだよ!」
和也「すごい気になるなー」
美玲「ふふっ、なら、またデートしてくれる?」
和也「もちろん。いつでもいいよ」
美玲「やったぁ〜!それじゃまた学校でね!ぬいぐるみありがと!」
美玲の家について、別れ際に美玲はキスをして、家の中に入っていった。その日の夜、ひよりからメッセージがきた。
ひより「私の一生の宝物です」
その内容と共にカブトムシのぬいぐるみの写真が送られてきたのだった。

しゃもじ ( 2021/06/15(火) 10:10 )