日向高校




























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第15章
いつでもどこでも変化球な彼女
ひなのとアイスクリーム屋を探して歩いている。2人とも初めてきた街なので、探検しているみたいで楽しんでいた。
和也「なかなか見つからないね〜」
ひなの「そうですね〜。でも、こうして歩いているのも楽しいです!」
ひなのはずっとニコニコしている。その顔を見ていると、こっちまで楽しくなってくる。しばらく歩いていると、女の子が集まっている店を見つけた。
和也「あそこかもしれないね?行ってみようか」
集まっている所に近づくと、アイスクリーム屋に辿り着いた。
和也「ひなのが行きたかった店はここかな?」
ひなの「はい!このお店です!」
2人は早速お店の中にはいった。
「やーん。美味しそう〜」「このアイス可愛い〜」お店の中はたくさんの女の子で賑わっていた。(アイスで可愛いってなんだろう)和也は少し気まずいそうにしながらそう思った。そして、隣にいるひなのを見ると、困り果てた顔で悩んでいる。
ひなの「困りました」
和也「どれにするかで悩んでるの?」
ひなの「はい。梅味にするか、トマト味にするか唐辛子味悩んでます。あっ、この唐辛子味も気になります」
和也「なんか全部変化球な味だね」
ひなの「赤いものが大好きなんです」
和也「そうなんだね。もっと普通の味は食べないの?ストロベリーとか?」
ひなの「これも美味しそうです!んー困りました」
和也「今キャンペーンで3段まで出来るみたいだね」
和也は張り紙をみてひなのに伝えた。
ひなの「そうなんですか?なら、3段にしましょう!先輩はもう決まりましたか?」
和也「うん。大体決まったよ?」
ひなの「早いですね。すみませんがもう少しお時間頂いてもよろしいですか?」
和也「ゆっくり選んで大丈夫だよ」
ひなのは少し安心した顔で、再びショーケースを眺めはじめた。そして、食べたいものが決まって店の外に出た。
和也「ここに座って食べよっか?」
店の外にはベンチが置いてあった。
ひなの「はい!お邪魔します」
和也「あははっ、俺のベンチじゃないけどね」
2人は並んでベンチに座った。
ひなの「ふふっ、いただきます」
ひなのはアイスをスプーンですくって口に入れた。すると、ひなのは驚いた顔をして、目で訴えてきた。
和也「そんなに美味しいんだね」
ひなのはコクコク頷いた。そして、違う味を食べると、ひなのは嬉しそうに顔を横に揺らしている。(なんか小動物みたい)和也はそう思いながらアイスを一口食べた。「えっ!美味しい!」あまりの美味しさに少し感動した。
ひなの「先輩は何味にしたんですか?」
和也「キャラメルとチョコミントとナッツだよ」
ひなのに味を伝えると、黙ってアイスを見ていた。「食べてみる」和也はスプーンですくいひなのの口に近づけた。
ひなの「えっ!いいんですか?あっ、でも、かん・・・」
ひなのは小さな声で何かを言っていた。
和也「かん?かんってなに?」
よく分からなかったので聞いてみると、顔を赤くして慌てている。
ひなの「なんでもありません!いただきます」
ひなのはそう言ってアイスを食べた。
ひなの「美味しいです!今まで食べたアイスの中で1番です!」
ひなのは興奮した口調で話している。和也はそんなひなのの姿を見て笑っていた。アイスを食べ終わって、まだ時間があったので街をフラフラすることにした。ひなのはずっとニコニコしていた。
和也「ひなのはずっとニコニコしてるね」
ひなの「そうですか?無意識かもしれません」
和也「そうなんだね。でも、楽しそうにしてくれてて嬉しいよ」
ひなの「なんでですかね?先輩と一緒にいるとずっと笑っていられます」
和也「それはなんでだろう?そんなに面白い顔してるかな?」
ひなの「うーん。あっ!そうだ!」
ひなのは急に立ち止まった。
和也「またいきなりどうしたの?」
ひなの「踊っている時も、先輩のことを考えれば笑顔になれると思います!」
ひなのは嬉しそうな顔をして言った。
ひなの「だから、踊って時も先輩のこと考えていていいですか?」
和也「うん。それでひなのが笑顔になれるならいいよ」
そう言ってひなのの頭を撫でると頭を横に揺らしていた。そして、時間も遅くなったので帰ることにした。日向町について、ひなのを家まで送る。
ひなの「今日は私のわがままに付き合ってもらってありがとうございました」
和也「わがままじゃないから大丈夫だよ!楽しかったね?」
ひなの「はい!すごく楽しかったです」
駅から少し歩くとひなのの家についた。
ひなの「先輩。もう1つわがまま言ってもいいですか?」
和也「うん。いいよ、どうしたの?」
ひなの「今度先輩のお家に泊まりに行ってもいいですか?」
和也「いいよ、いつでもおいで?」
ひなの「ふふ。嬉しいです!」
すると、ひなのが抱きついてきた。
和也「ひなのが抱きつくなんて珍しいね」
ひなの「いつもみなさんの見て、羨ましかったんです」
ひなのはそう言って離れた。
ひなの「また今度アイス食べに行きたいです!それではおやすみなさい」
ひなのは家の中に入っていった。和也も家に帰った。家について、ご飯を食べてお風呂に入り、寝る準備をしていると、菜緒からメッセージが届いた。
菜緒「なのちゃん凄く喜んでたよ」
和也「そっか。ならよかったよ。あの〜菜緒は怒ってないの?」
菜緒「なんで菜緒が怒るの?」
和也「いや、なんでもないよ!菜緒がひなのにアドバイスしたんだよね?」
菜緒「なのちゃんが嬉しそうに相談してきてくれたからね!」
和也「なんか2人は同級生なのに、菜緒がお姉ちゃんみたいだね」
菜緒「そうかな?でも妹みたいで可愛い!それはそうと和君!」
和也「はい、なんでしょうか?」
菜緒「今度菜緒とも遊んでよね?和君と行きたいところいっぱいあるんやから!」
和也「うん。また今度遊ぼうね!」
菜緒「ありがと〜!それと、メンバーじゃない人に浮気したら許さへんからな」
和也「それは大丈夫です・・・」
菜緒「よろしい!ならまた明日ね!おやすみ!」
菜緒とのメッセージを終えた。こうして、ひなのとの初めてのデートは終わったのであった。

しゃもじ ( 2021/06/12(土) 20:09 )