日向高校




























小説トップ
第14章
合唱祭の秘策
アイドル部の人気は少しずつだが落ち着いてきた。理由は1つ。みんなが全く相手にしないからだ。告白されても、最後まで言う前に「ごめんなさい」と言ったり、遊びに誘われても「部活があるので」と断ったりしているからだ。そんなある日、HRで合唱祭について決める事になった。
白石「わかってると思うけど、合唱祭も最優秀賞を狙います!そこで、何かインパクトを残す事をしたいんだけど、何かあるかなぁ〜?」
クラスのみんなは周りと相談し始める。
潮「佐藤君。何かいい案ある?」
高瀬「インパクトってどういう事がいいんやろうか?」
和也「ん〜。周りとは違う事をすればいいと思うんだけど」
潮「違うことね〜。例えばピアノが女の子じゃなくて、男の子が弾くとか?」
白石「それだ!!!」
3人で話していると、いつの間にか白石先生が近くにいた。
和也「それってどれですか?」
白石「ピアノを男子に弾いてもらいましょう!ここ最近、全クラスのピアノは女の子が弾いてたから、男の子が弾いたらインパクトがあるわね!」
女子生徒「でも、ピアノが弾ける男子っているんですかね?」
周りの男子は出来ないという顔をしている。ある1人を除いては・・・。
高瀬「先生!1人、絶対隠し事をしている人がいます!」
白石「私も気づいた。明らかに目を逸らした人がいるよね」
潮「佐藤君、バレてるよ!そういえば佐藤君の家にピアノあったよね?」
和也の家にはピアノが置いてある。小さい頃、母が和也にピアノを弾かせたいと親戚からもらったのだ。和也も数年の間、母にピアノの教えてもらい弾けるようになったのだ。
女子生徒「潮さんって、佐藤君の家に行ったことあるの?」
潮「私1人じゃないよ?部活のみんなで勉強会とかしているから」
白石「話が逸れてるぞ〜!それで、佐藤君。白状しなさい。ピアノ弾けるでしょ?」
和也「あははっ。なんのことでしょう?」
白石「弾けるよね?」
白石先生がもの凄い圧をかけてくる。
和也「はい。少しは弾けます」
白石「なら、ピアノは佐藤君にけってーい!」
「パチパチパチパチ」みんなが拍手をしてくれたが、いまいち乗り気になれなかった。昼休みなり、白石先生が部活のことで話があると言っていたので、職員室に向かった。
白石「休み時間にごめんね〜!」
和也「全然大丈夫ですよ!話とはなんでしょう?」
白石「校長先生から合唱祭の時に、アイドル部で何かして欲しいってお願いされたのよね」
和也「合唱祭で?普通、吹奏楽部とか合唱部とかじゃないですか?」
白石「去年まではそうだったけど、ほら、今って何かと話題になってるじゃない?地域の方も観にくるからね」
和也「なるほど。今日の部活の時間にみんなに聞いてみますね!」
白石「よろしくね!監督♪」
和也はアイドル部の知名度が、更に上がると思いやる気だった。放課後になり、部活をやる前にみんなに伝えた。
和也「と言う話しなんだけど、何かやりたいことあるかな?」
史帆「はい!!としちゃんいい案あるよぉ〜!」
美穂「何をやるんですか?」
かとしは和也の顔を見てニヤニヤしている。(嫌な予感しかしない)和也はそう思った。
史帆「和君がピアノを弾いて、生田さんの曲を歌うの!!」
和也「却下!」
史帆「えっ?なんでぇ〜?」
和也「自分のクラスの演奏の練習で忙しいの!てか、どこで聞いたの」
美玲「2年の中で噂が広がってたよ!B組のピアノは和君だって!」
鈴花「先輩はピアノ弾けるんですか?」
彩花「そういえばお家にピアノあったよね?」
陽菜「師匠のピアノで歌いたいです!」
ひより「ひよたんも〜!!」
京子「後輩たちがそう言ってるけどどうするの?」
菜緒「和君と一緒にやりたいなぁ〜」
和也「うーん。なら頑張ろうかな」
『やったぁ〜!』みんなは喜んでいる。
史帆「てか、今のこしゃが言ったからやる気になったんじゃない?としちゃんが言った時は、すぐに却下って言ったのに!」
和也「気のせいだって!でも、楽譜がないからやっぱ難しいかな〜」
白石「それなら任せて!」
久美「あっ、先生!任せてってどういうことですか?」
白石「今の話を立ち聞きしてて、面白そうだったから絵梨花に電話したの!そしたら、絵梨花も喜んじゃってね!やる気になって、楽譜作ってくれるって!」
京子「ほんとですか!生田さん本当に優しい!」
美玲「生田さんに会いたくなってきたぁ〜」
白石「それで、土曜日に絵梨花所に行ってレッスン受けるから、佐藤君と私は部活に出れないから、みんなはちゃんと練習してね!」
史帆「えっ?和君いないの?寂しい〜」
陽菜「うーん。部活頑張れるかな」
好花「先生もいないなんて〜」
久美「はいはい!2人がいなくてもちゃんと頑張るよ!」
『はーい!』みんなは返事をしたが元気がなかった。
史帆「そうだ!!えいっ!」
和也「うわぁ!かとしいきなりどうしたの?」
かとしがいきなり抱きついてきた。
史帆「土曜日に会えないから、今のうちに元気を注入しておくの!」
和也「そ、そうなんだね。これで頑張れるならいいけど」
すると、『私も!!』みんな和也に抱きついた。
和也「だから、苦しいって〜」
白石「ふふっ。今年の合唱祭は面白くなりそうね」
白石先生はその光景を眺めて笑っていた。こうして、和也はクラスと部活、両方の演奏をすることになった。

しゃもじ ( 2021/06/07(月) 08:20 )