日向高校




























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第14章
人気のアイドル部
今日から2学期が始まる。いつも通りの時間に登校していると、「和くーん!」後ろから誰かに呼ばれた。振り向くとかとしが走ってきた。
史帆「和君、おはよう〜!」
和也「かとしおはよ。朝から元気だね」
史帆「朝から和君に会えたもん!」
和也「あははっ、そうなんだね」
かとしと登校していると、周りから見られている感じがする。
和也「なんかみんなの視線感じない?」
史帆「そうかな?気のせいじゃない?」
和也「うーん。やっぱ気のせいかな」
学校に着いて下駄箱を開ける。『バサァ』下駄箱から大量の手紙が落ちる。
史帆「えっ、うそ。なにこれ?」
和也「うーん。ラブレターじゃない?」
すると、周りにいた男子が騒ぎ出した。
「加藤さんだ!めっちゃ可愛い」
「加藤さんの横にいる男誰?」
「加藤さんと話したいな!」
かとしは周りの声が聞こえて顔が赤くなっていた。
史帆「和君!早く行こっ!!」
和也「えっ、ちょっとかとし!」
かとしは和也の手を引いて早歩きでその場を立ち去った。教室に着いても周りがざわざわしていた。
「潮さんって綺麗だよなぁー」
「高瀬さんにつっこみされたい!」
廊下から男子生徒が教室を覗いている。
和也「これは一体なんの騒ぎなんだ」
潮「たぶん、夏祭りのライブのせいかな?」
高瀬「うん。地元のお祭りだからね。学校の生徒がほとんど来ているよ」
和也「そうなんだ。みんな大丈夫かな」
和也の心配は的中し、アイドル部がいるクラスはずっと大騒ぎになっていた。
しかし、大騒ぎになっていたのはメンバーだけではなかった。
「佐藤君!ちょっとここの問題が分からないから教えてほしいな」
「私も!英語がちょっと分からなくて」
「佐藤君、これ夏休みに旅行にいったからお土産あげるね」
女子生徒も和也の周りを囲った。
高瀬「そーゆうことか!」
潮「そーゆうことってどういう事?」
高瀬「今まで私達が佐藤君の周りに居たから、女子生徒はあまり近寄れなかったけど、私達が男子生徒に注目されてるから、その隙に佐藤君に近寄ろうとしているんじゃないかな」
潮「なるほど!でも、今は佐藤君を助かる余裕がないね」
紗里菜も愛奈も男子生徒からのガヤが凄くてそれどころじゃなかった。
白石「はい!席に着いて!そこ!教室に戻る!」
いいタイミングで白石先生が入ってきて、なんとか収まった。すると、スマホにメッセージが届いた。
史帆「和君、昼休み部室開けて。」
美玲「うん。ちょっと凄いね」
鈴花「朝から疲れました〜」
久美「監督ごめんね?監督も今まで大変だったんだね」
みんなは過去に和也が騒がれた時と同じ体験をして、大変さを身をもって感じたのだった。そして、昼休み。みんなは部室に集まった。
史帆「あぁ〜疲れたぁ〜」
彩花「史帆、おばあちゃんみたいだよ」
久美「でも、流石にあれは疲れるよ」
好花「ライブの効果はすごいですね」
陽菜「ちょっと怖かったです」
美玲「美玲どうしたの?大丈夫?」
美玲がぼーっとしていたので、様子が気になった和也。
美玲「えっ!なんもないよ!大丈夫!」
和也「そっか。ならいいけど」
美玖「それにしても、先輩はやっぱり凄いですね」
和也「ん?急にどうしたの?」
美玖「さっき久美さんも言ってましたけど、私達はメンバーで男子生徒が振り分けられているのにも関わらず、ここまで大変なのに、先輩は1人で女子生徒の大半を相手にしてましたもんね」
和也「大変だったけど、みんなに守ってもらったからさ」
潮「そういえば、佐藤君の女子人気が再浮上してたよ」
和也「ちょっと潮さん!!」
史帆「なにぃ〜!?どういう事!?」
高瀬「私の予測の話なんやけどな」
高瀬さんは人気が再浮上した予測をみんなに話した。
彩花「なるほど。確かに今の私達に監督を守る余裕はないね」
ひより「確かに。自分のことでいっぱいです」
史帆「和君!浮気したらだめだからね!」
和也「大丈夫だって!そんな事にはならないよ」
そんな話をしていたら、お昼休みがすぐ終わってしまった。みんな泣く泣く教室に戻る。
和也「菜緒!菜緒も元気ないように見えるけど体調悪い?」
菜緒「ううん!元気だよ!相変わらず和君は心配性やなぁ」
菜緒はぎこちない笑顔で笑った。
和也「ならいいけど。何かあったらすぐに言うんだよ?」
菜緒「うん!ありがと!早く教室戻ろ?」
この後、アイドル部のメンバーは大変な数日を過ごすのであった。

しゃもじ ( 2021/06/06(日) 18:29 )