日向高校




























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第14章
リトルトゥース
翌日。部活が終わり片付けをしていると好花が近づいてきた。
好花「先輩!今日のデート楽しみですね〜!」
和也「そうだね!こういうの初めて行くから楽しみだよ」
好花「よかった!なら、また後で駅で集合しましょ!」
和也「わかった!また後でね」
和也は家に帰って準備をして、駅に向かった。駅に着くと好花が待っていた。
好花「先輩!やっほっす〜」
和也「やっほっす〜??」
好花「はい!挨拶ですよ?常識ですからね?」
和也「そ、そうなんだね!勉強になったよ」
好花「うんうん!それなら行きましょ!今日は私が贔屓される日なんですからね〜!」
好花は笑顔で和也の手を握った。
和也「だから誰にも贔屓はしてないよ」
和也も笑いながら手を握り返した。電車に乗って会場を目指す。
好花「私、この芸人さん大好きなんです!だから、今日は先輩にも好きになってほしいです!」
和也「有名な芸人さんだよね!よくテレビで見るもん!面白いよね」
好花「そうなんですよね!まずトークが・・・」
電車の中で好花は楽しそうに話している。その話を和也も笑顔で聞いていた。
最寄駅に着いて会場に向かう。
好花「着いたらグッズ買いに行ってもいいですか?」
和也「いいよ!俺も何か買おうかな」
好花「ほんとですか?ならお揃いのを買いましょ!」
和也「いいね!記念にそうしよ!」
好花「やったぁ〜!先輩とお揃いだぁ〜!」
好花は嬉しかったのか鼻歌を歌い始めた。10分程歩いたら会場に着いた。
和也「入場の30分前に着いたのに結構人いるね」
好花「ほんとですね。早くグッズ買いに行かないと売り切れちゃいますね」
好花は和也の腕を掴んで走り出した。グッズ売り場に着いた好花は何を買うか悩んでいた。
好花「うーん。リストバンドもいいし、Tシャツもいいし・・・。ちょっとあっち見に行ってもいいですか?」
和也「うん!いいよ!ここで待ってるね」
好花は違う売り場を見に行った。少し経って好花が戻ってきた。
好花「お待たせしましたぁ〜!次はお揃いの物を買いましょ!って、先輩も何か買ったんですか?」
和也「うん。はい、これ。今日誘ってくれたお礼」
和也は袋からTシャツを取り出した。
好花「えっ?これって・・・。」
和也「さっき悩んでだからさ。これをお揃いにしたんだけどどうかな?」
好花の目に段々と涙が溜まっていく。
和也「あっ、ごめん!嫌だったかな?」
すると、好花は和也に抱きついた。「えっ、えっ?」和也はその行動に困惑してしまう。
好花「うぅー。嬉しいです〜。先輩ありがとう〜」
和也「喜んでくれたなら良かったよ。ただ、みんな見てるから別の所に行こうか」
和也は好花の手を引いて人気の無い所に移動した。
好花「さっきは嬉しくて取り乱してしまいました!ごめんなさい」
和也「全然大丈夫だよ!泣いた時はちょっとびっくりしたけどね」
好花「あははっ、すみません!嬉し涙です!ねぇ、先輩!このTシャツ着て観ないですか?」
和也「いいね!それじゃ着替えよ!」
2人はトイレに行き服を着替えた。
好花「おぉ!これで先輩もリトルトゥースですね!」
和也「そうだね。それじゃ会場の中に入ろうか?」
好花は頷き会場に入り着席した。
そして、お笑いライブが始まった。
『トゥース!!』芸人さんがその一言を言うだけで笑いが起きた。お笑いライブはとても面白くて、あっという間に終わりを迎えた。会場を出た2人は余韻に浸っていた。
好花「凄い面白かったですね!」
和也「うん!久しぶりに大笑いしたよ!あの芸人さん好きになった」
好花「やったぁ!先輩と好きなものが一緒だぁ〜!」
和也「あははっ、そうだね!一緒だね」
好花「またチケット当たったら誘ってもいいですか?」
和也「いいけど今度も俺とでいいの?」
好花「先輩じゃないとだめなんですよ〜!わかりましたか?」
和也「よくわからないけどわかった」
好花「うんうん!それじゃご飯食べて帰りましょ〜!」
和也「そうだね!なら蕎麦かカレーうどんの店探そうか?」
好花「えっ・・・?なんで?」
和也「なんでって好花の好きな食べ物でしょ?前話してたよね?」
好花「話してましたけど、覚えててくれたんですか・・・?」
和也「当たり前だよ!みんなの好きな食べ物とかは覚えておきたいから」
和也の優しい笑顔を見て、好花はまた泣きそうになっていた。
好花「先輩ってほんとーーにずるいですね!」
和也「えっ?何がずるいの?」
好花「自分で考えてくださーい!今日は蕎麦の気分なんで、蕎麦を食べに行きましょ〜!」
好花はそう言って笑顔走り出した。
和也「ちょっと待って!ずるいって何〜?」
和也も好花を追いかけた。こうして、2人は夜ご飯を食べて日向町に帰る。
好花「あーあ。先輩の贔屓が終わっちゃうな〜!」
和也「贔屓なんてしたことないよ」
好花「ふふっ。冗談ですよ〜!あっ!お家ここです!」
和也「そっか!なら今日は誘ってくれてありがとね!凄く楽しかったよ!」
好花「はい!また今度行きましょうね!先輩!ちょっと近くに来て下さい!」
和也は好花の言う通りに少し近寄った。すると、「チュっ」唇に好花の唇が触れた。
好花「トゥース!!それじゃまた明日です!」
笑顔でそう言って好花は家の中に入っていった。こうして、好花の笑顔でデートが終わったのだった。

■筆者メッセージ
たかしさん
だいぶ遅くなってしまいましたが、好花編更新しました!これからもよろしくお願いします!
しゃもじ ( 2021/06/04(金) 14:38 )