日向高校




























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第13章
ひよたんのお泊まり
夏祭りが終わって、荷物を置くために白石先生と学校に戻り、家まで送ってもらっている。
白石「ライブ成功してよかったね」
和也「そうですね。感動しました。それにしても、みんなも白石先生も凄いですね!」
白石「みんなはともかくなんで私まで?」
和也「七瀬さんに生田さん。2人の協力がなかったら、ここまでいいライブは出来なかったです。そして、2人は白石先生のために動いてくれて。人脈っていうんですかね?白石先生の人柄がいいから、大人になってもみんなが協力してくれるんだなって思いまして」
白石「私からしたら佐藤君が1番凄いよ?」
和也「自分ですか?何も凄いことしてないですよ?」
白石「なーんか君には人を惹きつける力があるみたいね」
和也「なんのことでしょう?」
白石「いい加減気づかないとみんながかわいそうだぞ〜!」
白石先生が頭を指で軽く押す。
和也「えっ?みんなに何かしてますかね?」
白石「だめだこりゃ。はい!着いたよ!」
和也「送ってもらってありがとうございました」
白石「こちらこそありがと!ちょっとの間は部活休みだからゆっくりしてね!」
そう言うと白石先生は車を走らせて帰っていった。和也は家に入りリビングに向かった。
母「おかえり。ライブ良かったわね!」
和也「ただいま。うん。最高だった!疲れたからお風呂に入るよ」
和也はお風呂場に向かおうとする。
母「あっ!ちょっと待って・・・」
ひより「ママお風呂ありがと〜!あっ!先輩!」
パジャマ姿のひよりがリビングに入ってきた。
和也「うわぁ!ひより!なんでいるの?」
ひより「なんでって明日カブトムシ取りに行く約束したじゃないですか!」
和也「したけど、えっ?泊まるの?」
母「夏祭りの時に、ひよりちゃんに会った時に、その話を聞いたから誘ったのよ」
和也「また知らないところで」
ひより「それより先輩みてください!虫かご新しいの買いました!」
和也「ははっ、すごいね」
机の上には新品の虫かごが。和也は苦笑いしか出来なかった。
母「ひよりちゃんがお風呂から出たから入ってきていいわよ」
和也はお風呂に入った。お風呂の中で明日のカブトムシを取りに行くことを考えていた。虫が苦手な和也にとって、今回の件は、大きな問題であった。何もいい案が浮かばないままお風呂から出る。
ひより「あっ!先輩出てきた!今調べてたんですけどカブトムシは朝方取りに行かないといけないみたいです!だから早く寝ましょう!」
母「ひよりちゃんどこで寝る?」
ひより「先輩の部屋で寝ます!」
母「なら和也布団持って行ってあげてね!」
布団を持って部屋に向かう。
和也「ひよりがベットで寝ていいよ?」
ひより「えっ?なんでですか?」
和也「床よりベットの方が寝やすいでしょ?俺が床に敷いた布団で寝るからさ」
ひより「先輩と同じ布団で寝るんじゃないんですか?」
和也「えっ?そうなの?」
ひより「そっちの方がひよたんはよく眠れます」
和也「ひよりがいいならいいけど」
ひよりが頷いたので2人はベットに入っ
た。ベットに入るとすぐにひよりが抱きついてくる。
和也「どうしたの?」
ひより「先輩にぎゅーってすると落ち着くんです。嫌ですか?」
和也「嫌じゃないから大丈夫だよ」
そう言うとひよりの抱きつく力が強くなった。
ひより「ねぇ先輩?陽菜とはチューしました?」
和也「えっ?いきなりどうした?」
ひよりの直球な質問に動揺してしまう。
ひより「なんとなくしたかなーって思いまして」
和也「あははっ、どうだろうね〜」
ひより「先輩は隠し事が下手くそですね」
和也は苦笑いしか出来なかった。
ひより「先輩?ひよたんもしたいです」
和也「えっ??何を?」
ひより「チューですよ」
ひよりはそう言うと顔を近づけて、和也にキスをした。和也はびっくりしていた。いつもは子どもっぽくて、妹みたいな感じだったひよりがなぜか大人びて見えたから。
ひより「初めてのチューは先輩が良かったです!」
そして、ひよりは満足したのか目をつぶって眠りについた。動揺していた和也はしばらく寝ることが出来なかった。

しゃもじ ( 2021/05/25(火) 12:07 )