白石先生のお願い
午前の練習が終わり、お昼休暇になる。
生田「あぁ〜!お腹すいた〜!」
白石「すぐ近くに定食屋さんがあるから行こっか」
生田「うん!!みんなも一緒に行く?」
京子「えっ?いいんですか?」
明里「行きたいです!」
生田「みんなで食べた方が美味しいもん!じゃあ行こ〜!」
みんなは体育館を後にする。
美玲「和君は行かないの?」
和也「俺はいいかな。なんか今日はのんびりしたい気分だから。美玲は行っておいで?」
美玲「ちょっと待っててね!」
美玲も体育館を出て行った。和也は屋上に移動し、日陰に座りぼーっとしている。
???「やっと見つけた〜!」
和也「あっ。美玲、どうしたの?みんなとご飯行ったんじゃないの?」
美玲「ん?みーぱんは最初から和君といる予定だったよ?ちょっと待っててねって言ったじゃん!」
和也「そうだったんだ。置いて行っちゃってごめんね?なら一緒に休憩しよ?」
美玲「うん!あーお腹空いた〜!和君はご飯食べた?」
和也「まだだよ。口の中がまだ変な感じがして食べれなくって」
美玲「あははっ。あれは強烈だったね!でも、なんか喉がいつもと違う感じかするよ!」
和也「ほんと凄い人が来てくれたね」
美玲「うん。生田さんも七瀬さんも私達の為にね。絶対期待に応えなきゃ!」
和也「美玲達なら絶対できるよ。」
美玲「うん!!ありがと!頑張るよ!」
ご飯を食べ終わり美玲とゆっくりする。
美玲「なんか眠たくなってきちゃった〜」
美玲はお腹いっぱいになったせいか、目がうとうとしていた。
和也「時間になったら起こすから寝てていいよ?」
美玲「ありがと・・・スゥー。」
美玲は和也の肩に頭を預けて眠りについた。しばらくして、美玲を起こして体育館に戻る。そして、午後のレッスンが始まった。
生田「午前中はボイストレーニングのやり方を教えたから、午後は腹式呼吸のやり方を教えるね!みんな仰向けで寝てみて!」
生田さんの指示通り仰向けで寝る。
生田「寝ると背中が固定されて、自然に腹式呼吸になるから、鼻で息を吸って感覚を覚えて!」
みんなはしばらく寝ながら呼吸をしている。
生田「それじゃあ起き上がって、鼻からゆっくり息をして、おへその下に息をためていくイメージをしてみて!息を吐く時は口からで、鼻で吸った時よりも、倍の時間をかけるようにゆっくり吐き出すの!とりあえず意識しながら5セットやってみよう!」
みんなは生田さんが言った通り、ゆっくり意識しながら腹式呼吸の練習をして5セットやり終える。
生田「おっけー!じゃあ今の感覚を意識しながら、もう一回歌ってみよ!和也君音楽お願い!」
和也は音楽をかけてみんなは歌い出す。すると、先程とは比べ物にならないぐらい声が出ており響いており、歌っているみんなもびっくりしている。
生田「歌ってみてどうだった?」
京子「全然違った。声が出しやすい!」
明里「いつも出しにくいところも、スムーズに出せました!」
生田「今やったのが基本だからね!毎日欠かさずやろうね!」
『はい!!ありがとうございます!』
そして、しばらく生田さんのレッスンが続いて、部活が終わる時間になる。
白石「はい!今日はここまでね!」
『お疲れ様でした!!』みんなは片付けをして部室に戻り始める。すると、「♪〜」白石先生の電話が鳴った。
白石「もしもし。今学校だよ。えっ!?今日!?うん。わかった。後でね。」
白石先生は電話を切ると困った顔をしていた。
和也「どうかしたんですか?」
白石「ちょっとね。あっ!!そうだ!佐藤君!先生の一生のお願い聞いて!?」
先生からのお願いはとんでもないお願いだった。
部活が終わり家に着いた。
和也「ただいまー!」
母「おかえり!聞いた!?あのミュージカル女優の生田絵梨花がこの町に来ているって噂・・・」
生田「初めまして!生田絵梨花です!」
『えーーー!!!』母さんはびっくりして大声で叫んだ。
〜数十分前〜
白石「一生のお願い聞いて!」
和也「自分に出来ることならいいですけど、どうかしましたか?」
白石「今日から絵梨花が家に泊まる予定だったんだけど、親がこっちに来ちゃって泊まることになっちゃったのよ。だから、今日だけ絵梨花を佐藤君の家に泊めてあげれないかな?」
和也「えっ!?家にですか!?」
白石「だめかな?」
生田「なになに?どうしたの?」
生田さんがこっちにきたので、事情を説明した。
生田「えー!和也君の家に泊まれるの〜?行きたーい!!」
和也「ほんとに家なんかでいいんですか?」
生田「うん!逆に迷惑じゃないかな?」
和也「たぶん母は喜ぶと思うので大丈夫だと思います」
白石「佐藤君ありがと〜!恩にきるよ!」
和也「という流れで家に泊まる事になったから」
生田「よろしくお願いします!」
母「いえ!こちらこそ来ていただいてありがとうございます!ほんとに嬉しいです!」
母は生田さんのファンらしく、いまだに信じられないようだった。
母「そう言えば和也?みんなはまだ来ないの?」
和也「みんな?なんのこと?」
「ピンポーン」インターホンが鳴ったので、玄関を開けると予想をしてない出来事が起きたのであった。