日向高校




























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第11章
合宿最後の夜
合宿最後の練習が終わり、お風呂に入る。和也は外にある露天風呂に入っていた。すると、またメンバーの声が聞こえてくる。
史帆「それにしても鈴ちゃんの胸大きいよね〜!」
鈴花「そうですかね?普通だと思いますけど?」
美玖「なんかちょっと嫌味っぽいな〜!」
彩花「ちょっと触ってみてもいい?」
鈴花「恥ずかしいですよ〜!先輩がいたらどうするんですか〜!」
史帆「和くーん!!いる〜?」
かとしに呼ばれたが、こんな時に返事もできるはずなく、露天風呂を後にした。
お風呂から出て、ご飯までロビーの椅子でゆっくりすることにした。
ひより「先輩!!ひよたんのお願い聞いて下さい!」
和也「ん?どうしたの?」
ひより「今度一緒にカブトムシ取りについてきて下さい!」
和也「えっ?カブトムシ??」
ひより「カブトムシを飼いたいんですけど、みんなに聞いても嫌だって言うんです!」
(虫苦手なんだけどな・・・)
和也「う、うん。いいよ。行こっか?」
誰もいかないとひよりがかわいそうなので、一緒に行くことにした。
ひより「やったぁ〜!ならまた連絡しますね!」
ひよりは部屋に戻って行った。
好花「先輩!やっと見つけた!」
和也「好花どうしたの?」
好花「私の好きな芸人の公演チケットが2枚当たったんです!一緒に行きませんか?」
和也「俺が一緒に行っていいの?」
好花「先輩と一緒がいいんです!」
和也「なら一緒にいっていいかな?」
好花「はい!日程はまた連絡します!」
好花もそう言って部屋に戻って行った。
和也は静かになったので目をつぶっていた。
菜緒「ねぇ、菜緒とはどこも行ってくれないの?」
目を開けると菜緒がいた。
和也「ひよりと好花に聞いたの?」
菜緒「さっき部屋にいたら嬉しそうに話してた。それでどうなの?」
和也「もちろん。どこか出かけようか?」
菜緒「ん〜。和君とゆっくりしたい!」
和也「出かけなくてもいいの?」
菜緒「うん。和君もいっぱい出かけてたら疲れちゃうし、ゆっくり家に居たいな」
和也「そっか。なら1日家でゆっくりしようね?」
菜緒「うん!嬉しい!!」
しばらく菜緒と話してご飯の時間になった。今日は櫻坂さんと一緒に食べることになっている。
和也「んで、なんでこうなってるの?」
和也の周りは日向メンバーばかりだった。
史帆「なんでって、和君はとしちゃん達の監督だから?」
鈴花「目を離すとすぐ誰かにちょっかいだすから?」
陽菜「陽菜の師匠だから?」
和也「鈴花以外は間違ってはないけど」
松村「それじゃいただきまーす!」
『いただきます!』みんなご飯を食べ始める。
史帆「和君、今日は何食べたい?」
和也「何って、同じもの食べてるよ?」
史帆「ん〜、ならこれね!」
かとしは煮物を掴み口に近づける。
和也「えっ!?今日もなの??」
史帆「あーん!!」
和也は周りを確認して素早く食べた。
史帆「美味しい?」
和也「うん。美味しいけどちょっと恥ずかしいかな?」
かとしは何故かご機嫌だった。
陽菜「師匠!陽菜はこれをあげます!」
陽菜は煮物のにんじんを掴むと和也の口に近づける。
和也「にんじんは陽菜が嫌いなだけじゃ・・・」
陽菜「口開けてください!あーん!」
和也は断れずに陽菜が掴んでくれたにんじんを食べた。
陽菜「美味しいですか?」
和也「美味しいけど、好き嫌いなく食べようね?」
陽菜「ふふっ。なら師匠が食べさせてください!」
陽菜が期待を込めた目で見てくる。
和也「わかった。ちゃんと食べるんだよ?」
和也は自分の煮物からにんじんを掴み陽菜の口に近づける。
和也「はい。どうぞ!」
陽菜はにんじんを口に含む。
陽菜「う〜ん。師匠に食べさせてもらってもにんじんは苦手です!」
『陽菜だけずる〜い!』それを見ていた周りのメンバーから声が上がる。
好花「先輩は菜緒と陽菜に甘い!」
明里「そうだそうだ!!」
和也「みんな変わらないって!気のせいだよ」
美穂「なら私にも食べさせてください」
ひより「ひよたんも〜!!」
ひなの「私も食べたいです!」
菜緒「自分の責任だからちゃんと食べさせてあげないとね?」
菜緒は笑いながらこっちを見てくる。
彩花「後輩ばっかり贔屓だ!!」
京子「そうだそうだ!」
久美「私達にも食べさせろ〜!」
潮「久美が珍しいこと言ってる!?」
史帆「え〜!としちゃんだけじゃないの?」
いつもように追い込まれる和也。櫻坂のメンバーは不思議そうにこちらを見ている。
和也「そうだ!せっかくみんなで食べてるんだから、櫻坂さんにダンスの事とか色々聞いてきなよ!」
高瀬「確かに!何の為に一緒に合宿してるか分からんやん!」
愛萌「監督のせいで本来の目的を忘れてました!」
久美「そうだね!よし!みんな色々聞いてこよ!」
みんなは櫻坂のメンバーの所に話に行った。
美玲「うまく誤魔化せたね?」
和也「あははっ。ちょっと強引だったかな?」
美玲「いいんじゃない?でも、みーぱんとデートする時は食べさせてね?」
美玲はそう言うと櫻坂メンバーの所に行った。和也はみんながいない間にご飯を食べ終えて、散歩をしに外に出ていった。
???「先輩〜!!」
靴を履き、玄関を出た所で誰かが呼ぶ声がする。振り向くと美玖が追いかけてきた。
美玖「どこ行くんですか?」
和也「ちょっと散歩をしようかなと思って。美玖はどうしたの?」
美玖「いや〜、合宿中にあんまり話せなかったからと思いまして・・・。散歩をご一緒させてもらってもいいですか?」
和也「いいよ。行こっか?」
美玖「はい!!」
美玖は笑顔になり後をついて来る。
美玖「星が凄いですね〜!」
和也「そうだね!東京にいる頃は全く星見えなかったから、日向町に来た時びっくりしたよ。」
美玖「日向町も星凄いですもんね!先輩は日向町好きですか?」
和也「うん。好きだよ。町の雰囲気も商店街の人も好きなんだ」
美玖「嬉しいです!私も日向町が大好きなんです!」
美玖は和也が日向町を好きと言ってくれて嬉しかった。
美玖「そういえば、その・・・」
和也「ん?どうかした?」
美玖「先輩夏休み暇だったりするのかな〜と思いまして」
和也「夏休み長いし暇だよ?」
美玖「ほんとですか??なら、あの〜、私と遊びに行ったりとかは・・・?」
和也「うん、いいよ。時間がある時に出かけよっか?」
美玖「ほんとですか!嬉しいです!ありがとうございます!指切りしましょ?」
和也「うん。はい!」
和也と美玖は指切りをした。
和也「そろそろ戻ろっか?」
美玖は頷いて2人はみんなの元に戻る。指切りした指はまだ繋いだままだった。

しゃもじ ( 2021/05/19(水) 16:50 )