日向高校




























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第11章
合宿1日目の午後
お昼ご飯を食べて休憩時間になる。
(和也は旅館の周りをうろうろしていた。(どこか静かな所ないかな)
そして、大きな木を見つけて、その木陰の芝に寝っ転がった。少しすると誰かに声をかけられる。
???「隣座ってもいいですか?」
和也は瞑っていた目を開けると、田村さんが立っていた。
和也「はい。いいですよ。」
田村さんはほんわりした笑顔で和也の横に座り、和也も起き上がり座った。
保乃「さっきはひーちゃんを見つけてくれて、ありがとうございました。」
和也「全然いいですよ!事前に顧問から、櫻坂さんもフォローしてほしいと頼まれてたので」
保乃「そうですか。なら合宿中はお願いします!」
和也「はい。出来ることなら協力します。田村さんも体調気をつけてね。今日は特に暑いし」
保乃「はい!ありがとうございます。あと、保乃でいいですよ?私の方が年下ですし!」
和也「なら保乃って呼ばせてもらうね。俺も下の名前で呼んでいいからね?」
保乃「なら和也君にしますね!和也君はみんなと仲いいんですね?さっきもにぎわってましたし」
和也「うん。みんな優しいから仲良くしてくれるんだ。みんなは俺にとってはお日様なんだ。でも、さっきのは何故か知らないけど怒られてたんだけどね」
和也は優しい笑顔で笑った。
保乃「怒られてたんですね?何かしたんですか?」
和也「分からないんだよね〜!俺何かしたのかな?」
保乃「保乃はそこにいなかったから分からないですよ〜!」
和也「そっか!それもそうだね!」
2人は笑いあっていた。休憩が終わり、午後からは体育館でレッスンをする。体育館に移動したが、窓を開けてもとても暑かった。
白石「こまめに水分補給をして、熱中症には気をつけてね!」
『はい!!』1日目のレッスンは各校で練習してするようにした。2日目にお互いのパフォーマンスをみてもらい、気付いた所を教えてもらい改善して行くことになった。客観的に見てもらうことがないので、お互いにとってもメリットがでかい。しばらく練習しているが暑いせいか、なかなか集中出来ていない。
白石「暑いけど集中力切らさないで!ダンスは1人でも遅れると目立つからね!」
「はい!!」メンバーはもうすぐ夏祭りのライブがあるので、今まで以上に頑張っている。ただ、菜緒の様子が少し気になる。
和也「菜緒大丈夫?少し顔色悪いように見えるけど。」
菜緒「大丈夫だよ!ちょっと暑いから少し疲れてるだけだから。」
菜緒はそう答えた。和也は不安だったが菜緒の言葉を信じることにした。
暑いせいで、ドリンクの消費量が多いので、2校のドリンクを作りに旅館に戻った。ドリンクを作り終えて体育館に戻ると事態は一変する。
『菜緒!!』菜緒が座り込んでしまった。和也は走って菜緒の元に向かう。
白石「軽い熱中症かもね。佐藤くん。菜緒さんを旅館まで運んでもらえる?みんなは、少し休憩してて?」
和也は菜緒をおんぶして旅館に運んだ。和也の部屋に布団を敷いて、菜緒を寝かせた。和也が応急処置をする。和也は監督になってから時間がある時に、熱中症などの応急処置の方法や、テーピングの巻き方などを勉強していたのだ。
白石「佐藤君ありがと。私は体育館に戻るから、菜緒さんのことお願いしていいかな?」
和也「わかりました!みんなのことお願いします。」
白石先生は体育館に行き、和也は菜緒の手を握って看病をしていた。1時間ほどが経って菜緒が目を覚ました。
菜緒「和君?」
和也「目が覚めたんだね。軽い熱中症だったよ。」
菜緒「そうなんだ。ずっと側にいてくれたの?」
和也「何かあったら看病するって約束したでしょ?」
菜緒「側にいてくれてありがと。」
そう言うと菜緒は起き上がる。
和也「まだ寝てないとダメだよ?」
菜緒「もう大丈夫。休んだら楽になったよ。」
和也「でも・・・」
菜緒「お願い行かせて?練習は出来ないかもしれないけど、みんなといたいから。」
和也「わかった。絶対無理しないでね?」
菜緒「ありがとう和君。1つお願いしていいかな?」
和也「うんいいよ。どうした?」
菜緒「チューして?」
和也は菜緒のお願いに応え、菜緒にキスをした。
菜緒「元気でた。行こ?」
菜緒と一緒に体育館に向かった。練習はちょうど休憩中だった。
「菜緒!!」メンバーが菜緒に気づいて向かってくる。
史帆「こしゃ大丈夫?」
美玲「菜緒寝てなくていいの?」
菜緒「だいぶ楽になりました。心配かけてすみません。」
和也「菜緒がみんなと居たいみたいだから。」
久美「ならこさかなは、白石先生とダンスを見て、問題があるところがあれば指摘してくれるかな?」
菜緒「はい!わかりました!」
白石「佐藤君ありがと。でも、なんであんなに手際良く応急処置できたの?」
和也「みんなの監督になって、何か出来ることないかを考えてたら、サポートすることしか思い浮かばなくて。何かあった時に助けてあげれるように、時間がある時に色々勉強したんです。」
白石「そうなのね?さすが私の教え子ね!」
白石先生が和也の頭を撫でる。
史帆「さすが和君!!としちゃんのために頑張ってくれたんだね!」
和也「かとしのためというか、みんなとためというか。」
京子「史帆は監督を独り占めしすぎ!」
美穂「そうですよ!みんなの監督ですよ〜!」
陽菜「師匠!私も師匠に応急処置されたいです!」
和也「陽菜が体調悪くなったらね?」
彩花「かわださんに優しい!」
『贔屓だ!!』みんなに責められる和也。横で菜緒は笑っていた。それを見ていた櫻坂のメンバーは
由依「体調悪かった子も大丈夫そうね!」
友香「なにもなくてよかったね!」
理佐「でもなんであんなに楽しそうに揉めてるんだろう?」
葵「なんか監督さんがいつも責められてるように見えるね?」
保乃とひかるはその姿を見て笑っていた。
保乃「和也君はすごい人だね?」
ひかる「うん。和也君こっちの監督もしてくれないかな〜?てか、いつの間に保乃も和也君って呼んでるの?」
保乃「まぁ色々ありまして!」
櫻坂のメンバーも少しずつ和也の魅力に気づいて行くのであった。

しゃもじ ( 2021/05/16(日) 07:20 )