田村さんからひかるが居なくなったと聞いて、マラソンコースを探す和也。
和也「ひかるー！どこー？」
叫びながら探すが返事がない。ひかるとすれ違った所まで戻ったがひかるは居なかった。来た道を戻り、次は森の中を見ながら走る。すると、森の中で人影が見えた。和也は森の中に入るとひかるが座り込んでいた。
和也「ひかる！！どうしたの？怪我した？」
ひかる「あっ、和也君。怪我はしてないです。足をつっちゃいました。」
和也「なんでこんなところにいるの？
ひかる「走ってたら猫の鳴き声が聞こえて、立ち止まって森の中を見たら、木から降りれなくなった猫がいたんです。その猫を助けようと思って、何回もジャンプをしてたら足をつっちゃって。」
和也「その猫は助けれた？」
ひかる「はい！助けたというより、最後は勇気を出して、自分から降りて行きました！」
和也「そっか。猫もひかるも何もなくてよかったよ。ひかるは優しい子だね！」
和也はそう言ってひかるの頭を撫でた。
ひかるは産まれて初めて異性に頭を撫でられたので、恥ずかしさと嬉しさのあまり顔が真っ赤になった。
和也「足は大丈夫？歩ける？」
ひかる「まだ少し痛いですけど、大丈夫だと思います。」
和也「ん〜昼からも練習あるから、無理はさせれないな。」
和也はひかるに背中を向けてしゃがんだ。
ひかる「えっ？どうしたんですか？」
和也「おんぶするよ。足がまだ痛いだろうし、無理はさせれないよ。」
ひかる「えっ？でも・・・。そんな迷惑ですし、歩けますよ？」
和也「迷惑じゃないから大丈夫だよ？白石先生からも櫻坂の子のこと頼まれてるから。」
ひかる「でも、和也君もここまで来て疲れてるだろうし、それに・・・」
和也「それにどうした？」
ひかる「重いって思われたらやだなぁ〜。」
和也「あははっ。大丈夫だよ！そんなこと思わないから！」
ひかる「笑い事じゃないです〜！女の子は気にするんです！」
ひかるは口を膨らませて怒っている。
和也「ごめんごめん！それじゃ行くよ」
和也は無理矢理ひかるを背中に乗せた。
ひかる「あっ！ちょっと！」
和也はひかるを背負って立ち上がり歩きはじめた。
ひかる「重くないですか？」
和也「全然大丈夫だよ！むしろ軽いぐらいだよ！」
ひかる「ありがとうございます。」
和也「いえいえ。昼からも頑張ろうね！」
ひかる「はい！頑張ります！」
後ろにいて顔は見えなかったが、ひかるは笑ってくれている気がした。
和也はひかるをおんぶしたまま旅館に戻った。「ひかる！」櫻坂の子が心配して駆け寄ってくる。
和也「ちょっと足をつっちゃったみたい。」
？？？「すみません。ありがとうございます。」
和也「大丈夫ですよ！怪我がなくてよかったです。えっと〜。」
友香「あっ、申し遅れて申し訳ございません。私、櫻坂女学院、アイドル部のチャプテンの菅井友香です。」
（今チャプチェって言わなかったかな？）
和也「日向高校アイドル部の監督をしてます佐藤和也です。よろしくお願いします。」
？？？「ゆっかー今絶対チャプチェって言ってたよ。あっ、私は小林由依です。ひかるを助けてくれてありがと。」
和也「いえ、また何かあったらなんでも言ってください。」
和也はそう言ってみんなの元に戻った。
久美「あの子大丈夫だった？」
和也「うん。足をつっただけだって。」
史帆「和君お疲れ様。怪我してなくてよかったよ〜。」
美玲「さすが和君だね！やっぱヒーローだ！」
和也はぽけーっとしていた。
菜緒「そんな顔してどうしたの？」
和也「いや、また怒られるのかと思って。」
菜緒「なんで怒られるの？和君は人助けをしたんだから、怒られるわけないでしょ？」
鈴花「先輩もしかして、怒られるようなことしてないでしょうね？」
みんな一斉に和也を睨む。
和也「ないない！そんなことないよ！ただおんぶしてここまで連れてきただけだよ！」
京子「冗談だって！監督がいきなり他校の子にそんなことするわけないもんね！」
和也「びっくりさせないでよ。ところでみんな体調は大丈夫？怪我とか体調悪くなった人は居ない？」
『大丈夫でーす！！』みんなは普段から走っているので、多少のことは大丈夫そうだ。
松村「佐藤君！森田さんのことありがとうね〜！」
松村さんが和也に抱きついてお礼を言う。
白石「あっこら松村！私の佐藤君に手を出すな！」
久美「私のってのもおかしいような・・・」
史帆「それより和君。今抱きつかれて嬉しそうな顔していなかった？」
彩花「してたしてた。」
美玖「先輩そんな人だったんですか？」
和也「えっ、なんのこと？なんでいきなり怒られてるの？」
史帆「もー和君はほかっとくとすぐこれなんだから〜！」
東村「にゃー！！！」
陽菜「師匠は私が監視しなければ！」
ひより「ひよたんも監視する〜！」
美穂「この2人じゃ心配だから私も！」
明里「なんか面白そうだから明里〜！」
愛萌「先輩！セクシーさなら私も負けませんよ〜！」
好花「愛萌！監督を誘惑するな〜！」
潮「どこにいてもこうなるんだね。」
高瀬「そうだね〜佐藤君も大変だね！」
どこに居ても変わらない日向メンバー。
その姿を見ていた櫻坂のメンバーは
保乃「なんか凄いにぎわってるな！」
友香「なんか楽しそうですね！」
ひかる「たぶんあの人のお陰ですよ？和也君がみんなの中心になってくれてるんだと思います。」
由依「ひかる。いつの間に名前で呼ぶようになったの？？」
ひかる「あっ。ちょっと色々ありまして〜！」
井上「森田どう言うこと！？いつの間に仲良くなったの！？」
夏鈴「なんか心配して損したわ〜！」
櫻坂も櫻坂で和也の話題で揉めていたのであった。