日向高校




























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第9章
初めてのパンダ
陽菜とパンダを見るために、東京の動物園に向かう和也。
東京について、最寄駅まで来た。
陽菜「午前中なのに人多いですね〜。目が回りそうです。」
和也「そうだね。はぐれないように気をつけてね。」
陽菜が手を繋いできた。
陽菜「これで大丈夫です!師匠はぐれないでくださいね?」
陽菜の笑顔に釣られて笑顔になる。
和也「じゃあ行こうか。」
動物園は最寄駅から徒歩5分なのですぐについた。動物園の入り口に着くと陽菜に異変が起きる。
陽菜「和君どうしましょう!もうすぐパンダに会えます!わぁー!」
(テンションが上がりすぎて、師匠じゃなくて和君になってるよ。)
和也「ちょっとだけ落ち着こうか。」
陽菜「こんな時まで冷静なんてさすが師匠です!」
(あっ、また師匠に戻った。)
和也「とりあえずチケット買いに行こうか?」
陽菜「はい!」
チケットを買って動物園の中に入る。
和也「先にパンダを見に行く?」
陽菜「いえ、先に行くと、そこから離れたくなくなっちゃうので、他の動物を先に見たいです!」
和也「そっか!なら行こうか。」
陽菜と動物園を周り始める。
陽菜「師匠!白いクマです!パンダみたいですね!」
陽菜「師匠!次は黒っぽいクマです!ボールで遊んでます!」
陽菜が子どもの様にはしゃいでいる。
陽菜「カワウソがいました!可愛い〜!あっ!あっちに大きいゾウさんがいます!」
次の動物を見に行くと、陽菜が腕にギュッと抱きついてくる。
和也「どうしたの?」
陽菜「あの大きなトラは怖いです!」
和也「あははっ。なら次に行こうか」
ある程度の動物を見たので、いよいよパンダを見に行く。
近づくにつれて、繋いでいた手に力が入る陽菜。
陽菜「きゃあ〜!パンダ!!」
初めてのパンダとご対面した。
陽菜「可愛い!和君みて!あそこでごろんってしてるよ!」
和也「あそこのパンダは木に登ってるね!」
陽菜「ほんとだ〜!可愛い!」
スマホを取り出して、写真を撮りまくっている。
和也「あっ、パンダの餌やりの時間みたいだね!」
陽菜「ほんとだ!美味しそうに笹を食べてる。陽菜も食べたいなぁ〜!」
和也「それは流石にやばいって!」
パンダは餌を食べ終わると寝始めた。
和也「俺たちもご飯食べに行く?」
陽菜「はい!お腹空きました!食べ終わったらまた来ていいですか?」
和也は頷き、昼食を食べにフードコーナーに行く。店に入り注文をする。
和也「どれにする?」
陽菜「えっとですね〜。あっ!これにします!」
和也「えっ?これでいいの?」
陽菜「はい!これがいいです!」
陽菜が選んだのはキッズカレーランチだった。
和也「それでいいならいいけど」
ご飯を食べている時も、パンダの話で持ちきりだった。
陽菜「パンダ可愛かったです。将来パンダを飼いたいのですが、どうしたらいいでしょう?」
真剣に聞いてくる陽菜が可愛く思えた。
和也「飼い方はわからないな〜。」
陽菜「師匠でもわからないことあるんですね?」
和也「いっぱいあるよ!今日、唯一分かったのは、陽菜はテンションが上がると、師匠じゃなくて和君って呼ぶことかな?」
陽菜は口を押さえて慌てだした。
陽菜「すみません。すみません。あぁダメだ〜。弟子失格です。」
和也「あはは、謝ることじゃないからいいよ。陽菜が呼びやすい方で呼びな?」
陽菜「・・・です。」
陽菜の声が小さくて聞き取れなかった。
和也「ごめん。聞こえなかった。」
和也は陽菜に耳を傾けてる。
陽菜「和君って呼びたいです。」
和也「いいよ。」
陽菜「うれしいです。あっ、でも学校ではちゃんと師匠と呼ぶので。学校以外では和君にします。」
和也「うん。わかった。」
お昼ご飯を食べて、またパンダを見に行った。しばらくパンダを見ていたが、帰る時間もあるので、早めに動物園を出ることにした。パンダと離れる時に、陽菜は泣きそうな顔をしていたので、「また来ようね」と言ったら笑顔になってくれた。
和也「ごめん。帰る前にトイレに行ってきていい?」
陽菜「はい!ここで待っています。」
しかし、トイレから帰ってくると陽菜の姿がなかった。

しゃもじ ( 2021/05/09(日) 21:10 )