日向高校




























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第9章
メンバーの絆
5限目が終わるチャイムがなり、教室に戻ることにする。
菜緒「一緒にいてくれてありがと。嬉しかった。」
和也「あのまま菜緒を1人には出来ないから。体調悪いって言ってあるから合わしといてね?それじゃまた部活でね!」
菜緒と別れて、教室に戻る。
潮「佐藤君体調は大丈夫?」
和也「大丈夫だよ。ありがとう。」
授業が終わり、掃除をして部活時間になる。渡邊さんは今日はバスケ部なのでいない。渡邊さん以外のメンバーが集まったので、昼に白石先生が言っていたことを伝える。
和也「大事な報告があります。」
鈴花「先輩が告られたとか?」
史帆「えっ?うそ?やだぁ〜」
和也「違うよ。地域の夏祭りで公演をしてほしいと依頼があり、引き受けました。」
「・・・」部室が静かになった。
和也「あの〜」
美玲「和君ほんとに!?」
和也「えっ。あっはい。」
史帆「嘘。あの伝統あるお祭りに?」
どうやら日向町では伝統の祭らしい。
久美「初めての公演。」
丹生「緊張してきました〜。」
和也「体育祭が終わって、今日から部活再開なので、これからハードになると思うけど頑張ろうね。」
『はい!』みんなの気合いが入る。和也は渡邊さんのことが気になっていた。
美玲「和君どうしたの?」
和也「ちょっとね。後で相談乗ってもらってもいいかな?」
美玲「和君が相談なんて珍しいね?」
和也「うん。部活終わったらお願い。」
美玲「いいよ。頼ってくれて嬉しいから。」
すると、白石先生が部室に入ってきた。
白石「監督から聞いたと思うけど、夏祭り頑張ろうね。予定は3曲やります。体育祭で部活出来なかった分、今日からみっちりやるからね!」
『はい!お願いします。』
みんなは体力を戻すためにランニングでる。その間に、和也は白石先生とこれからについて話していた。
和也「夏祭りはいつなんですか?」
白石「8月の1週目の土曜日よ。ちょうど夏休みの時ね。」
和也「そうですか。夏祭りに入ったら合宿ってできますかね?」
白石「校長先生に掛け合ってみるわ。地域の夏祭り為だから、大丈夫だと思うけど。」
2人で黙々と練習メニューを考える。
白石「あとは、美穂さんね。彼女はバスケ部と掛け持ちだから、圧倒的に練習量に差が出る。そこをいかにカバーできるか。」
和也「そのことは僕に任せてくれませんか?」
白石「何か考えでもあるの?」
和也「考えってほどではないですが、監督としてサポートしてあげたいんです。」
白石「わかった。佐藤君にお願いするわね。」
白石先生と話していると、みんながランニングから帰ってきた。体育館に移動して白石先生のレッスンを受ける。そして、部活時間が終わった。
『お疲れ様でした!』みんなが部室に戻る中、美玲が和也の元に来る。
美玲「それでお願いごとって?」
和也「もうすぐ来るはずだから。」
美穂「遅れました。あれ?みーぱんさんどうしたんですか?」
和也「俺が頼んだんだ。」
美玲「なるほどね。さすが和君だね!」
美玲はすぐに理解してくれた。和也は渡邊さんに夏祭りのことを話し、美玲が渡邊さんに披露する曲のフリを教えてくれた。
美穂「みーぱんさん部活で疲れているのにすみません。」
美玲「疲れてるのは美穂も一緒でしょ?でも、これはフリはわかるけど、全体の動きはわからないよね。」
和也「あっ。そっか。移動しながら踊るもんね。どうしよう。」
「3人でなにしてるの??」
体育館の入り口で声がしたので、振り向くとメンバー全員いた。
和也「なんで?」
久美「なんではこっちのセリフ。なんで相談してくれなかったの?」
史帆「みずくさいぞ〜!!」
菜緒「何かあったら相談するって約束したやん。もう破ってる。」
高瀬「監督らしいっちゃらしいよね!」
鈴花「みーぱんさん。監督の口にいっぱいパンを詰めてください。」
和也「みんなどうして?」
潮「久美が監督とみーぱんがいないから、戻ろうって。」
彩花「美穂のためだよね?私達も協力するよ?」
東村「美穂、一緒頑張ろ?」
美穂「みんな・・・ありがとうございます。」
好花「言っときますけど、監督が約束を破ったのは、許してないですからね?」
陽菜「師匠なのに一番弟子に相談しないのは許せないです!」
濱岸「ひよたんも許しません〜!」
上村「私も微力ながら協力させてもらいます!」
美玖「みんな美穂が好きだから、美穂はいつでも頼っていいんだよ?」
丹生「一緒に頑張ろう!」
美穂「うん!」
渡邊さんは美玖と丹生さんに抱きついて泣いた。
久美「泣いている暇はないよ!よし!みんなやろ!」
『おーっ!!』「監督の曲お願い!」
和也「わかった。じゃあ行くよ?」
和也は曲を流すと、白石先生が戻ってきた。
白石「全く。もう下校時間なのに。」
和也「すみません。渡邊さんに出来るのが、こんなことしか思いつかなくて。」
白石「下校時間のことは私がなんとかするわ。」
和也「すみません。ありがとうございます。」
白石「いいグループになりそうね。」
和也「はい。僕はこのグループが大好きです。」
踊っているメンバーを見ながら、和也は改めて思うのであった。

しゃもじ ( 2021/05/09(日) 01:00 )