日向高校




























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サイドストーリー
好花の誕生日
鈴花「先輩に頼み事があります!!」
ある日、勢いよく和也に話しかける鈴花。
その表情はいつになく真剣だった。

和也「ど、どうしたの?」
鈴花の勢いに少し圧倒されてしまう。
鈴花「今週の土曜日何してますか?」
和也「今週の土曜…特になにもしてないけど…」
鈴花「ほんとですか!?なら、デートして下さい!」
和也「デート…?」
鈴花「はい!デートです!」
鈴花は和也にデートの申し出をした。

和也「うん、いいよ。鈴花と出かけることあんまりないから楽しみだね?」
鈴花「あの…私じゃないんです…」
鈴花は少し残念そうな顔をする。

和也「鈴花じゃないの?じゃあ俺は誰とデートするの?」
鈴花「このちゃんです!」
和也「このちゃん?好花ってこと?」
鈴花「はい!好花ちゃん、その日誕生日なんです!だから、先輩にお祝いして欲しくて!」
和也「確かにその日は好花の誕生日だけど、俺でいいのかな?みんなもお祝いしたいんじゃ?」
鈴花「私達は違う日にお祝いするので!それに、先輩とお出かけするのが、アイドル部にとって1番のプレゼントなんです」
和也「そ、そうなんだ。なんか、恥ずかしいな」
和也は少し照れ臭くなる。

鈴花「このちゃんには当日まで内緒にしたいので、言わないで下さいね?」
和也「うん、わかった」
鈴花「それと…今度、私ともデートしてくださいね?」
鈴花はそう言って立ち去っていった。


そして、好花の誕生日当日。和也は鈴花に言われた時間に駅に向かった。
駅に着くと好花が待っていた。
和也がいる方向と逆向きで待っている好花に近寄り話しかけようとすると、「もう!鈴、遅いで!」と好花が振り返った。

和也「ごめん。鈴花に言われた時間に来たんだけど…」
好花「先輩!?どうしてここに!?」
鈴花だと思って話しかけたが、和也だったので、びっくりした表情をする。

和也「鈴花に言われたんだ。それで来たんだけど」
好花「鈴がですか?もしかして…」
好花はバックからスマホを取り出す。

(なんか鈴花の誕生日の時も同じ事があったような…)
鈴花の誕生日の時に好花も同じような事をしていた気がした。

好花「やっぱり!!」
和也「やっぱりってなにが?」
好花「これ見てください!」
好花がスマホを見せる。そこには鈴花から、「先輩とお楽しみに〜!」とメッセージが来ていた。

和也「ふふっ、鈴花らしいね」
好花「あれ?先輩は驚かないですね?知ってたんですか?」
和也「鈴花からこのちゃんとデートして下さいって言われてたからね?」
好花「もうっ!デートって…」
好花は照れながら俯いた。

和也「とりあえず時間ないからいこっか?」
和也は好花の手を握って駅のホームに向かった。

好花「どこいくんですか?」
和也「まだ内緒。それより、デートの時は敬語使わないんでしょ?」
好花「えっ…?」
和也「修学旅行の時にそう決めたじゃん?だからね?」
好花「うんっ!!」
好花はニコッと笑って頷いた。

そして、少し移動をして目的地に着いた。
和也「ここだよ?」
好花「ここ凄く来てみたかった所だ!」
和也「抹茶フェアをしてるみたいだね?今日は思う存分食べよ?」
好花「うんっ!早く入ろ!」
鈴花は和也の腕を掴んで店の中に入っていった。

好花「抹茶ティラミスに、抹茶プリンでしょ…」
抹茶フェアの中で好花が食べたいものを選んでいく。

好花「いただきまーす!」
注文した品が運ばれて、好花がご機嫌になっている。

好花「先輩…じゃなくて和くんは誰が食べたい?」
和也「ん〜、これかな?」
和也は抹茶プリンを指で指した。
好花「これかぁ〜!ええやん!じゃあ、あーん!」
好花がプリンをスプーンですくって、和也の口元に近づけた。

和也は周りの目線が気になったが、好花の誕生日なので、照れながらプリンを食べた。

好花「どう?美味しい?」
和也「うん!美味しい!好花も食べてみ?」
好花「うんっ!あーん!」
好花は小さく口を開けて待っている。
和也は抹茶プリンをスプーンですくって、好花の口の中に入れた。

好花「美味しい!和くんが食べさせてくれたおかげやね?」
和也「ふふっ、なら良かったよ。他のも食べよ?」
2人は頼んだ品を食べて店を後にした。

その後、雑貨屋や好花が行きたがっている所をまわった。

好花「あーあ、もうデート終わっちゃった…」
帰り道、好花が寂しそうに呟く。
和也「時間過ぎるの早かったね。楽しかった?」
好花「うんっ!こういう何気ないデートが好きなんだ!カップルみたいな感じやもん!」
和也「確かにカップルの休日っぽかったね?」
好花「そうなんだよね〜!なんか寂しくなってきた…」
好花の目から涙が溢れた。

和也「えっ、どうしたの?大丈夫?」
ハンカチを取り出して涙を拭く。
好花「なんでもないです…最近涙腺がおかしいから…」
号泣する好花を見て、和也はテンパってしまう。

「そうだ!」和也は何かを思い出して、鞄から取り出す。
和也「これ、誕生日プレゼント。これで泣き止んで?」
泣きじゃくる好花に和也はプレゼントを渡した。

好花「ぐずん…嬉しい…」
更に号泣する好花。プレゼントを渡せば泣き止むと思ったが逆効果だったみたいだ。

好花「和くん…ありがと…」
抱きつく好花の頭を撫でた。
好花「幸せだな…」
この後もしばらく好花は泣き止まなかったのであった。

■筆者メッセージ
すみません!
寝落ちしました!
しゃもじ ( 2022/04/28(木) 05:31 )