日向高校




























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サイドストーリー
愛奈の誕生日
この日、和也は悩んでいた。1人じゃどうしても解決できなかったので、紗理菜に相談した。
紗理菜「えっ?まなふぃを?」
和也「シーッ!声が大きいよ!」
紗理菜「あっ!ごめんね!びっくりしちゃって!それで、どう誘えばいいかわからないの?」
和也「うん。もうすぐ誕生日でしょ?いつもお世話になってるからお礼がしたくって。ミュージカルが好きって聞いたから、チケット買ったんだけど、どう渡せばいいかな?」
和也は紗理菜にチケットを見せた。
紗理菜「今年のまなふぃの誕生日は祝日だからちょうどいいね!」
和也「うん。でも、誕生日に俺が誘っても来てくれるかわからないからさ」
紗理菜「たぶん来てくれると思うけどなぁ〜。なら、私が誘ってみようか?」
和也「いいの?そうしてくれると助かるよ」
紗理菜「うん!なら、まなふぃの誕生日の日に駅で待ち合わせでいいかな?」
和也「うん。よろしくお願いします」

誕生日当日。和也は約束の時間より早く駅に向かった。
すると、駅にはもう愛奈が待っていた。
和也「愛奈、おはよう」
愛奈「あれ?佐藤くん?おはよ。どうしてここにおるん?」
和也「紗理菜に頼んで、愛奈を誘ってもらったんだ」
愛奈「そうなん?なら、なっちょは来ないの?」
和也「うん。誕生日なのにごめんね」
愛奈「全然いいよ!てか、誕生日覚えててくれたん?」
和也「うん。メンバーの誕生日は全員覚えてる。日頃お世話になってるからお礼がしたかったんだ」
愛奈「お礼なんていいのに!でも、ありがとぉ」
和也「うん。それで、今日はここに行こうと思ってるんだ」
和也はミュージカルのチケットを見せた。
愛奈「えぇー!!これめっちゃ観に行きたかったミュージカルやん!」
和也「そうなんだ。なら、よかったよ。なら、もうすぐ電車来るし行こっか」
愛奈「佐藤くんとのデート楽しみやなぁ〜」
そう言って愛奈は後ろをついてきた。

愛奈「なぁ、なんで私がミュージカル好きって知ってたの?」
電車に乗って、愛奈が質問してきた。
和也「みんなに聞いた。誕生日だから、好きなことをしてあげたくってさ」
愛奈「そうなんや!みんなに聞いたってことは、今日のことみんな知ってるん?」
和也「たぶん知ってるんじゃないかな?」
愛奈「なら、明日は質問攻めに合いそうやなぁ〜」
愛奈の顔は少し嬉しそうな感じだった。

電車を降りて、バスで劇場に向かう。
愛奈「やばい!楽しみで心臓がバクバクしてきたわ」
和也「俺も。ミュージカルって初めてだからさ」
愛奈「そうなん?絶対ハマると思うで?」
バスの中で愛奈がミュージカルについて話してくれた。

劇場に着いて、指定の席に座り、そして、ミュージカルが開演した。
ミュージカルの内容は恋愛もので、切ないシーンなどが含まれており、感動する物語だった。
物語が進んでいくと、隣から鼻をすする音が聞こえた。
隣を見ると、愛奈が泣いていたのでポケットからハンカチを出して、愛奈に渡した。
愛奈「ありがと…」
愛奈は小声で呟いて、ハンカチを手に取った。
ミュージカルが終わり、劇場を後にする。
劇場を出た後の愛奈は普段とは違い、テンションがものすごく上がっていた。
愛奈「感動したわぁ〜!ずっと涙が止まらんかった」
和也「確かにずっと泣いてたね」
愛奈「あっ、ハンカチありがと!洗って返すね!」
和也「そんなわざわざいいよ」
愛奈「いいの!お礼にそれぐらいさせて?」
和也「うーん。なんかありがと」
愛奈「こちらこそありがと!なんか、いっぱい泣いたらお腹すいたなぁ〜」
和也「なら、ご飯食べに行こっか。この近くにお店あったはずだから」
和也はお店に向かって歩き出す。
愛奈「佐藤くん、ここ来たの初めてやないの?」
和也「初めてだよ?昨日、調べておいたんだ」
愛奈「これはみんなが好きになる理由もわかるわ…」
和也「んっ?なんか言った?」
愛奈「なんもないよ!どこいくん?」
和也「たぶん愛奈が好きな物だよ。あっ、あった!ここ!」
愛奈「おぉ〜!お好み焼きやん!」
和也「やっぱ大阪の人って言ったら粉物でしょ?」
愛奈「まぁ、間違ってはないな」
和也「でしょ?なら、中に入ろっか」
2人はお店に入って、絶品のお好み焼きを食べて、日向町に帰った。

愛奈「今日はありがと!めっちゃ楽しかった!」
和也「よかった。俺もいつも助けてくれてありがとう」
愛奈「幸せな誕生日やったなぁ〜!考えてみたら、誕生日に男の人と会ったの佐藤くんが初めてかも」
和也「そうなんだ。貴重な初めてなのにごめんね?」
愛奈「ううん、初めてが佐藤くんでよかったよ!ありがとう」
そう言って、愛奈は手を握ってきた。
愛奈の顔は真っ赤になっており、その後は一言もしゃべらなかった。
愛奈「送ってくれてありがと!なら、また明日ね!」
和也「うん。こちらこそありがとう。また明日学校で」
愛奈は家の門を開けようとしたが振り返り、和也に抱きついた。
愛奈「一度こうしてみたかったんよ」
和也は抱きついてきた愛奈の頭を撫でた。
愛奈「よしっ!今度こそバイバイ!」
そう言って愛奈は家の中に入っていった。

翌日の学校で、予想通りみんなから質問攻めにあっていたが、愛奈の顔は嬉しそうだった。

■筆者メッセージ
誕生日ですね!
本編より先にこっちを作ることになってしまいました!笑
しゃもじ ( 2021/09/20(月) 10:30 )