日向高校




























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第7章
ラーメン巡り
金曜日の放課後。学年で練習をしていた。練習も順調に進んでおり、リレーのバトンの受け渡しもスムーズに出来ていた。休憩になり、和也は木陰で休んでいると齋藤さんが来た。
京子「監督。明日ラーメン巡りね?」
和也「いいよ。齋藤さんにはお世話になったしね。」
京子「楽しみだなぁ〜!でも、チゲ味噌ラーメンが1番なんだよね〜」
和也「チゲ味噌ラーメン??」
京子「知らないの??それやばいよ。」
和也「そうなの?明日食べれるかな?」
京子「チゲ味噌ラーメンは、冬限定なんだよね。冬になったら連れてってあげる。」
和也「ありがと。楽しみにしてる。」
休憩が終わり、練習を再開する。

翌日、駅で齋藤さんと合流した。
電車に乗ってラーメン博物館を目指す。
和也「ラーメン博物館なんてあるんだね。」
京子「私も最近知ったんだけど、少し遠くて1人じゃ行けなかったの。」
和也「ならちょうど良かったね。」
京子「うん。ちょうど監督が落ち込んでたからね。」
齋藤さんが笑う。
和也「齋藤さんが居てくれて助かったよ。ありがと。」
京子「ん〜。なんか齋藤さんはやだな。学校に齋藤多いし。」
和也「あははっ。齋藤と佐々木は多いね。どうしよう?」
京子「なら〜きょんこにょう」
和也「・・・。きょんこにょう?」
和也はポカーンとしていた。すると、齋藤さんが焦りだす。
京子「待った待った!!今のなし!なんかちょっとやだ!普通に京子でいいよ。」
和也「なら京子って呼ぶね。俺も佐藤って名字多いから、下の名前でいいよ?」
京子「なら和って呼ぶよ。」
ラーメン博物館まで遠かったが、京子と話していたら、あっという間に着いた。
京子「やばーい!めっちゃいい匂い!」
珍しくテンションが高い京子。
京子「和!早く行こうよ〜!」
和也の手を握り、笑顔で走りだす京子。その姿は圧倒的な彼女感を感じる。入り口でパンフレットをもらい、どこに行くか決める。1軒目を決めて店に向かったが、あまりに人が多く、手を繋いで居てもはぐれそうになる。すると、京子が手を離して、腕を絡めた。
京子「はぐれそうになるから・・・」
顔は少し赤く、いつもと違う京子がいた。店に着いたが人が多く並んでいる。20分ほど並んで店内に入った。
京子「醤油のいい匂〜い!」
1件目に行った店は、醤油ラーメンが有名らしく、店の中は醤油のいい匂いが広がっていた。
和也「この匂いを嗅ぐとめっちゃお腹空くね。」
ラーメンを注文して、5分ほどしたら注文したラーメンが来た。ラーメンは王道中の王道。透き通ったスープに細麺。具材もメンマとチャーシューのみのシンプル。「いただきます!!」2人はテンションが上がり、「ズルッズルッ」ラーメンを一口食べる。
京子「やばーい!!美味しすぎ!」
和也「うん!美味しい!こんな美味しい醤油ラーメン初めて!」
2人はさらにテンションが上がった。あまりの美味しさにすぐ食べ終わってしまった。食べ終えた2人は、次の店を探す為にパンフレットを見る。
京子「ここどう?」
和也「ここどうかな?」
2人は同時に顔を上げる。すると、お互いの顔がすぐ近くにあった。数秒だが時が止まったように感じた。
和也「あっ。ごめん。」
京子「私もごめん。」
顔を離して謝る2人。お互い顔が少し赤くなっていた。パンフレットと見ると2人とも同じ店を指指していた。「あははっ」顔を見合わせて笑顔になった和也と京子。
和也「なら行こっか。」
京子「うん。そうだね!」
店から出た2人は次の店に行く。その時も京子は腕を絡めていた。次の店に行きラーメンを食べて、もう1軒食べに行ったところで、お腹いっぱいになったのと、少し遠いところまで来たので、時間に余裕を持って帰ることにした。
京子「一緒に来てくれてありがとう。凄い楽しかった。」
和也「俺も誘ってくれてありがと。また今度、今日行けなかった店に食べに行こ?」
京子「うん。行きたい!!」
京子はまた行けるのが嬉しかったのか笑顔になる。帰りの電車は、普段話さないことを話しており、最近京子がみた夢の話になった。
京子「最近変な夢見たんだよね。」
和也「どんな夢みたの??」
京子「なんか・・・クハッ」
和也「・・・どうした??」
京子「なんか、あははっ。なんか、ブハハッ」
京子は急に笑い出した。和也はある事を思い出した。
美玲「京子って面白くってね。たまに変なツボに入って、すごいゲラが出る時があるんだぁ〜!」
(美玲が少し前に言ってたゲラってこのことなんだ・・・)
京子は1人でずっと笑っており、会話もできなくなっていた。その姿を見て和也も笑えてきた。周りの人から見たら、やばい2人に見えるに違いない。でも、そんな事を気にする余裕は2人にはなかった。日向町に着き、京子を家に送る。
京子「あぁ〜苦しかった。」
和也「あれが噂の京子のゲラね。」
京子「たまに入っちゃうんだよね〜。」
和也「はじめはびっくりしたけど、なんか見てると俺まで笑えてきたよ。」
京子「和もゲラなのかもね?」
そんな会話をしていると、京子の家に着いた。
京子「一緒に行ってくれてありがと。楽しかった。」
和也「俺もありがと。また一緒に・・・」
和也が全ての言葉を言う前に、京子がキスをする。
京子「また2人で一緒いこうね」
ウィンクをして家の中に入っていった。
京子にウィンクをされた和也はドキドキしながら家に帰った。

■筆者メッセージ
サムさん。遅くなりましたが、きょんこ編作りました。今後はもっと関係性を発展させる予定です!
しゃもじ ( 2021/05/05(水) 12:48 )