体育祭応援団就任??
今日からまた1週間学校が始まる。
和也「行ってきます。あれっ?どうしたの?」
玄関のドアを開けるとかとしがいた。
史帆「昨日のお礼ちゃんと言えてなかったから、和君のお家にこれば2人っきりで会えるかなーって。」
和也「連絡してくれれば早く出たのに。」
史帆「急がすのが嫌だったから。」
和也「そんな事いいのに。とりあえずいこっか。」
かとしと2人で登校する。
史帆「和君。昨日はほんとにありがと。どうお礼をしたらいいか。」
かとしは申し訳なさからか、いつもよりテンションが低い。
史帆「私に出来る事ならなんでもするから、なんでも言ってください。」
和也「なんでも??」
史帆「なんでもいいよ。」
和也「2ついいかな??」
史帆「2つでも3つでもいいよ。」
和也「なら1つ目は、今度、夏帆ちゃんとかとしと遊びにいこ?」
史帆「へっ?えっ?」
かとしは意外なお願い事で気の抜けた返事をした。
和也「俺一人っ子だからさ、妹か弟が欲しくって!夏帆ちゃんすごい可愛かったからさ!ねっ?だめ?」
史帆「いやいや?えっ?そんな事でいいの?てか、私的には凄い嬉しいけど。」
和也「ほんと?楽しみだな〜!」
史帆「もう1つはなんなの??」
和也「お願いってほどでもないけど、かとしに暗い顔は似合わないよ?だから、いつもみたいに笑っててよ?」
かとしは立ち止まる。
和也「あれ?どうした??うわあ」
かとしが和也に抱きつく。
史帆「和君ありがと〜。」
和也「ん?お礼されることしてないよ?てか、遅刻しちゃうから早くいこ?」
史帆「うん!としちゃんゴー!」
いつも通りのかとしになって、和也はホッとした。
学校に着き、かとしとはクラスが違うので別れた。
和也「潮さんおはよ。」
潮さんに挨拶をして席に座る。
潮「佐藤君おはよ。後1ヶ月後だね!」
和也「ん?1ヶ月後?何が?」
潮「何がって体育祭だよ!学校の年間カレンダー見てないの?」
和也は生徒手帳でカレンダーを確認する。6月末に体育祭と書いてある。
和也「ほんとだ。体育祭のチームってクラスなの?」
潮「クラスっていうか学年だよ!1学年3組がチームで、学年対抗戦なの!」
和也「学年対抗戦?なんか変わってるね?」
潮「確かにあんまり聞いた事ないかもね。それで、今日のHRで応援団を決めるらしいよ。」
和也「応援団ね〜。」
和也は自分から前に立つタイプではないので、関係ないかなって思っていた。
白石先生が入ってきてHRを始める。
白石「クラスから男子1名を応援団を出しますが、やりたい人??」
「はいっ!はいっ!はいっ!」和也以外の男子がみんな手を上げる。
和也「潮さん、なんでみんなやる気なの?」
潮「やっぱ応援団をやると注目されるしモテるからね」
白石「お〜意欲的で素晴らしい!1人を除いて。」
白石先生が和也を睨む。和也はびっくりして目を逸らす。
白石「ここまで多いと決めれないわね〜!そうだ!やっぱり応援団はみんなから慕われないと出来ないから、クラスみんなで投票にしましょう。」
「それにしましょう!」「誰になっても恨みっこなしな!」
白石「なら決まり!なら1人1枚紙を配るから、なって欲しい人の名前を書いてね!男子は自分の名前を書くのもよし、人の名前を書くのもよし!女子はクラスの『全員』の男子からなって欲しい人を書いてね?」
(ん?今全員を強調しなかったかな?)
和也「あの〜?」
白石「佐藤君どうしたの?」
和也「今クラスの男子全員とおっしゃいましたか?」
白石「あっ?」
和也「なんでもありません。」
投票を開始した。そして、投票結果。
白石「なら2-Bの応援団は佐藤君でけってーい!拍手!」
なんと、クラス全員の女子が和也に投票し、圧倒的な差で決まった。
「佐藤ならしょうがないか。」「やるからにはしっかりやれよ!」「サポートしてやるからな」クラスの男子が応援してくれる。なんでいいクラスなんだ!とは思う余裕のない和也であった。