合宿スタート
大輝が学校の集合場所についたのは集合時間の約20分前だが、既に顧問やコーチの稲本太一を初め、部員やマネージャーたちが多く集合していた。
「大輝や、おはよう。」
「おはよう、彩、3日間よろしく。」
大輝と彩が挨拶を交わしていると、予定よりも早く部員たちとマネージャーが全員集合し、玲奈が点呼を早めに終わらせたため、合宿場所に向かう一同は定刻よりも早くバスに乗り込み、出発した。
移動中のバスの中では部員の多くは早朝からの集合のため、眠っていた。
さらに前の方のマネージャーの座席に隣同士で座っている、彩と美優紀も体を寄せあって爆睡していた。
そしてバスは2時間半ほどかけて合宿場所に到着した。
バスを降りると一同は、一気に浴びる強烈な日差しに一斉に目を背けた。
「わー、合宿場所というか、リゾート地やな。」
美優紀の言う通り、合宿場所はビーチもある本当にリゾート地のようなロケーションだった。
それから部員たちとマネージャーは予めに予約されていた、近くのホテルまで歩き、荷物を起きにいった。
ホテルの部屋割りは部員たちは3〜4人で一部屋で、マネージャーは6人で一部屋だった。
「では、ユニフォームに着替えて、練習場所に集合するように!」
サングラスをかけたコーチの指示で部員とマネージャーたちは各自の部屋へ散って行った。
「なぁ、彩ちゃん、めっちゃ綺麗なところでびっくりしたわ。」
「ホンマにな、水着持って普通に遊びに来たいくらいやわ。」
各自で話をしながら着替えを終えると、部員たちはホテルを出て、練習場所に集合した。
部員たちは練習場所に集まるとすぐに一斉にランニングを始めた、その中にはもちろん大輝や達也の姿もあった。
この練習場所はホテルの近くにある大きなサッカー場だ。
ゴールデンウィークの5月とは思えないような暑さの五月晴れの空の元、練習に汗を流す部員たちはもちろん、マネージャーたちも給水をしたりボールや練習具などを運んだりと休む間もなく活動していた。
そんな中、花音、茉夏、彩、美優紀、涼花の5人は玲奈に集められた。
「みんな、ご苦労様。何か今日はすごく暑いけどみんな大丈夫?特にお手伝いの3人....」
「はい、大丈夫です!」
玲奈に心配された彩、美優紀、涼花の3人は声を揃えて返事をした。しっかりと汗をかいているが、3人とも元気そうだ。
「ならよかった。それで、稲本コーチから合宿3日間の予定言われたから花音たちにも伝えるね。」
玲奈から合宿の予定がマネージャーたち全員に伝えられた。
3日間の予定は初日である今日は普通に練習をし、二日目は別に合宿にきている他校のサッカー部と練習試合と普通の練習、そして最終日は一日中練習試合というもとであった。
忙しそうな日程ではあるが、予定の確認が済むとマネージャーの6人は嫌な顔をせずに、すぐに仕事に戻った。
そして、そのまま1日目の練習メニューは順調に進んでいき、部員たちの声やコーチの罵声の響くサッカー場も、夕暮れとともに静まっていった。
部員たちは練習が終わるとホテルに戻って行き、マネージャーたちも後片付けを済ませると、ホテルに戻っていった。
ホテルに戻るともう部員たちは夕食の時間まで各々で羽を伸ばしていた。