第二章 出会いは突然
彩の長い放課後

(彩目線。)


放課後、私は今学校から少し離れた町の方にバスで来ている。

私が転校してきた、希美杉学園は転校する前の予想とは外れて、都内なのにも関わらず田舎にある。

それで私が何故町に向かって行っているかと言うと……


「こんにちは、いつもの所で。」

「はいよ、彩ちゃん。」

私はとある施設内で一つの鍵を受け取った。

そう私が来ているのは、楽器などの練習スタジオを貸し出す店で私はこっちに引っ越して来た、3月の頭の頃からバイト先を決めると同時にほぼ毎日通い詰めてギターの練習をしている。

バイト先のファーストフード店も近くあり、近辺には楽器屋などが隣接されていて、学校から少し遠い事以外はとても都合が良い。


そして私がギターをアンプに繋いで練習をしていると同じスタジオに別の4人が入ってきた。

「こんにちは。」

「今日も彩は早いね」

4人は声を揃えてそう言う。


この4人は今私が所属しているバンドのメンバー。今日は一緒にセッションの練習をする予定。


「今日は彩がボーカルのやつを練習しよう。」

この背の低さと奇抜な服を着ているのは高橋みなみさん。私はたかみなさんと呼んでいる。、大学2年生でギターとボーカルを私と分担して担当している。


「たかみなー、私その曲全然練習してないよー。」

このたかみなさんより少し背が高いのは大島優子さん。この人は有名私立大学に通っている、いわば優等生。ベースを担当している。私は会った事がないが希美杉学園1年に妹がいるらしい。


「俺もまだ全然弾けねーよ。」

バンドの唯一の男子メンバーで優子さんと同じ大学で、優子さんの彼氏の村井寛人(むらいひろと)さん。この人はキーボードを担当している。


「了解です。たかみなさん。」

この清楚な美人さんは横山由依先輩。同じ希美杉学園に通っている三年生。成績優秀で勉強を頑張っているのでいつも来るのが少し遅れてしまうが、とても真面目で良い先輩。ドラムを担当している。


♪♪♪♪♪

「♪あぁ、わかんないよ。何回も、君を追いかけ駆け出したー♪」

♪♪♪♪♪

たかみなさんの言った通り、今日は私がボーカルとリードギターを担当する、GReeeeNのオレンジのカバーをバンドで2時間ほど練習をした。


「オレンジ大好き!ライブで絶対やろうよ!」

練習後、曲を気に入ったらしく優子さんはテンションが上がってる。

「賛成!ボーカルの彩いいよね?」

たかみなさんも気に入ったようだ。

「はい。」

そう私たちのバンドは結成から約一ヶ月程度だが、来月の後半にはライブを控えている。

本当に曲とか決めるのが成り行きで進んでいるが、ありがたい事にバンドのメンバーはそれなりの演奏技術を持っており、私もライブを楽しみにしている。


そして練習が終わり私を含めたバンドメンバーがスタジオを後にしていった。


私はこの練習の後はバイトが入っていたので仕事をこなして、バスで帰っていった。


そうや!家に帰ったら、大輝くんにメールしてみよ!


■筆者メッセージ
ベタ過ぎるかもしれませんが、
拍手くださる方々ありがとうございます。
バステト ( 2013/11/11(月) 21:23 )