忙しい朝
ビビビビビビビビビビッ!
季節は春、時刻はAM6時。
ベットの隅に置かれた目覚まし時計の音が鳴り響くのを合図に一人の男子高校生の一日が幕を開けた、、はずだった……
「……」
目覚まし時計を止めたものの、彼は再び床についてしまった。
「大輝!朝練遅刻するよ!」
「うぅ…分かってるよ!って……やばーー!」
彼は母親に起こされると、突然ベットから飛び起きて急いで支度を初めて、家を出て行った。
バタン
「行ってきます!」
「まったく新学期早々に…」
一目散に家を飛び出した、彼の名は富岡 大輝(とみおか だいき)、都内の私立校、希美杉学園に通う、高校二年生。サッカー部に所属している。
大輝が走ることおよそ15分。。
「はぁはぁ、何故うちの学校は自転車ダメなんだ……」
「あ、やっときた。遅いよ!早く準備して!」
息を切らす大輝にそう促すのは大輝と同級生でサッカー部マネージャーの木本花音だ。
「ちょっと待ってくれよ、走ってきたんだぜ?全力で。」
「だーめっ。大輝が遅いのが悪いんだからね?」
「はいはい、分かってますよ…」
大輝は花音と会話をしながら制服を脱ぎ、靴を履き代え、下に着ていたユニフォーム姿になった。
「はいっ、部室に置いといて!」
「あー、ちょっと!」
大輝は脱いだ制服と荷物を押し付けるように花音に渡してグランドへ走っていった。
「まったくもう、あたしは大輝の世話係かい!」
花音は大輝の制服や荷物を部室の床に投げ捨てた。
「あはは、花音先輩そんなに怒らないでくださいよ。」
その投げ捨てた物たちを後輩マネージャーの向田茉夏は丁寧にまとめて片付けた。
「大輝先輩、普通にかっこいいじゃないですか。」
「えー、どこが!?あんなやつが玉田や闘莉王と同じサッカーをやってるなんて有り得ない!」
「でもサッカーめっちゃ上手いじゃないですか!」
そう茉夏の言う通り、大輝はプレーのレベルは高く、二年生にしてエースストライカーである。